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100の彼方  作者: 向日
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序章2:探査機


ヂリリリリ!


朝、私は時計のベルで起きる。

なんにも変わらない朝。

昨日はお風呂に入って歯磨きをすると寝てしまった。

「お腹へったー。」

居間に行くとすでにご飯が用意されていた。


「早く食べちゃいなさい!」

「は、はい!」

お母さんは厳しい。

一人っ子だからかなぁ。

厳しい母に、過保護な父。

私はバランスがいい家族だと思う。


朝ご飯を食べながら、ほぼ毎朝ついているニュースに目をやる。


地震のニュースかぁ。

「これって…昨日真奈美が言ってたやつか…。」

私は平和な世の中に生まれた。

ラプラスのある世界。

退屈な世界…。




私がクラスにつくと、あるニュースで持ちきりだった。


それは、惑星探索機が消えたというニュースだ。


宇宙へとばした探索機が火星をすぎたあたりで完全に姿を消したというのだ。


私には関係のない話。

またすぐに見つかるだろう。


私にはオカルトな友達が多い気がする…。

それより、こういう話をすると真奈美が−


「ちひろー!!」


ほらきた♪

中学校からの仲だから行動が結構見えてしまう。


「おはよー!元気いいね♪なにかあったの?」


「なにかあったの?じゃないョ!私のオカルト魂に炎をつける事件があったの!」


「へ、へー…!どんな事件?」


これはやばいパターンだ…。

気迫だけで負ける。


「惑星探査機が消えたらしいのよ!火星の惑星フォボス…これを調べに行く予定だったのに!」


「た、単純に見失っただけじゃ…。」


「…あんたそれ本気で言ってるの?見失うわけないじゃない!」


「じゃあなんでだと思う?」


私はしまったと思った。

これを言ったらまなみは…!



「宇宙人よ!!宇宙人!!!」


こうなったら親友の私でも止められない。

3日間は聞きたくもない宇宙人について語られる。


だから彼氏もできないんだぞ!

いや……人のこといえないか。


「う、宇宙人がなんで?」


「きっとフォボスには地球を監視する施設みたいなものがあるのよ!そこで見つかりたくない彼らは…」


「彼らは…?」


「秘密裏に探査機を奪ったのよ。あるいは壊したか…。」


こ、こわいー…

言い方がもはやプロ。

さすがオカルトファン。


こんなにかわいい顔して、淡々と宇宙人について語ってくるまなみは多分なにかに憑依されてると思う。


私はそういうものを信じているわけじゃないが…。




私はずっと考えていた。


あのよく見る夢について。


最近は頻繁に見るようになってきた。


あの夢に出てくる私は、確かに二人とも私なのだ。


そんな気がする…。


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