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100の彼方  作者: 向日
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序章1:ラプラス



空を仰げば満ちてくる。


私の気持ちで…。


私は“上山千尋”、17才。



「千尋♪そんなところでなにしてるの?」この子は私の友達で名前は“松村真奈美”。

元気とノリはいいが、場所を選ばないのが玉に瑕。


「真奈美は元気いいねー。私は黄昏てたよ。」

学校の屋上が私のお気に入りの場所。

目の前にはグラウンドが広がり、すぐ右には校舎が見える。


「そんなことより!また地震あるらしいよ!長野の南部で!」

心なしか真奈美の目が輝いてみえる。


「人の不幸を喜ぶのは悪いよ!」

もちろん真奈美がそんなやつじゃないことは知っている。


「そんなつもりはないよ!ただ“ラプラス”の予想だから長野の人達大丈夫かなって…」

しゅんとなった真奈美は、放課後の屋上、夕日があたってかわいい。

それに空気は読めないが自分以外の人を心配できるいいやつだ。


「ラプラスかぁ。」


ラプラスとわ…

2032年7月に導入された最新鋭の人工知能予想型コンピューター。

私の生まれる10年くらい前かな…。

名前の由来は物理学者ラプラスから。

物理学者ラプラスは言った。

「ある物体の現在の状況、それらを全て知ることができる悪魔がいたらその悪魔はその物体の過去と未来を予想することができるだろう。」と。

これが“ラプラスの魔”のことだ。


人類はその悪魔をコンピューターという形で完成させてしまった。


コンピューターに地球の全てを見れるように“目”をつけて宇宙に飛ばした。

人工衛星として。

本体は5つに分かれていて地球の周りをぐるぐる回っている。

そこで得た地球の情報をリアルタイムで北極に設置されている始祖ラプラスに送る。

そこで予想するのだ。


このラプラスのおかげで犯罪はほとんど未然に防がれ、自然災害での被害は最小限に抑えることができるようになった。


犯罪に関する法律は一新され、全世界で色々な条約が結ばれていった。


難しい話だが、今の世の中知らない人はいないだろう。


「あ!もうこんな時間。電車に間に合わないといけないから私先に行くね♪また明日!」


「じゃあ私もそろそろ帰ろうかな♪また明日!」

私の家は学校がある場所から電車で30分。

6駅離れている。

田舎者は大変だよ…。


家につくとすぐに自分の部屋に行く。

6畳の狭い部屋だが、自分の部屋なだけあってかなり落ち着く。

全体的にピンクが多いテイストだ。


音楽をかけてベッドに横たわる。


こうしている間にお昼寝してしまうことが多い。

今日そうなりそうだよ…。


私はよく夢を見る。

かなり広くてなにもない草原で、もう一人の私とお話する夢。


ずっと眠っていたくなるような…そんな夢だ…。


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