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悪意顕現・暗黒領域

 ――古来より”十”とは、神聖なる数字であった。


 それは、人が新しい生命を育むのに要する月日であり。


 それは、”ヴィシュヌ”が持つ分身アバターラや”マルドゥーク”を構成する輝きなど、王が誇る権威やそれを確かなモノにする権能を示す象徴でもあった。



 ゆえに、人は十の数に王の影を見る――。



 ……だがその一方で、そんな輝かしい生命の営みや栄光から零れ落ちた者達は、全ての存在に降り注がれるべき十の祝福に何ら関わる事も出来ないまま、その生涯を終えるしかないのだろうか?


 そんな歴史の敗残者とでも言うべき者達の無念を、最も有効に"悪"用したのが古城ろっくという存在であった。


 彼から分かたれた十の”悪”の因子は、それぞれがなろうのサイト内において、エタった作品や不人気な作品を媒介にして取り込み、その作品に関わった作者達が抱えた人気作への嫉妬、自身の作品が評価されない嘆きといった感情などを吸い上げながら徐々に強大化し、遂には自身の世界を構築するまでに至っていたのだ。


 そして、決め手となったのは、現在有志の者達によって開催された『すげどう杯』。


 この企画を取り巻くなろうユーザー達の異様な盛り上がりと、有志の者達の”古城ろっく”の再来を待ち望む強い意思に導かれるようにして、なろうの中で静かに胎動していた暗黒領域が、今、現実世界へと浮上する――!!









 第一領域:無限快楽地獄・『おいでよ!姉虎あねとらランド♡』


 領域支配者:邪神・”ペニショク=シュ”


 廃滅属性:淫蕩



 木々が生い茂り、緑豊かな自然が特徴な世界。


 この領域の支配者は、巨大な球状の中心に縦に割れた大きな口を持ち、無数の触手と先端にいくつか目玉を生やした異様な姿の邪神・”ペニショク=シュ”。


 身体から生やした触手を用いて女性を凌辱し、自身の分身体を孕ませる性質を持つ。


 またペニショク=シュの奉仕種族として、”姉虎あねとら”と呼ばれる者達がいる。


 姉虎あねとらとは、多種多様な生物の身体的・生物的特徴を色濃く宿したムチ♡プリとした身体つきのお姉さんの容姿をした存在である。


 姉虎は人語を解さないが、優れた身体能力や人知を超えた異能、そして優れた繁殖能力を持っており、家族や恋人を邪神から守るために挑んだ数多の男達を相手に、まるで肉食獣のような獰猛さで精を搾り取る姿から、”姉虎”と呼ばれるようになった。


 姉虎は人間の男性との間に子供を作っても、母体の特徴を受け継いだメスしか産まれないため、このペニショク=シュと姉虎に狙われた世界の人間は、女性は邪神の分身体を産み出す苗床、男性は姉虎に性的搾取をされて人生を終えることになるので、必然として滅びの運命を辿ることになる。


『ビョルるルるッフ!!』





 第ニ領域:真理収束地点・『アングラケイオス』


 領域支配者:マフィア・"フォンデュ=パルメザン"


 廃滅属性:格差



 富裕層が暮らす安全快適な大都会と、道端で大量に浮浪者や餓死者が溢れている貧民街がはっきりと分かたれた世界。


 この領域の支配者は、大都会と貧民街の裏も表も支配したマフィア:”パルメザンファミリー”の女組長であるフォンデュ=パルメザン。


 他の勢力との抗争においては、自身の手下であるパルメザンファミリーの構成員や、路地裏で異能を研ぎ澄ませてきた貧民街の少年少女達を投入する。


 また、荒事だけではなく、綺麗事が入り込む事が許されない"貧富の格差"という現実を突きつける事によって、相手がこれまで人生の中で信じてきた倫理観を崩壊させる……という搦め手も得意とするため、このパルメザンファミリーに狙われた世界は必然として、物理的・精神的の両方から結束を崩され、彼らの支配下に置かれる事になる。


 しかし、法外なみかじめ料などを取られるようになるものの、その世界の人間が絶滅せずに済んでいる事から、十の暗黒領域の中において、最も古城ろっくの悪の因子による影響が少ない世界と言われている。


『そんな事はどーでもいいから、さっさとみかじめ料を払っとくれ!今すぐだよ!!』









「な、なんだありゃ!?森やら暗黒街やら、訳の分からないモノが街中に現れやがったぜ〜〜〜!?」


「おまけに、そんな中からマフィアっぽい黒服野郎や、変な格好をしたムチ♡プリお姉さん達が出てきやがった!早く逃げ……るべきかどうかは、ちょっと判断に迷うな。これ……」


 通行人が悲鳴を上げたりそうでもなかったりするが、それも無理はない事だろう。


 古城ろっくを信望する"魔王軍"の面々は飛び抜けて洞察力などが優れているわけではなかったが、曲がりなりにも彼と親密に交流していただけに、暗黒領域がこの世界に浮上する光景を一目見ただけで、これらが全て『魔王:古城ろっく』に関わる事象であると看破する事が出来ていた。


 だが、彼らと違って"古城ろっく"どころか"小説家になろう"も知らない者達からすれば、何が起きているのかもそれらがどれほどの脅威なのかを理解する事など到底出来るはずもなかった。


 そのように人々が対応に困っている間にも、暗黒領域から出現した者達の毒牙が迫る――!!

『本作は「すげどう杯企画」参加作品です。


企画の概要については下記URLをご覧ください。


(https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1299352/blogkey/2255003/(あっちいけ活動報告))』




※本作の執筆にあたって、『古城ろっく』さんの名義を使用させて頂く許可を、古城ろっくさん本人から頂きました。




慎んで、深く御礼申し上げます。

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