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TRUMPⅤ  作者: 四季 華
第3章
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3-3

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「な、何だ?」

 リアルは、突如として視界を奪われたことに焦りを感じていた。リアルの嫌な予感は的中し、すぐに手には衝撃が走った。春一に銃を蹴り上げられたのだ。

 リアルは視界を奪っているものを手でどけた。それは、カラフルな色をした何十本もの細いテープだった。

「没収~」

 春一が銃を手で弄びながら、リアルを見て笑っている。リアルには百本を超えるであろうテープが絡まっていた。

「パーティーってのはさ、こんな無骨なもので始めちゃいけないだろ。パーティーと言えば、やっぱクラッカーとダチがいなきゃな」

 リアルが振り返ると、そこには丈と琉妃香、そして夏輝がそれぞれクラッカーを持って立っていた。丈と琉妃香などは片手に四本ものクラッカーを持っている。辺りに煙と火薬の臭いが充満するほどの量だ。

「俺にGPSと盗聴器をつけて、百円ショップでクラッカーを買ってくるだけでパーティーの用意は整うんだよ。後は、俺の最高の仲間達がいりゃあな」

「くっ…」

 リアルが辺りを見回す。しかし、彼を助ける者は誰一人として出てこない。

「あなたの仲間は全員私の紐で縛り上げましたよ。そろそろ枢要院が到着する頃ですから、全員連れて行かれるでしょうね。勿論、あなたも」

 行く手も、戻る道すら塞がれたリアルには、もう何もできない。

 春一は歯を噛みしめながら自分を睨むリアルを見て、銃を弄ぶのをやめた。そして真面目な顔つきで、リアルに対する。

「観念しろ。一人じゃ、何もできねぇんだよ」

 拳を戦慄かせるリアルだったが、不意にその力を緩めると、全てが終わったことを悟り、肩から荷が下りたような表情をして春一を見た。

「僕の、負けだよ」

 ただ一言、彼はそう言った。

「ああ、そうだな」

 そして春一も、そう言った。



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