プロローグ
TRUMPシリーズの5です。全シリーズを見ていなくても話はわかるようにしてありますので、ぜひご一読ください。
プロローグ
この世界には、妖怪が蔓延っている。
今よりも何世代も前、人々はみなこう思っていた。
しかし現代、人々は妖怪の存在など笑い飛ばす。非科学的で、昔の人々が作り出した御伽噺だと。
妖怪なんて、いるわけがない。
しかし、多くの人々の予想に反して、この世界には妖怪が棲んでいた。
彼らは妖怪と見破られないように、息を殺し、ひっそりと、しかし人間社会にうまく溶け込みながら暮らしていた。
だが、彼ら妖怪も時にはトラブルを起こす。妖怪同士の事件ならば枢要院と呼ばれる妖怪組織の警察が取り締まるが、如何せん妖怪と人間が関わる事件の場合、枢要院も自分達が妖怪だけに人間社会に出ていくことができない。
そこで活躍するのが「妖万屋」と呼ばれる者である。彼らは人間だが、妖怪と関われる能力を持っており、それを用いて人間と妖怪の事件を解決している。
その万屋の主人が四季春一であり、現在大学二年生。彼の助手を務めるのが夏輝である。更には春一の友人である七紀丈、五木琉妃香、情報屋の夢亜、春一の住む数珠市の刑事である藤と共に、揉め事を解決していくのである。