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これから

それから数日が過ぎそれぞれの傷が癒えた頃だった。


いつものように生徒達は授業を受け、島の住民は二匹のドラゴンが荒らした土地を復興している。


島長が校長の元へ訪れていた。

「平和ですな〜」

「平和ですねぇ」

校長は島長の言葉をオウムのように返す。校長と島長はお茶を飲みながらのんびりしている。


「しかしまさか闇魔法を見られるとは思わなかったよ、校長」

その言葉を聞き校長は、やはりこの学校のどこかに隠された部屋があるのかもしれない。そういうと一冊の本を取り出した。


「おや? まだ持ってましたか」

島長はそう言うと、魔法を唱え本を燃やしてしまった。

「私の日記だよ」

校長が島長に言うと、その日記とやらが以前ペドロ君の好奇心を呼び、今おかしなことになったという。

島長は日記もたまってくると重要な本になる。そして書いてなきゃ覚えていられない過去はたいした過去じゃないと。

きっと今までもたいした過去は無かったと言うことだ。


「その為に、あの生徒をあっちに送ったのだろ。向こうのドラゴンを引っ張ってまでして」

そう、すべてこの2人が起こしたことだった。

それに気づく者はいない。しかし秘密の部屋があることはレアリーとライルそして小さなドラゴンのドランは知っていた。


校長達は街での出来事をすべて知っている訳ではない。

途中で映像が途切れていたからだ。

人間一人分のエネルギーじゃ、ドラゴンを吸った穴は満たされない。

ドラゴンを吸うまで満たされない。

だから秘密を知るアンティをついでに吸い込ませる。

計画は成功したかに思われたが、ドラゴンのゼニスとその妻がこの島に居ることも知らない。


ゼニスは人型になり、ソニアは全身鎧を着ることで姿を変えていた。

海底に住居を築き、ソニアの体を、そして魔の大陸に送られた、アンティを戻す為の計画を模索していた。

その中でドランは人型になる練習と力の加減をゼニスに教わる。


レアリーはゼニスに龍の笛と呼ばれるアイテムをもらい、ゼニス達といつでも会えるようにしてある。

それを使いゼニスを呼び海底の住居へ移動する。


レアリーは意識の戻ったライルに今までのことを話し、2人は念のため他の者には、秘密の部屋の存在を隠すことにした。

もし闇魔法が他に漏れたら大変なことになると予想したからだ。不思議な武器と魔法の威力がそうさせた。


「ヒュー ヒュー」

笛を鳴らすが風の音にしか感じない。しかし水面には、人型のゼニスが現れた。

ゼニスは、レアリーの横にライルが居たが、全く動じることはない。


「2人とも少し我慢してくれ」


そう言うと2人をつかみ、ものすごい勢いで海底に引きづり込んだ。

レアリーはあまりのスピードに意識を失う。しかしライルは耐えてみせた。


「ほぉ、手加減無しのスピードで潜ったのに意識があるのか人間」


ゼニスは、そう言うと意識はあるがひざまずき動けないライルを見て微笑んだ。

ライルはたいしたこと無いと言い呼吸を整え始める。


レアリーの意識が戻りそれぞれの持つ情報を交換し始めた。

ライルとレアリーはアンティが見つけたと言う秘密の部屋があることと、武器や防具がありもらったことを話した。

しかし、今度連れて行くと約束はされていたものの、実際は入り口がどこにあるかわからない。


そのことに関してはドランが謎を解いてくれた。レアリーが自分に向かっていつも歌を歌ってくれていた。

レアリーが正面に見える位置にあるもので、位置の変わらない物は時計だけだ。


秘密の部屋の中の情報は、ドランが覚えている限りを話してくれた。

ライルとレアリーはそのとき過去に何があったかを知ることになった。


今度は魔の世界と呼ばれるようになってしまったシリアライザーの世界だ。

ゼニスの話だとすべてが呪いを受け戦っている訳でないと言う。

呪いから逃げ切った者達と何度か戦ったからだ。


定期的に、空に暗闇の穴ができ吸い込まれる。

吸い込まれるのは、今までは低級な者達だけだったが、自分たちを吸い込んだのは、今までとは比べ物にならないくらいの大きな穴だった。

そして吸い込まれた先がこの島だ。

何体かは穴からシリアライザーに戻ってくる。

その際は同じ場所から戻ってくる。極まれに人間が穴から出てくる。

そのことから魔の世界で吸い込んだ力分、こちらの方でも吸い込むこという1過程を持っていると推測していた。


ライルが疑問に思う。仮にそうなら、こちらで死んでしまったら、他の者を吸い込むってことになる。

しかしゼニスは、死んでしまった時点で、穴はなくなると言う。魔の世界にすべてが戻ってくる訳じゃないから


レアリーはたまに街にモンスターが出ると噂されるのは、先輩達が吸い込まれてしまったからかだと寂しそうに言った。


ライルがゼニスに少しこわばり聞く「吸い込まれた人間は魔の世界で生きているのか? 」

ゼニスは可能性はあると言い、そのあとに強ければなと付け加える。


ここにいる者は生きていることを願うしか無かったようだ。


ライルはゼニスに闇魔法と穴の関係を聞くが、ゼニスは穴の威力に関係している可能性はあると応えた。

しかし、ゼニスは闇魔法を発動する以前より穴は定期的に出来ていた。

そして中央学校に外壁が出来るときモンスターが出現することから、穴を作り出す、仕組みがあるかもしれないと言う。


「調べてほしい」ゼニスはライルとレアリーにそう話し、二人を島に送り届けた



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