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第十二話「太田氏の本気」


「メガネ氏! 血がこんなに! 大丈夫でござるか!?」


「あ、うん。大体は返り血」


「バイオレンスにござるっ!?」



イケメン登場した太田氏に支えられ立ち上がる。

どうもりの連中はヘッドの登場に震えているようだった。


だが、ボクも状況がつかめていない。

太田氏もなぜここが分かったんだ?



「何でどうもりメンバーは震えてるの?」


「うむ。どうやら砂尾氏リンチの件はヘッド殿の意向ではなく、

 あくまでネック。 首代の独断だったようでござる」



なるほど、ヘッドを通さずにこんなサプライズを企画したわけか。

首代が彼氏だったら記念日は毎回わくわくできそう(小並感)



「それはそうと、太田氏とヘッドさんはなぜここへ?」


「うむ。どうもりメンバー全員のツイッターを監視していたところ、

首代の独断ということがわかったでござる。よって、ヘッド殿へ

連絡すれば動いてくれると確信したのでござる」


「まじかよ……パネェな!!」


「ちなみに場所は、ツイッターにうpされていた写メから特定したでござる」


「おたくの ちからって すげー」



太田氏のまさかの有能さに脱帽です。

ボクがラインの一本でもいれておけばもう少し楽だったろうに。

今更ながら後悔中。もう少し太田氏に頼るべきだったか。



「しかし、場所の特定に少々時間がかかってしまいメガネ氏と砂尾氏を

 危険な目にあわせてしまった。 すまぬ……」


「いや、本当に助かったよ。 ありがとう」



太田氏とそんな会話をしていたのも束の間。

ヘッドが首代の胸ぐらをつかんで淡々と問い詰めているようだった。



「お前、なに勝手なことしてんの?」


「す、スンマセン! スイマセン!!」


「しかも女を、よりにもよって砂尾をリンチだぁ?」


「いや、だってあいつ生意k」



首代が言い終わる前に、ヘッドはビンタを繰り出していた。

首代は「へぷーん!」とか言いながら吹っ飛んだ。


もう一度言おう。吹っ飛んだ。比喩表現ではない。

ヘッドさんのクマさんのような体格は生半可じゃないことがわかった。


首代がピクピクしているのを他所に、ヘッドはこちらを向き声をかけてきた。



「君が西戸崎くんかい?」


「はい。 そうです」


「一人でここに来たのか?」


「そう言われていたので……」


「そうか。 "漢"だな」



おお!やべー!!どうもりのヘッドさんに褒められちゃったよー。

しかもこれあれやで、漢字の漢って書いて"(おとこ)"だよ!!多分!


いやー!怯えながらも来たかいがありましたな!

これでボクもありのままの自分になれるんじゃないかな!レリゴォォォオオ!!



「でもまぁ、うちのグループ員に怪我させたケジメはつけてもらおうか」


「えっ」


「首代に怪我させただろ? 大したもんだよ。 あいつ結構強いのに」


「いや、あの」


「どんな状況でも、仲間がやられたらやりかえす。

 それが俺たちの在り方だ。 分かったらかかって来い」


「狂いそう……(現実逃避)」



やだ、もう。この脳筋ヘッドさん。

無理よ。無理無理! ボク人間だもん。

クマには勝てるように出来てませーん!


それでも逃げるのは悪手だと思ったボクの足は、

ガクガクと武者震いしながらヘッドの方へ向かう。


数歩進んだところで、太田氏が後ろ手でボクを押さえるように

ボクの行く手を遮った。まるでヒロインを守る主人公のように。



「ヘッド殿、メガネ氏は怪我をしている。 代わりに俺氏が相手致そう」


「へぇ。 太田くんが。 いいよ」


「"本気"を出すのは久しぶりでござる。力加減を誤らなければいいが」


そういうと太田氏はヘッドに数歩近づき、構えた。

その構えはまるで猛禽類の様な猛々しい構えだった。



「秘技・荒ぶ○鷹のポーズ」


「太田氏。 ちょっと古くない?」



構えた太田氏はヘッドへ向かってステップインした。

といっても数歩詰め寄るだけなのだが。


ヘッドはそれに対し拳を振るった。


しかし太田氏もそれに合わせ、まるで鷹のように華麗に宙を舞った。


そう、華麗に宙を……。




宙を……。



太田氏が地面におちた。


どうやらブン殴られて華麗に宙を舞ったようだ。




「さっきまでの強者感はなんだったんだよおおおおおおおおおおおおおお!!」


「す、すまぬ。 ケンカ漫画を読んで強くなった気がしてたでござる」


「ボクと一緒のこと考えんなよ! 恥ずかしいだろぉ!!

 太田氏……。もういいから早く砂尾さんの拘束解いてきてよ」


「了解仕った」



太田氏を立ち上がらせた後、ボクはゆっくりとヘッドの方を向いた。

ヘッドは真っ直ぐにボクを見つめている。


ボクも真っ直ぐに見つめ返す。

そして要求を真っ直ぐに突きつける。



「砂尾さんは、ボクが連れて帰ります」



そう言い放ったあと、ボクはヘッドへ殴りかかった。

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