3 探知
コウは取得済みの魔法をウィンドウの機能のひとつであるメモにリストアップしていた。戦技と呼ばれるものも存在するが、両方使うと器用貧乏になる上、魔法で代用出来るものもある為、コウは使用していない。
「町を探したいんだけど、良い魔法無いかな?
回復魔法は内側に作用するのしか無いから除外するとして、補助魔法や攻撃魔法だと…」
コウは回復魔法を線で消し、フラッシュやサウンドボム等の威力が低く、対象となる範囲が広い攻撃魔法と、ヒアリングやビジョン、シックスセンス等の感覚を強化する補助魔法に丸をつけた。
「五感系と第六感のバフを掛けて、あと念の為に軽目の障壁魔法を掛けてっと」
コウはボス戦前かの様にバフを大量に掛ける。
「サウンドボム、フラッシュ、アーススタンプ。」
コウが放った魔法は広範囲に広がり、反射、吸収され、やがて莫大な量の情報となってコウの頭に流れ込んだ。
「っ、痛っ。インフォメーションプロセッシング!」
流石に耐え切れ無かったのか、コウが情報処理用の魔法を発動させる。情報は選別され、必要なものだけが伝わる様になった。
「うん。大体分かった。此処から一番近い町は南かな?」
町を見つけたコウは、南に向かって歩きだした。