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出来れば、ここにいたいです。  作者: 愬月茉乃
第1章 「ゲーム本編」開始前
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借りた本

 サンフィル公爵家からの帰り。「ここで僕は降りるね」と言って、町を通った所でアロは馬車を降りて何処かへ飛んでいった。一体何処に住んでいるのだろう……山かな?



「お帰りなさいませ、ルファリエラ様」

 

 家についたので馬車から降りると、出迎えてくれたメノが本の入ったバックを持ってくれた。


「うっ、このバック重いですね。何が入っているんですか?」


「本が入ってるよ。読みきれなさそうだったからサンフィル家から貸してもらったの」


 そのまま自室に戻ると、私は羽ペンとインク、それから日記帳を引き出しから取り出して、今日、本で読んだ内容を忘れないうちに書いていく。本当は読みながらメモできたらよかったのだが持っていき忘れてしまったのだ。生憎紙やインクは高価な物なので、デイジーに羽ペンを借りると言う選択肢は無かった。私の頭で本の内容を全て記憶は出来ないので、要点だけを覚えたつもりだ。


◇◇◇


 精霊は精霊界で生まれ、気紛れに人の前に姿を現す。また、魔法を使い、人と意志疎通が図れる。魔力を持った人と契約を交わし、力を貸し与える。魔力の多い人に集まりやすい。契約の際、契約書を使い、執り行うこともあるが、殆どは口約束の軽い物。

     

 精霊は三つの階級と五つの属性に分けることができ、殆どの場合見た目で判別することが可能。

 上級精霊は金か銀の色の目を持ち、中級精霊は白に近い色。対して下級精霊は黒に近い色。

 属性は人と同じ火、水、木、風、光の五つ。体の色で判別し、それぞれ赤、青、緑、水色、黄。赤と青の色を持つ精霊ならば二つの属性を持っていると言える。

 無属性の魔法はどの精霊でも使うことが出来る。


◇◇◇

 

 書き出してみたが、読んだ量に対して覚えている量が少ない。


 そもそも、何故精霊を調べているのかと言うと、乙女ゲームのストーリーに結構関わっていた気がするからだ。調べるうちに何かゲームに関することを思い出すかと思ったが、今のところそう言ったことはない。


 それともう一つの調べていた理由がアロだ。本契約をする前に、アロについて知っておきたくて、色々な質問をしていたのだが、使える魔法の属性は、何なのかを聞くと急に黙ってしまった。少しの沈黙が流れた後、「ごめん、分からないんだ」と言われた。本来魔法を使ってもらえば分かる筈なのだが、無属性魔法以外は使い方を思い出せないようで属性が何なのかが不明であった。


 アロは、羽の色が青で黒いのもたまに混じっている為、水属性であることは確定したが、黒はどの属性になるのかよく分からない。借りてきた本があるので、そこに何か書いているかもしれない。本に記述が無いのなら、黒い羽は人間で言う白髪のようなものの可能性もある。


 借りてきた本に新たな知識を求めて、私は本を開いた。

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