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番外編その一 ―暗黒騎士ゴウによる、キングダムルールの世界観解説―

 諸君! 今日も元気に戦っているか!? ん? 「誰だお前」だと? 我だ我! 《暗黒騎士ゴウ》だ!!


 諸君のような新規プレイヤーの為に今回、このVROバーチャルリアリティオンラインゲーム、《キングダム・ルール》について解説していこうと思う! 


 どんなゲームかというと一言で表すならPvP、いわゆる対人ゲームに近いものだ。プレイヤーは六つの国のいずれかの兵として、国を強大にするためにあらゆるクエストをクリアしていくことになる。その中で大きなウェイトを占めているのが対人クエスト、あの刀王も作中で言っていた戦争レイドバトルだ。


 戦争といってもその規模はまちまちであり、冒頭にもあった小隊同士による小規模な遭遇戦から、街の占拠のような中規模〜大規模戦。そしてこれは滅多に起きないものだが、それこそ巨大な主要都市や地方を巡っての大規模な争いなど、様々なものが挙げられるのだ。フハハハッ、血がたぎってくるわ!!


 ここでそれぞれ六つの国と、王について説明をしておこうか!


 まずは我らが剣王が相手にしている国、銃王じゅうおうが治める《キャストライン》から説明を始めよう。キャストラインは主に銃などの遠距離系をメインとする職業を持つ者が配下につく国であり、シンボルカラーは緑。国の特色から遠距離職にとって育ちやすい環境となっている。治めているのは銃王で、その腕前は100km先の人間の眉間をぶち抜けるほどらしいぞ!


 そして次は拳王けんおう治める国、《デューカー》についてだ。ここはいわゆる拳一つでのし上がる脳筋共が集まる国だ。裏を返せば、武器を使わずとも素の戦闘力で他の国と渡り合えるということだ。常に血がたぎっているのであろうか、シンボルカラーは赤。そしてここの拳王、噂によれば我が忠を尽くしている剣王と仲が悪いらしく、長年対立関係でいるようだ。


 次に導王どうおうが仕切っている《ブラックアート》。シンボルカラーは黒。ここは魔法を使う者、魔導師ソーサラー・ソーサレスが集う国だ。そもそもこのゲームにおける魔法とはレベルアップで覚えていくものではないらしく、魔導書を読み解いていくことでその呪文じゅもんを習得、そしてTPテクニカルポイントを消費して発動をするというわけだ。この国を治める導王は、噂によると一個大隊を一瞬で消滅させる呪文を取得しているらしいぞ。恐ろしいな!


 お次は械王かいおうが頂点となっている国、《マシンバラ》。シンボルカラーは黄。その名の通り機械を開発し、中世の世界なのに近代戦闘を仕掛けてくるという恐ろしい軍団がいるようだ。まあそうなったら我が剣で真っ二つに断ち切ってくれよう! そしてこの国は《キャストライン》と技術提供し合っているようで、《キャストライン》の者どもが持つ銃が時々近代的なのもこのせいだそうだ。そして王の噂というより国自体の噂だが、いざとなった時に首都は無敵の移動要塞と化すように開発されているらしいぞ。


 そして暗王あんおう率いる国、《ワノクニ》についてだが……すまない、正直そこまで情報を持っておらんのだ。ただいえることをいうとするなら、奴等は暗殺にたけている。そして殺す時はばれずに一撃必殺をモットーとしている。後はシンボルカラーが紫、ということぐらいか。他と比べて治める領地も小さいが、暗王どころか首都の場所も不明。ある意味一番危険な国家かもしれんな。


 最後に我らが剣王治める国、《ベヨシュタット》についてだ! ベヨシュタットは剣術を極めたい者が集まる国。そして他の国と比べて平和であるから、プレイヤーの中でも戦いを苦手とする者も集まる国だ。プレイヤーレベルの層は厚く、人員も多い。ただ、その分だけ他の国と比べると地位を奪い合う競争率が高いのが難点だがな。シンボルカラーは清々しい青。この国で盛んなのが、そのプレイヤーの多さからくるギルドである。他の国より様々な志向のギルドが存在し、我も《魔剣同好会》というギルドに参加しているぞ! よかったら見ていくと良い! そしてこの国で有名なのがこの国を影から支えるギルド、その名も《殲滅し引き裂く剱ブレード・オブ・アニヒレーション》だ。あの刀王も所属しているらしいが、何をしているのかの詳細情報は明かされない。王については……NPCにしては器も大きく、下々の民からの信頼も厚い。王としては素晴らしい逸材だ。



 長々と話してしまって申し訳ない。国の情報はどうしても大量なものとなってしまうからな。次にプレイヤーのステータスについて説明しよう。

 まずはLPライフポイントTPテクニカルポイントについて。LPは体力を示し、TPは技や呪文を発動するときに消費されるポイントだ。ここで重要なのは、LPがゼロになってしまうと、プレイヤーは抹消デリート、全てリセットされてしまうことだ。このペナルティは痛い。

 そして各成長パラメータについてだが、箇条書きにしたものを見て欲しい。


 STR(筋力)strength 物を持てる最大積載量。武器の取り扱い。物理的攻撃力にも適用。

 DUR(耐久力)durability 物理耐性。身体的バッドステータス耐性。

 INT(知力) intelligence 魔導書解析の速さやTP最大量アップ。発想力。

 MIN(精神力) mind 魔法耐性。精神的バッドステータス耐性。

 PRO(器用さ) proficiently 手先の器用さ。武器の取り回し。俊敏さ。

 LUC(運) luck レアアイテムドロップ率アップ。クリティカル率アップ。


 これらはレベルが1上がるごとに自分で好きなように割り振る事ができる。基本的に近接職はSTRとDUR、遠距離職はSTRもしくはLUC、そしてPRO。魔法職はINTとMIN、機械系はINTとPROといったところを上げていく。あの刀王は何故かSTRやDURをそこそこにLUCとPROを上げていたようだが、一体何をしたいのやら。


 そしてスキル。この言葉は二つのことを指しているのだが、まずは一般的なスキルというものはその行動に対して蓄積される技術のようなもので、例えば馬に乗り続ければ騎乗スキルが、剣を振るい続ければ剣術スキルが自動的に上がる。何らかのスキルが一定値向上し、かつ敵を倒したりクエストをクリアしたりといった経験値が溜まると次のレベルへと上がる。これがこのゲームでのレベルアップ方式だ。

 そして固有スキル。これはスキル値が一定まで上がると特殊な技や呪文を習得できる。これを固有スキルといい、たまに一緒にして「スキル」と言う者がいるが、全然違うものだと理解して貰いたい。


 此処まで長々と話してしまったが、最後にこのゲームのクリア条件についてだ。

 このゲームのクリア条件とは、いずれかの国がこの暗黒大陸・《レヴォ》を統一することだ。できれば我らが《ベヨシュタット》が統一して気持ちよくクリアしたいものだな! 

 ここまで話を聞いてもらって感謝する! 次はゲーム内で、敵として、友として会おう!!

 さらばだ!!


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