海底の攻防戦
「またとんでもない化け物遭遇したもんじゃ」
ロックはそう言って、あやつは神に仕えた化け物だと話す
もちろん邪神だが、そんなやつがうろついているとは思わなかった。
聖なる水を受けてもその力は衰える事が無い。そのくらい強い力を持っている。
伝説だと島全体を飲み込めるぐらいの力を持っていると言われている。
「おそらく、敵味方はあいつには関係ない。目の前に来る者はすべて食料と判断するじゃろう」
俺達はなんであんなとこにいると聞くと、ロックは今現在気に入った場所があそこだっただけと言う。
厄介なお客さんだ。しかし今後各島に影響がある可能性もる。
そして戦闘が始まってしまった以上、俺達はここを突破しないと行けない。
「アンティ! アルテメットブレイク装填 ティカいつでも発射出来るようにしとけぃ! 」
マザーの計画通り砲台は、海上の戦艦を狙っているようだ。
俺達が接近しても砲台の攻撃がこちらに来る事は無かった。
しかし思ったより厄介化け物を相手にしている。
クラーケンが一本の腕を振り下ろせば、水流でレジスタの動きは鈍くなる。
近づけば近づくほど、クラーケンの腕の範囲に入り、他の腕も振り下ろしてくる。
そうなると、レジスタは水流の変化でまともに動く事が出来ない。
「思っていたより厄介だじゃ! 他の潜水艇に告ぐすまんが援護に回ってくれ」
そうロックは行って、下がらせる。それによりレジスタに攻撃は集中し、水流も前より落ち着きを見せた。
「ティカ今じゃ!! 」
ロックの指示が飛ぶと、俺達の最強攻撃がクラーケンを捕らえる。
砲台破壊に一発はアルテメットブレイクは残しておかないと行けない。だから後一発だ。
しかし一発目はクラーケンを怒らせただけだった。
目の前の視界が晴れた時、クラーケンはすでにレジスタに突進していて、俺達はクラーケンの攻撃範囲にいる
あわてて俺は手持ちの魔法の筒を装填し、ティカは発射する。
しかしクラーケンはその弾をキャッチし、周囲の潜水艦に投げつけた。
その後も俺達の発射する弾は簡単にキャッチされ、援護部隊の潜水艦が減る
俺達はぎりぎりでかわしながら近づこうとしたが、思うように行かなかった。
「なんか良い方法はないか? 」
ロックは既に操縦でいっぱいいっぱいになっている。
気付けば俺達を援護していたはずの潜水艦は姿を消していた。
「なんだ!? 」
ライルがそう叫んだ時、クラーケンが水を吸い込み始めた。
そして吸い込むのをやめこちらを目で追う。
「ヤバいぞ! あいつ水鉄砲を打つ気だ!! 」
俺はそう表現したが、あきらかに吸い込んだ量と、水に生きる者の特性から破壊力は計り知れない。
俺達は必死に左右に逃げ動く。
一発目!威嚇のように水玉が飛んでくる。
その一発が海底に辿り着き砂や砂利、石が舞い上がり、俺達の視界を遮る。
「くそぉー 上に逃げるしかない」
ロックが上昇しようとしたが、ナナギは上には戦艦がある。攻撃されてしまうと止めた。
「頭を抑えられている状態か仕方ない」
ロックはそう言って一か八かの前進を選んだ。
「ドーーーーーーーーーーー ! 」
レジスタが動いた後に、突然上方から滝のような水流が渦を巻き海底を破壊した。
俺達は恐る恐るゆっくり後方を見る。水流が終わると同時にまた視界が遮られた。
「おい! ロック上に逃げてたら死んでたぞ!! 」
俺は我に返り、ロックを責め立てるが「アホぅ! そんな事後で言え」
クラーケンは賢くこちらを追いつめようとして行く。
そしてまた水を吸い込み始めた。
「どっから来る? 」
ライルは辺りを見渡すが視界は無い。あるのは俺達を襲う恐怖だけだ。
「前!! 」
俺達は突然現れ腕を振るうクラーケンの攻撃をぎりぎりで回避した
しかし「しまった! 今の攻撃で無理に動かしたせいか移動性能の反応が悪くなっている」
「きっと今の攻撃は本気じゃないよ。 次! 」
ティカがそう言い全神経を集中させる。
「そこ! ロック!右に旋回」
ティカが視界が無いにも関わらず、攻撃方向を特定する。
その後も次から次へと交わして行った。
「獣の力を身につけおったか!? 」
ロックはそう言い嬉しそうだ。
「渦巻き水流二時方向から来る! 」
そしてこの攻撃もかわしてみせる。
「アンティ!アルティメットブレイク装填して」
ティカの指示通り装填したと同時に発射された弾はあきらかに何かを捕らえた。
やがて俺達の目の前の視界が開けると、口が大きく開いたままのクラーケンがいる
開いたままと言うより、攻撃で裂けたといって言い
しかし「アルテメットブレイク時間いっぱいです。 破棄してください」
マザーによる連絡が入ってしまった
そして目の前のクラーケンはそれでも俺達を攻撃しようと動き出そうとしていた
「化け物め! 」
そう言ってロックは最後の一発を、クラーケン撃破の選択に選んだ。
最後の一発はその化け物を爆発させる事に成功する。
「急げロック今度は砲台だ! 」
俺達に休んでいる暇はない。そんな中、精神を解放して獣の力を得たティカは倒れてしまう。
ロックはティカはすぐに回復すると、砲台に向かう。
そして俺達は急浮上し、砲台の前に出た。
しかし頭上を電気質の砲撃が通って行く
「なんだ? SAF0が発射されたぞ!? 」
ロックはあわてて状況を確認する。その先にはロザ達海上部隊がみえる。
「いかん!あの女目測を誤って射程範囲に入っているぞ」
ロックのその声を聞き俺達は無我夢中で砲台を攻撃する。しかし装甲が厚くびくともしない。
砲台は次の射撃の為微調整を始める。
「下に排気ダクトがあります 」
ナナギが、眼鏡を使い砲台を分析する。そして中からなら直接ダメージを与えられると判断した。
ロックは急いで砲台の下に入り込み、入り口の金網を外し入ろうとした。
「誰か一人来てくれ 」
排気されている勢いが強く、ロックが前に進めない。後ろから押せと言う
俺はロックの背中を押そうとした。
「よりによってお前か!? 」
ロックはなぜか俺じゃ不服そうだ。
しかしやもえないと言い俺の足にロープを巻き付けた。
そしてライルにロープを渡し、合図したら一気に引っ張れと言い中に入って行く。
ドーム攻略の際使った作戦だ。危なくなったらすぐに引っぱり出す。
ライルはがっちりロープを自分に巻き付ける
そしてロックは行き止まりに辿り着いた。
「ここが終点じゃ、見ろ上を見渡せば心臓部が丸出しじゃ 」
俺は速く止めろとロックをせかす。
しかし「戻って良いぞアンティ」
ロックはそう言い柱に自分を固定し始める。
これだけの、排気システムがあるとこうでもしないと吹き飛ばされてしまう。
「何やってんだよ ロック? 」
既に俺の頭の中ではロックが何をしようとしているのかがわかる。しかしそれを受け入れたくない。
助けに行きたくても、砲台はエネルギーを溜めだしたのか更に熱を逃がそうと、排気する勢いが増す。
「こいつを一撃で止めるにはそれなりの力が必要だ」
そして自分は小型だが、強力な爆弾にもなると言う。
「行け、お前達と一緒にいれて本当に良かった」
俺は必死にロックに手を伸ばそうと試みるが、なかなか思うように動けない
しかし徐々にその距離は縮み、後一息だ。
ロックはそんな俺を見て、自分はこの戦いの前にバックアップがとられていて、これが永遠の別れじゃない
他のみんなともこの戦いが終われば、また自分に合える
だから戻れ。今やらなければ多くの犠牲が出る。犠牲者達は自分と違って一度死んでしまったら終わりなんだ。
それでも俺は「何か方法がある。何とかなる」そう言ってロックに近づく。
ロックはそんな俺を見て「だからお前じゃ無い方がよかったんじゃ」とつぶやいた
そして俺の手がロックに触れた。
「俺にとって目の前にいるロックは、唯一のロックだ! 他に変わりが現れてロックですって言っても俺は認めない。今のロックでいてくれ」
「ありがとなアンティ ライル!引っ張れ!! 」
そのロックの合図と共に、俺の体は自分の物ではなくなったように景色が遠のいて行く
そして俺は砲台から転がり出てライルにキャッチされた。
必死に砲台に戻ろうと体勢を入れ替えたが
「ドン! 」
物凄く中で鈍い音がした。
そして砲台がSAF0を発射しながら仰向けに倒れるように、崩れて行く。
海上の戦艦をかすめるように上空に発射される。
SAF0の砲撃は、上空で戦っていたカイザードラゴンを巻き込み消滅させる。
しかし「ロック!? 」
俺は砲台に走り、入り口を探す。
ライル達も俺の異変に気付き、必死に崩れる砲台の部品をどけて行く。
だが入り口に崩れ砲台は形をなさなくなる。
やがてユズキ達、ドラゴンが加勢し、砲台の中に入るがロックの姿は見当たらなかった。
遅れてロザが到着し、何事かと聞く。
ユズキが事情を話した。
そして「アンティ海上も手ひどくやられてしまった。助けてもらったみたいだな。ありがとう」
そうロザは言ってきた。俺は砲台の射程内になぜ入ったとロザに掴み掛かろうとしたが、ロザの後ろにいるはずの仲間の数がほとんどいない
信頼を置いていたマンモスの姿も無い。
ロックの言っていた、海上の者は一度死んだら終わりなんだと言う言葉が頭を離れない
海上で何があったかはわからないが、ロザにも何かあった事を察する。
「次どうする? 」
俺は弱々しく、ロザにそう言うしかなかった。




