ちょっとエッチな百合
冬の寒い空気の中、私と花音ちゃんは一枚の毛布に身を寄せ合い、望遠鏡を順番にのぞき星を見る。
「きれいだねぇ」
「ねぇ」
白い息がかかるくらいの距離で話しかけてくる花音ちゃん。
私は何とか平常心を保ち相槌を打つが、鼓動が花音ちゃんに伝わってないかとても不安。
恐らく気づいていない様子で星を見つめている花音ちゃんは、どこか不安げな顔をしていた。
「わたしたちさぁ」
視線はそのままで、花音ちゃんは私の手をきゅっと握り、そういった。
私も花音ちゃんが言おうとしていることの予想はつく。
中学三年の冬。
盛りだくさんだった行事が終わり、受験本番のシーズン。
「これまでみたいに毎日会えなくなっちゃうんだね」
私の方を見て言った言葉は弱々しく、目には涙がたまっている。
「私もすごく悲しい。できれば同じ高校に行きたいけど……」
「親には逆らえないよ」
へへっとどこか諦念じみた口調で言う花音ちゃんなのだが、花音ちゃんの進路は親が決めていて、しかも偏差値も県トップクラスの名門校。
私の学力じゃあ今からではとてもじゃないが無理だ。
「ねえ未来ちゃん、私いつまでも大好きなままだからね?」
「私も大好き」
そう言って花音ちゃんの顔が近づいてきたことはもう慣れてる。特に驚きもしないし、私も花音ちゃんに顔を近づけ、かすかな鼻息が聞こえるくらいまで近づいてきたところでお互いの目が合った。
「ひうっ……!」
「わっ……!」
それは無理……。
今まで目なんか合ったことないし、私は必ず毎回閉じていた。
はっ……!もしかして花音ちゃんは毎回私を見ながらやってた!?
ずるい!
「むっ……」
ちょっと悔しかったので私は思い切って強引に花音ちゃんの唇に自分のを重ねる。
最初は動揺してた花音ちゃんは落ち着いたのか私の肩を両手で持って、口の中を舐め回す。
「へへ」
「もう」
いったん離し、お互いの混じり合った唾液が糸を引く。
真っ赤な顔で私を見つめる花音ちゃん。
「大好き」
「私も」