サンフィル公爵家の図書館 下
デイジーさんに「階段の隣にある机と椅子は自由に使っていいわ」と言われたので、本を抱えながら探すのは疲れるから、私は定期的に机の上に気になった本を置いていく。
「そう言えば、二階にも精霊に関しての本があったわ。私は二階を探してくるわね」
探し始めて少し時間が経った頃、デイジーさんはそう言って二階に探す場所を移した。
気づけば、本を探し始めてから2時間が経っていた。そろそろ読み始めたほうがいいと思い、椅子に座り、机に置いておいた本の山の上から一冊手に取る。精霊も文字が読めるようで、アロも一緒に読んでいた。
私が二冊程読み終えたところで、二階からデイジーさんが降りてきた。
「ルファリエラさん、良さそうな本を何冊か見つけたので持ってきたわ!」
デイジーさんは私の置いた本の山の横に同じ高さのそれを置いた。わざわざ探してきてもらったが、さすがに2倍の量は今日中に読みきれない。
「あの、デイジーさん。何冊か本をお借りすることは出来ますか?」
「もちろん出来るわよ! 借りていく可能性も考えて、事前に父に了承を得ておいたわ」
「ありがとうございます」
「じゃあ私は二階に居るから、帰るときは声をかけて!」
借りれることになったので、少しペースを落として読んだ。内容を出来るだけ記憶して帰りたいので、集中して読む。
黙々と読んでいたらいつの間にか夕方になっていた。自分で持ってきた分は読み終わったので、そろそろお暇しようと本を元の場所に戻していく。戻し終えたら、階段を上って二階にいき、デイジーさんに声をかけた。
「デイジーさん。夕方になったので、そろそろ帰りますね」
「あら、もうそんな時間。いい本は見つかったかしら?」
「はい。知りたかったことは大体分かりました。今日は良い時間を過ごさせて頂きました。デイジーさん、わざわざありがとうございます」
「それなら良かったわ! それと、もう堅苦しい言葉はやめにしない?友達には気楽に話したいの」
うん、確かに、友達とは楽に話したい。って私、いつの間にか友達認定されてる!過去に太ってたこともあって友達が居ないから、嬉しいなぁ。
「あと名前も、デイジーでいいわよ」
「分かった……じゃあ、よかったら私のこともルファリエラって呼んで」
「そうさせてもらうわね、ルファリエラ」
デイジーに門まで送ってもらい、また会う約束を交わして、待機していた馬車に乗り、私は自分の家へと帰った。