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秘密基地

レアリー達は、海辺に来ていた。

ゼニスが隠れる海底の住居に行くためだ。


「塩水は、ちと困るぞ! 」ロックは海を見て言う。


レアリーはちょっとだけだよとロックに言うが、困っている。


「ちょっと待ってな」

ティカは海辺を離れ、しばらくすると、手には大きめのビニール袋が持たれていた。


もちろんティカは袋に入れとロックに言う。

当然のことだがロックはふざけるなと暴れるが、我慢してくれと、ライルに一瞬にして詰め込まれる。


しかし袋を開けようとまだ暴れる。

これを見たレアリーが、袋の両端を持ち、鉄棒をまわる体操選手を思わせるかのように袋を回し始めた。


袋は次第に圧縮され、両端はひも状に、最後に「すぅすぅ、きゅっ」っとしばって出来上がりと。


そう言うレアリーは、始めは申し訳なさそうに、ビニールを動かしていたが、結んだ時の顔はたのしそうにも感じた。


この時袋の中では、ロックが目を回して大人しくなっている。


その後レアリーがアイテムを使いゼニスを呼びだした。


姿を現したゼニスが、また人数が増えたが大丈夫かと気にするが、レアリーは成り行きで、こうなったと話す。


「あと、これ」そう言うレアリーは持っていた袋を少し持ち上げゼニスに見せる。


袋は、白く中身が見えない状態だったため、ゼニスはおやつは置いて行きなさいと、苦笑いした。


ライルが、この中には、実は機械族が入っていると言う。

ゼニスは顔が真面目になり、話しは向こうで聞くとしようと言いながら、ドラゴンの姿に変わった。


力強く、大きなドラゴンを見て、ティカとナナギは、緊張する。

普段出会って来たモンスターより、明らかに強いと、心から思えたからだ。


ゼニスは、先にレアリーとナナギを運び、その後ライルとティカを運んだ。


ライル以外はやはり気を失ってしまう。


先にロックが目をさます。目の前のゼニスを見て、人の姿はしているがドラゴンじゃと言った。


ロックは辺りを見て、レアリーとティカの方に歩み、「よくもひどい目にあわせたな。こいつめ! ポカッ」頭を小突いた。


ライルとゼニスは、なにごとかと目を点にする。


そこにソニアはサッと近づき、寝ている女性にちょっかいだすなと、ロックに足払いをくらわせた。


ものの見事に転ぶロックにライルが笑う。

ロックはソニアを見て一瞬動かなくなる。

そして、なんじゃもう一匹のドラゴンか。

魂はドラゴンだが、入れ物が違うようだと言った。


ゼニスはロックに呪われなかったのかと聞く。

ロックは機械族が呪われたのは、一定の条件があったと話した。

それはエネルギーの作り方の差だ。

太陽や光をエネルギー源にしている者は、呪いを受けなかった。

そして、自分には光を作り出し、その光をエネルギーにする半永久的な、装置が付いていたと話す。


今はこんなのを代用してると、背中を指差した。

ライルは目立つし、音が気になるから、他に考えた方が良いと提案した。

ロックは自分のエネルギー装置を知らないかと、聞いてきた。

しかし自分達が入学した時は、すでに電池だったと話す。


ティカが目覚め、頭を気にした。

ライルは目覚まし時計だよと話すと、ティカはロックに鋭い眼光を飛ばす。


ロックは、小刻みに歩き、ティカから距離を置き自分のエネルギー装置を知らないかと訪ねた。


ティカはあんたなんかのエネルギー源は、お店に行けば最低でも4本パックで売ってると言い放った。


「なんかって言うな!!」


突然ロックが小さな体を精一杯使って怒鳴る。


その声にレアリーとナナギを目を覚ます。


レアリーどうしたのと聞くと、ライルがロックのエネルギー装置を知らないかと、訪ねていることを話した。


しかし答えはやはりどこにでも売っているでしょうだった。


ロックはなぜだかイライラしている。


ナナギがロックを見て、また気に入る物を造れば良いんじゃないですかと話した。

ロックはそうじゃなと言い。この辺りに鉄屑は無いかと話した。


ゼニスは海の中には無いと話す。ロックは、ここを秘密基地にしたいと話す。


住居になったこの場所は、たまたま空気が入り込んでいる海底洞窟に過ぎないと話し、無理にいじれば危険だと反対する。


しかしロックは、図体だけで、現状を考えず、今を満足すれば良い種族の言う言葉だと言うと


「お前なんかより遥かに、役に立つ」と怒りをあらわにした


「なんかって言うな! 」ロックも怒り怒鳴る。


異変に気づいたドランが猛スピードで飛んで来て、ロックの上に着地してしまった。


あわててナナギがドランをどかすとロックは悔しそうに、もう少しデカければと泣きながら嘆いた。


ロックは『なんか』と言う言葉に怒りを覚えるようだ。


ナナギはそれに気づき、ロックに大丈夫ですか?と声を掛け、地上に戻れば、ある程度鉄屑が手にはいると言った。


ロックは空気の確保など、生命を維持するように造ると約束し、この住処を改造することになった。


その日を境に街の鉄屑や家庭から出た、粗大ゴミがよく無くなると言う事件が発生していた。


数日が経ちいつものように、学校が終わる。


レアリー達人間は、秘密基地が造られている間は、海底に行くことは、出来ない。安全の為だ。


今日もライルにより、海辺に鉄屑が運びこまれた。

レアリーがアイテムを使うと、ゼニスと一緒に小型の潜水艦が浮上してきた。


小型の潜水艦から、ロックが出て来て、今日から、秘密基地が使えると言い。レアリー達を潜水艦に招き入れる。


レアリー達は、外見は鉄の縫い合わせと言った感じの潜水艦に不安を感じたが、次に、潜水艦を出た時、びっくりした。


目の前には機械仕掛けの光景が広がっている。


中に入ると「各自同じ広さの部屋を用意してある」とロックは自慢気に言う。


レアリーは喜んで一室の扉を開けると


「…… 何も無い」


荷物は勝手に入れてくれとロックは言う。外見が機械ですごかっただけに一同、出す言葉を失う。


しかしロックは、機械で必要な物があるときは、材料さえあれば何でも造ると、鼻高々。


そしてロックは急に真面目な態度をとりこっちに来いと言う。


一同は次はどんな物が出てくるかと期待に胸を膨らませ、ロックの後を付いて行く。

そうすると、無性に広いスペースと、布に覆われた大きな物体があった。


そして「見よ!? これでもわしを小物扱いできるか!?」

そう言うと同時に布はとれ、大きな時計型ロボットが現れた。


「…… 」「…… 」「…… 」「…… 」


一瞬の沈黙があったが、一同がびびった訳じゃなさそうだ。

各自は口をあわせたように、自分たちの部屋を考えないと言い、その場を去った。

この日より、各自は自分なりに部屋を作っていく。


作っている最中レアリーの口癖は、「大丈夫!? ガラクタ壊せば造れるから」

ナナギは「ロックさんかわいそうですよ〜」

ティカは「本気なら、時計型のロボットじゃ無いでしょ」

ライルは「武器を造ってくれ!」「何で時計型の武器なんだよ」

ゼニスとソニアは同じ部屋で、機械類は、あまり必要じゃないみたいだ。

ドランの部屋は、おやつで満たされて行く。


ロックは「見よ!? 最高傑作じゃ!」「わしって天才!!」


賑やかな秘密基地が出来上がっていった。




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