~互いをもっと知りたいです~
ノルト連邦共和国 ミリオル海軍基地
「いやーここまでやっと辿り着いたなー。」
今日は外交官たちの活躍で成し遂げたノルト連邦との国交樹立を祝っての友好軍事イベントである。互いの軍の力を実際に見た方がいいとのノルト側の提案で日本政府が譲歩した。
「しかしノルトの軍事力は高いな。味方になって良かった。しかも英語が通じるって。」
防衛省関係者は言う。
そこにノルト連邦海軍のお偉いさんがやってくる。
「それでは我々海上自衛隊の護衛艦について解説致します。」
案内する者としてはやはり緊張感がある。
「こちらが前部VLSになります。こちらが様々なミサイルを発射する発射管となり、32セルあります。」
「おぉー我々の駆逐艦と同じような仕様ですな。」
「はい。こちらが多重対空防衛システムの1部となります。」
「多重対空防衛システムとはなんですか?」
「あっ…はい。貴国にも対空ミサイルがあると思います。我々はその後に防衛するシステムを一括で段階的にオートメーション化しています。」
ノルト側が少し驚きをもつ。
「それでは自動化が我々よりも進んだ艦艇ということですね!?」
なるほど。まだノルト連邦の艦艇を見ていないが、少しオートメーション化が遅れているのか?
おそらくは明確な敵対勢力があっても技術の格差があるのではないだろうか。しかし戦闘機の先進的なつくりから、おそらく航空戦力が重要な戦闘が長く続いたのだ。
「レーダーに映らないような戦闘機がありますか?」
突然の質問にノルト側は少し驚いた。
「はい。あります。しかしなぜその事を?貴国にも存在するのですか?」
「はい。あります。」
互いの航空戦力が大体把握できた。
「我々の艦艇は個艦防空ではなく、広い範囲で防空を行います。運用思想の違いなのでノルト連邦海軍でも同じようなことがシステム導入で出来ると思いますよ。」
「それは…誠にありがたいです。」
ノルト連邦側は少し日本についての技術の見方を改めるのだった。自分達と対等な技術をもつ国などEast外にいなかった。絶対にEastに日本を引き入れようという決心がノルト連邦側には存在した。
日本 首相官邸
「つまりインターネットのようなものがこの世界にあると?」
「はい。」
ココ最近わかったことで、インターネットのようなものがこちらの世界にも存在する。しかし少しコンピュータの発展が遅れている。2000年ごろのレベルである。しかしスマートフォンのようなものの設計は進んでおり、日本の企業の参画が期待された。元の世界のit企業もなんとか持ちこたえられる。
「それでは通信規格の確認と開通について情報を集めてほしい。」
「はい。」
これから長くなりそうだ…。1人そんなことを考える首相はすでに疲労困憊であった。