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100の彼方  作者: 向日
3/3

序章3:日常



探査機が消えた事件から一週間が過ぎた。

もうあの時ほどニュースにならなくなった。


しかし、専門家達はまだ議論しているみたい。


特殊な電波の影響で位置情報がキャッチできなくなっただとか、宇宙背景放射が……とかよくわからないことを言っている。


まぁ…宇宙人説よりは筋が通っていると思う。


その宇宙人説を立ち上げた本人は…

一昨日くらいから風邪で学校を休んでいた。


昨日心配になり電話してみた。

そしたら…

「宇宙人が真実に近づいた私を消そうとしているんだわ!!」とか言ってた。


多分明日から登校してくるだろう。


まぁ…なんだかんだ言っても、まなみがいないと学校つまらない。


ラプラスのおかげでなんの事件もおきないしね。


ただぼんやり1日を過ごして、また明日がくる。

明日がくると、またぼんやりしてまた明日だ。


だから人々は探査機がなくなっただとか、そういう事件に食いつく。


ラプラスは宇宙のことまでは予想できない。

宇宙から地球へくる干渉は予想できるが、地球から宇宙へ行くものの予想はできないのだ。


みんなラプラスの存在が当たり前になり、平和も当たり前になっている。

こんな平和ボケした世界では探査機を見失ったくらいの小さなトラブルでもニュースになるし、どうしたらいいかわからなくなる。


27年前…ラプラスができる以前の日常と、今の日常

全く別物だろう。

私達は事件が起きることが珍しくて非日常。

しかし27年前はこんなに平和なことが非日常であったと思う。


このまま行くと、ただ生まれ…ただ生きて…ただ死ぬ

そんな世界になってしまうような気がしてならない。


とか思ってしまう。

やっぱり放課後の屋上は涼しくて考えがまとまるし、見晴らしがいいから色々な情報が目から入ってくるからいいね♪


一人は好きだが、友達がいないというわけでもない。

まなみは特別だが、並みくらいに友達はいると思う!多分…。


帰りは一人で電車。

田舎にしては珍しい3両編成だ。

確実にそれに見合う人はのっておらず、家の最寄りの駅につくまで時間がかかる。

だから…たまに寝てしまうことも…。

多分…これは寝てしまう。

私は時間を見る。

まだ20分はある。


寝てしまおう…かな。



夢を見た。

いつも通り、だだっ広い草原でもう一人の私と会話する夢。

いつも会話は聞こえてこない。

今日も聞こえない。


しかし気づいたことがある。



……この草原見たことある。

いや、違う。

想像したことある?

いや、それとも違うかも。

なんて言うんだろう…私は想像したことないが、私が想像したことある。

そんな感じだ。


いつの間にか想像していたのかも。

忘れただけかな?

いつの間にか私の心の片隅にこの草原の景色が置かれていた感じ。


いつまでも眠っていたくなる――



「お客様!定期拝見ご協力お願いします。」


びっくりしたー!

車掌さんが定期拝見に回ってきたのだ。


「あ!すみません!」


まぁ…いつもこの定期拝見で起こしてもらってるんだけど♪


今日は帰って寝よう。

また明日が始まる。


明日のために…。

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