受験番号
ドキドキの感じはまだ覚えてます
川島桜と、飯沼和也と、吉津光3人の家族は静まる。
「どういうこと??」
と、桜がやっと口を開く。
「もしかして全員落ちた??」
と、光が1番恐ろしいことを言う。
みんなの顔が真っ青になる。
桜達は慌てて、掲示板まで行く。
そこには泣いている者も居た。
(落ちたのかな??)
と、3人は思った。
桜の、受験番号は72番、そこには『ない』って意味も含まれてるかもしれないと、桜は思ってた。
和也は73番、光は75番、みんなそれぞれ自分の番号を探す。
「あった!!」
と、誰かが声をあげる。
声を上げたのは、桜の母親。
「光!あったよ!」
と、光の母親も声を上げる。
みんなそれぞれ番号を見つける。
みんな安堵するが、つかの間…
「受験番号のあるお子様は中へお入りください!!」
と、教職員からの声がかかり、桜達3人は中へ入る。
廊下は受験合格者で溢れかえっていた。
様々な声が響いている。
「はーい!合格者の皆さんはまずは、男女に別れて採寸を行いますのでお願いします!!」
(男女別れるのかぁ〜。そりゃそうだよねぇ)
と、桜は思うと、男子二人は黙って男子エリアへ向かう。
桜は、一人で女子エリアへ。
ひとりぼっちの採寸はかなりドキドキが止まらないものだった。
人が多いせいなの、かなり時間がかかる採寸だった。
「あ!やっと出てきた!」
と、桜の母が言う。
「た、ただいま…。死ぬかと思った」
桜はぐったりした様子で帰って来た。
でも、和也と、光の姿が見当たらない。
「光達、来ないね〜。全く迷子になってなきゃいいけど。」
と、光の母が心配そうに言う。
「かなり、中が人で溢れかえっていたから、そこから出れないんですよ」
桜は苦笑いしながら言う。
あの二人が戻ってきたのはそれから30分後だった。
その間ずっと世間話をしていた。
「あんた達遅すぎでしょ!?」
と、桜が言うと
「わりー、人混みに捕まり続けてやっと出れた」
と、2人は疲れ果てた顔しながら言う。
3人とも無事高校入試を合格し、立派な高校生になろうとしていた。
制服、体操着、作業着の採寸も無事に終わる。
言い忘れていましたが、ここの学校は全国で有数の農業が学校。
県立大島農業高等学校
古くからの三大農業学校として、知られてる農業学校。
そんなことなど知らず、入学した桜だった…。
見つかって本当によかった〜!
安心しましたァァァ