表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺し屋な執事とヤンデレなお嬢様  作者: 竹ノ利
専属執事始めました編
8/15

衝撃的な事実

 








『──【黒霧】聞こえる?』

「ああ、聞きたくもないが聴こえるぞ」


 生気の欠けらも無いような無機質な声。それに応答に答えたのは俺。二宮銀だった。


『そのマンションの27階にいる5人、それが依頼されたターゲットだ』

「分かった、それで何号室だ?」


 エレベーターで上がる途中に、Bluetoothのヘッドセットから情報屋の声が掛かる。

 情報屋とは有りと有らゆる情報を金を払えば教えてくれる、非常に便利な奴のことだ。

 この世界でやっていくには情報屋とは必要不可欠。なのである条件を飲む代わりに、こいつには俺の専属の情報屋になってもらっている。


『──着けば分かる』


 情報屋との声と被せるように、27階についた音がエレベーターの中に響き渡った。

 そしてドアが開く。


「は?分かるわけ……分かったわ」


 ドアが開いた時に、大層な門番が二人も一室の前に立っていた。


『おいおい、ガキが何でこんなところに嫌がる。さっさと帰んな』


 言語からしてイタリアだろう。依頼主は復讐といっていたが、まさかイタリアのマフィアだとは予想外だ。

 少なくともここ米国でイタリア語が出てくるとは思っていなかった。


『おいガキ、このフロアの人間か?』


 もう一人の門番が英語でこちらに質問してきた。

 それは穏やかな質問では無い。なぜなら質問をした門番の男は手を腰にへと伸ばしていたからだ。


(返答次第では撃たれるな)


「え、あ、え、ここは、え…」


 戸惑っているように見せる。なんとも煮え切らない言葉だけを発して、門番が冷静さを失くすその瞬間まで息を潜める。


『お、おい。言葉通じてねぇんじゃねぇか?』

『あ?英語で無理ならもう無理だぞ!』


 勿論理解できてます。

 だが今回必要なのは言葉じゃない、淡々と掃除する作業だ。


『これなら分かるだろ、おい!!手をあげろ!!』


 門番の男は銃を手に取り、俺を脅してくる。

 向けられた銃口から火薬の匂いがほんのりと香る。当たり前だが、彼らにとって銃の引金は息を吐き出すのと同じくらいに当たり前で軽い。


『おいおい、チャカ見せたら解放できねぇじゃねぇか』

『いいんだよ、元々解放するつもりねぇし』


 二人の門番は俺にイタリア語が分からないとたかを括って話しているが、イタリア語は理解できる。


 だからこそ、気軽に殺れる。


『おい!さっさと手ーあげろ!!』


 言葉が通用しないと分かっていても怒鳴り散らす門番。そこで俺は今やっと理解出来たように装い手をあげる。


 その瞬間だった。

 袖から隠しナイフを手を上げる動作の中で、手に握ってからすかさずに投擲したのは。

 ナイフは二人の首の奥まで刺さっているが、あまりにも洗礼された動作だったので二人は刺さってからやっと気付いた。


 しかし、気付いた時にはもう遅い。

 喉にナイフが刺さっているため、大量の血がナイフを伝って地面に落ちる。


『────』

『────』


 二人の門番は声にもならない音でこちらを睨み付けてくる。それを見下すかのように見下ろす。

 その瞳はどこまでも冷たく、淡々と殺すことを目的とした瞳だった。


 門番の一人が最後の力を振り絞り、持っていた銃を撃とうとする。

 銃口はこちらに向けず、ただ音を出すためだけの発砲。


 だが、それを許す程この殺し屋は甘くない。


 引き金に指をかけかけた時。

 銀は刺さったナイフを押し込むように、靴底で踏みつけた。


 門番は絶叫するが、喉が切られているせいで漏れ出す空気の音だけが部屋の前で木霊した。





 二人の始末を迅速に終わらせ、本題の部屋へと入る。

 手にはピッキングの道具があり、音を立てずに遅くない歩法で部屋へと入る。



 五人、それが今回出されたターゲットの数。

 15歳の一般男性は、マフィア五人を相手にしても勝てる可能性は万に一つもない。


 一般男性だったら…。


「始めますか」


 一歩一歩歩くなか、銀は右手の平で顔を覆い一瞬だけ顔を隠した。

 顔から右手の平がはなれた瞬間、銀は殺し屋のスイッチが入る。


 左手には先程投げたナイフ。

 右手にはサプレッサーのついたハンドガン。








 蹂躙は一分と掛からなかった。


「テレス終わった」

『…分かった、証拠は全部回収した?』

「舐めるなよ、何年やってると思ってんだ」

『そだね』


 返り血を一つも浴びず、証拠も全て回収する。

 熟練の殺し屋、それが【黒霧】。



 その時、タイミングを伺っていたようなタイミングで銀のスマホに電話がかかってきた。

 スマホを取り出し、画面に表示された文字を見て安心するように通話を始めた。



「はい」

『おう銀。実はだなお前に言い忘れてたことがあったんだ』


 マティアスが弱腰な声を出す。

 らしくない、それが素直な感想だった。


「前置きはいい、本題を話してくれ」

『おう、そうか!実はな美幸お嬢様の高校の執事のことなんだが──』


 歯切れが悪いと思っていたマティアスは、いつも通りの口調に戻った。

 しかし、脳天気なマティアスから発せられた事実は銀の想像を遥かに超えていた。


『──伝えるのが遅れたんだが、今年で美幸お嬢様は高校2年生だ。一年遅くなったが…まぁ、気にすんな。日本へのチケットはホテルに届けといたから、それ使って美幸お嬢様の元へ向かえ』








「──は!?」




早くヤンデレ化した美幸をかきたいな。

それより金持ち学校ってどんな行事あるんですかね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ