(そんなことしたく)無いです
「我が名はアルベール・ガリウス魔族を統べるものなり。我ら魔族は多少の諍いはあれど貴様ら人族に侵攻したことは無い。勇者よ。何故お前は我の前に立つ?」
「黙れ!!貴様ら下賎な魔族に聞き耳もたん!!」
そうか、もうこれ以外に魔族を救う術は無いのか…。
「ならば我を倒してみろ!!」
「ウオォォォォォ!!」
「……様……………ール様……アルベール様!!」
「あぁ、デハル…すまんな…」
「何故…なぜてすか!!貴方様ならあんな勇者などに負けはしないのに。」
「我は強い。強すぎるのだ……故に人族は我…を恐れて侵攻を始めた……」
「人族など滅ぼしてしまえばいいのに!」
「それではダメなのだ……。魔王と勇者……互いの最強に…差はあれど右腕に大きな差はない……。ならばそれを無くせば……希望はある!…人族にも我と同じ考えを持つものもいるだろう…グハァッ」
「もう喋らないでください!」
「デハルよ……魔族と…人族とが手を結び……笑い合う…そんな世界を………………」
「アルベール様!!アルベール様!!」
あぁ、捨て子だった我…いや僕を育ててくれたシスター。あの人も僕の力を求めた領主に殺されてしまった。
貴族に引き取られ、訓練と罰則の毎日だった僕を擁護してくれていたメイドのライだっけ…もうわかんなくなってきた…あの子も殺されてしまった。
厳しい訓練に耐え手に入れた力で、領主を殺した。それを気に領地を奪おうとしてきた各地の領主も殺した。僕の強大な力を恐れて攻めてきた当時の魔王も殺した……。
魔王になり魔族の住む場所全域を支配した。それから勇者と……あれ?あぁ違う…人族との和平も幾度となく唱えたが、反対するものも多く人族と関わらぬようにする法律を作ったんだ
それから人族が沢山攻めてきたんだ。それを退け、停戦を申し出ても断られもう、こうするしかなかったんだ……。
デハル…魔王になってから一度も僕を……裏切らずについてきてくれた迷惑かけちゃうな…………………………………………ってか走馬灯長くね!!!………ナガクネぇ………ナガクネぇ……クネェ……
「長い独り言でしたね(笑)」
「ななっだ、誰だ貴様は!!どこから聞いていた!」
「捨て子だった…からかなww」
「あぁもう死にたい、もう口調いいや、あぁてかもう死んでるよね!?」
「じゃあ本題に入りましょうか」
「ったく、早く入っとけよ」
「本題に入りましょうか(圧)」
「ヒッヒャイッ(なんだかんだ魔王だった僕がビビるなんて)」
「私は時空の神、原初の創世の神から産み出された六柱の神の中で最も早く産み出された神です。
魔王アルベール・ガリウスよ。貴方は常に人族との和平を望み、その強大な力を私利私欲に使わなかった。貴方は逆にその強さに振り回されていた。
そんなあなたには平穏な日々を過ごす権利がある。六柱の神の会議で満場一致で可決されました。よってあなたを」
「転生させます」
「イヤです」
「え?」
「え?」