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心にあるべきもの

ジャビスとの戦いに勝利した俺達だったが、本当に勝ったのだろううか? 

そう思えて仕方なかった。


目の前には、世界の悲しみ、怒り、憎しみ、欲望の入った箱がある。

これで、やっと世界は喜びと言う幸せで満たされる。


その時、ロザは俺にマザーから、まかされた事を俺に話した。

俺の人生すべてが大切だということだ。

どんな事があっても俺は俺と言うことを忘れないようにさせてくれと頼まれたみたいだ

マザーはきっと俺が辛い思いをしたとき、目の前の現実を受け入れられないとわかっていたみたいだ


その言葉を聞き、俺はみんなにこの箱を開ける事を伝えた。

今まであった悲しみ、怒り、憎しみ、欲望。

これから先、悲しみ、怒り、憎しみ、欲望を忘れてしまったら俺達も世界も成長できない

同じ事を繰り返すだけの未来じゃダメなんだ。

俺達も世界も失敗をして、そしてそれを学び未来で成功し、成長していかないといけない。


「その為に、この感情は未来に連れて行こう」


その言葉が聞こえたのか、マザーから通信が入った。

「その箱はきっと勇者達が開けた箱でしょ」

開ければ過去の繰り返しですよと念を押されるが


「開けなきゃいけないことをマザーは知っているんだろ」

そしてだから勇者達はこれを宝箱と表現した。

勇者達はこの悲しみ、怒り、憎しみ、欲望に生き物は負けないと思ったから開けたんだ。

「私達は過去から学び、今を生き、未来を夢見て成長できる」

その為には必要な事だ。この感情は。

「きっとこの世界は成長しているよ」

ロザのその言葉にマザーはそうですねと喜びの声を送る。


そして宝箱は開けられた


「バカめ! すべてもう一度闇で覆い尽くしてやる 」

そう言ってジャビスはいや違う『俺達の闇の心』は空に解き放たれ広がって行く


「どっからでも掛かってこいや! 俺達の心には闇がある。それでもそれを押さえる光が心にあるんだ! 」

そういって俺は空に向かって光の鳥を羽ばたかせた。


しかし光の鳥はカイの方を向き、何かを待つようだ。


「おいらは光の中でも生きて行けるんだぞ」

そう言いながら、黒龍を光の鳥に放つ。


光と闇は絡み合うように飛び始める。

やがて光と闇が合わさり俺達の元に、一本の矢が出来上がった。


「美味しい所持って行くね! 」

そう言いティカは暗闇に染まる空に矢を放った。

何処までも一直線に進む矢は、闇を切り裂き太陽の光を導いたかのように感じた


この矢が効果を示したかは、不明だ。

いや、きっと皆の心の光が闇を押さえたんだ。

俺達が、島に戻ると皆が迎えてくれた。

一緒に戦った仲間、未来を信じて俺達に未来をたくした仲間。

すべてが呪われる事無く、俺達を迎えてくれた。


そして傷だらけの俺達を、時計型の見覚えのあるロボットがお疲れ様と迎えてくれる。


ロボットは「こんなわしでも、もう一度ロックと呼んでくれて、お前達を友と呼ばせてくれないか? 」

寂しそうに俺に向かってそう言ってくる。

どうやら自爆寸前まで遠隔操作でバックアップがとられていたようだ。


皆が俺の顔を見る。生まれ変わったロックを受け入れるか、心配だったみたいだ。


だが「ただいまロック! 」

俺のその言葉と同時にロックがはしゃぎだす。

皆が狂ったかのように、喜びを爆発させる。そしてただいまと誰構わず言う。

俺達は帰ってきた。素晴らしき仲間のもとに。これからの未来を一緒に歩む仲間のもとに


しばらくこのシリアライザーではお祭りが開かれていた。

平和になったと言う言葉を使う者もいれば、大切な未来がこれからもあると表現する者もいる


これからも心に闇は生まれる、でもそれを隠したり、忘れようとしてはいけないんだ

心に封印してしまえば同じ事を繰り返してしまう。生まてしまった闇を光にできる未来を歩んで行きたい

俺はそう生きて行きたいと心に話しかけていた。

当たり前すぎるし、それが欲望なのかもしれない。

でも間違えていないと俺は学んできたつもりだ。この旅で


やがてこのシリアライザーは、獣人族、ドラゴン族、機械族、魔族の島と呼ばれることは無くなった。

それぞれの島に各種族が共存して住むようになったからだ。


特に変わりを見せたのは、魔族だ。相変わらず悪戯するやつはいるが、しっかり話し合いもできる。

それにこの島を統治するのはカイだ。他人に迷惑を掛けない事を徹底しいる。

まだ幼かったカイをドランとライルがサポートしていた。

主に魔族の島だっただけに、悪者の辿り着く島だが、罪を裁かれる為、償う為に訪れる者が多数だ

ライルの事だから正義感で無茶やってるかもしれないな


他の島ではマザーがロックとナナギを相談役にしている。

この島は相変わらずハイテク機器が揃う。

医療機器もすばらしい。不老不死を目指しているかのようだ。

楽をしたければこの島に住め!そんな感じの島


ロザが治める島には、ティカが相談役だ。悪い事をするとむしろこの島が一番きついバツを受ける

二人はそれをお仕置きと呼んでいるみたいだ。

二人は似た所があり気が合うみたいだ。好きな色とか趣味も似ている

自然に満ちあふれ、マイナスイオンたっぷりの島だ。癒しを求める者はここに住め!


俺は相談役って柄じゃないし、ユズキの島にお世話になってる。

ユズキはしっかりしているし、いざとなるとレイナが出てくる。

もちろんスティアを恐れる者は俺含めて多数いる。

自然もあれば、機械も導入され始めている。まだまだこれから開拓される島。

言い換えれば一番中途半端な島だけど、俺にとってはそんな所は居心地がいい


それと厄介なのは、ロザとマザーから宿題をもらったことだ。

それは自分自身を振り返る為に、この戦いと学んだ事を文字にして残す事だ。

下手でも良い、最後まで飽きずに一人でしっかりやり遂げる努力をしろと。

正直言って苦手な事だ。しゃべってても相手に内容が伝わらない時が多いのに作文なんてできるかよ


ただ言えるのは平和だ。これからもこうであってほしいと俺は願う

それとこの平和をつかむ為に沢山の者が関わり、悲しみ、喜びがあった事を、俺はすべて忘れない

これからも俺が俺である為に...。



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