第六話「憑依合体:太田丸!の結果をご覧ください」
その日を境に太田氏がボクらを、
いや。ヤンキーちゃんを避けるようになった。
抜ける動画(髪)未遂がよっぽどトラウマになったらしい。
立場が逆だったらボクが2人を避けていたかもしれない。
そして昼休みになった。
「太田。来ないな」
「うん。来ないね」
微妙に長い沈黙。
微妙にうつむくヤンキーちゃん。
努めて普通を装うボク。
もう普通じゃなかった。
「あたしのせい……だよな」
「んーでも、事故みたいなものじゃない?」
ギクシャクしたまま昼休みが終わった。
モンシュトは結局やらなかった。
あと購買で買ったやきそばパンもからしが強めだった。
それから1週間ほどたっても相変わらずギクシャクしていた。
変わったことといえば、最近ヤンキーちゃんに生傷が絶えなくなっていることくらいだ。
いや、これなんかやってるやろ。
ということで尾行してみることにした。
放課後にヤンキーちゃんを尾行する。
行くぞヤンキー王。ダンボールの貯蔵は十分か。
………。どうやら普通に家に帰っているようだ。
と、思っていた矢先にこれまたヤンキーっぽい女が3人でてきた。
代表っぽいやつがヤンキーちゃんの行く手を塞ぎながら話かけている。
「あれれー?砂尾さんじゃーん!」
「……」
「シカトwwwうけるwww」
ヤンキーちゃんはスルーして過ぎ去ろうとしていた。
ほんまにガンシカトやでぇ。これがスルースキルか!?
と思ったら案の定残りの2人に捕まっていた。
「あんたさぁ、銅仏之杜抜けるって本当?」
「抜けるよ。昨日もおとといも何回も言っただろ」
「なんで抜けるの~?理由を聞かせて~?」
「……普通の友達と遊びたいから」
そういえばヤンキーちゃんはヤンキーグループに所属しているという噂を聞いた。
たしか銅仏之杜とかいうグループだ。
ボクはし○えさんが大好きだ。
まぁそれは置いておいて、ヤンキーちゃんはそこを抜けたいらしい。
普通の友達ってボクと太田氏のことかな。恐らくそうだろうな。身に余る光栄ですな。
「違うでしょ~!知ってるの!キモイオタクの片割れが好きなんでしょお!!」
「西戸崎はキモくないッ!!」
「キャー!!かばったーww!キモーイ!!」
………。砂尾さん。
あの告白、もしかして本気だったのか……。
あと、オタクは否定しないんだね。いや、否定できないけど。
ボクを馬鹿にされて激昂する砂尾さんをヤンキー女3人は
蹴ったり、突き飛ばしたりしていた。このせいで生傷が絶えなかったわけか。
ボクの中に言い様のない怒りが込み上げてくる。
ラノベの主人公だったらここで一気に才能が目覚めるんだけれども、
ボクはモブキャラなのでそのようなことは一切ありません。
そう、ボクはモブキャラだ。
だけど、男だ。
「やぁやぁやぁ!どーも!キモイオタクの片割れこと西戸崎でぇぇぇす!デュフフ」
「ひっ!キモッ!」
「西戸崎……。なんでここに」
「デュフフフフ。デュフリアントマイソロジー」
ボクの戦闘力は野菜の国の大根さんに「戦闘力たったの5か。ゴミめ」
といわれた人に「戦闘力たったの0.05か。ゴミめ」といわれるくらいの戦闘力だ。
女子相手でも勝てないのに3人とかモンシュトの初期キャラで
銀河ウツボ倒すくらい無理ゲーだわ。
だからボクは出来る限り太田氏をイメージして、キモさで勝負する。
「デュフ、デュフフフ。触りたい~触りたい~デュフフ。デュフフフフ」
手をワキワキさせながらデュフりながら3人にゆっくり接近する。これなら勝つる!!
「キモいんだよ!!」
代表ヤンキー女に殴られた。痛い。だが、ここからが本番だ!!
ボクによる太田氏の物真似の本気を見るが良い!!
「デュフフフ。ボクを殴った手も小さくて可愛いお。すぐ捕まえてprprするお!!」
「いやぁぁぁぁ!!殴った手が腐るぅぅぅ!!キモイィィィィ!!」
3人は撤退した。
ボクと砂尾さんがぽつんと残った。
いや、言い直そう。
ものすごくキモイ行動をしたボクと砂尾さんがぽつんと残った。
コカコー○北島風に言ってみようか。
超気まずーーーーい!!!!
「西戸崎、さっきのあれは太田の真似か?」
「あ、うん。良く分かったね」
「うん。なんとなくな」
「上手だったでしょ?」
なんだかんだ砂尾さんも助けたもんね!!
褒めて褒めてー!!
「太田はあそこまでキモくないぞ。今度謝っておいた方がいい」
ダメだしを食らったようである。
勇者クレーマーも完走するよ。
ちゃんとするよ?ほんとだよ?すとらいくしょ(ry