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海上の攻防戦

海上では空を飛んできた魔族に、船で来る魔族が加わる。

もちろん中には呪われし者もいる。


凄まじい数が、船を囲み始める。

いつしか周囲の視界には敵しか映らない


「チィッ! 」

舌打ちしながらすべての状況をマザーに確認する。

上空には闇のカイザードラゴン3体

海底では伝説の化物クラーケンと遭遇したと報告がある。

そして海上には、無数の魔族が戦艦を囲む。


敵の考え方が、目の前に現れた者を攻撃すると言った感じにはとても見えない。

効率の良い配置にも感じるくらいだ。


海上の攻撃も、空から攻撃部隊が現れ仕掛けられたと思いきや、いつの間にか船に乗る部隊がこちらを囲んでいる。

みごとに連携がとられていた。

しかも戦艦に飛び込んでくるのは、呪われた者ばかり。

こちらが呪われた者は捕らえ、魔族は攻撃すると言うのをわかっているかのようだ。

有り難いのは、さほど強いものは見当たらないと言うことだ。

それでも数が多すぎる。


マンモスやグリフォンがロザに作戦の変更はあるかと聞く


「予定通り呪われている者は捕獲する! 後は砲台破壊の報告があるまでしのぎきれ! 」

ロザの指示と共に甲板の中央には、巨大な檻の入り口が開いた

ここに呪いで我を失った者を叩き込み捕獲すると言う。


「ふっ! 戦いながら檻に入れるとは、どちらが悪者かわからなくなりそうだよ」

ロザはそう言いながら的確に檻に入れていく。

鬼神と言うより、戦いの女神にも感じる動きだった。

狼になったと思えば、空を駆け上がり、電光石火のごとく空を飛ぶ者達を攻撃し甲板に落とす。

今日は鈴を腕に着けていたせいか、音色が心地よく響き渡る。

獣人の姿になると、ロザの残像が見えるぐらい、素早く滑らかに動き爪が切り裂く


マンモスは力任せに斧を振り回す。

一撃で何体の敵を吹き飛ばしているか数えるのが困難なくらいだ。

しかし、時折ロザの背後に回り援護する。

あきらかに敵の攻撃がロザを狙っていたからだ。


グリフォンは戦艦を行ったり来たり大忙しだ。

味方の援護を重視し、バランスをとる。

味方が不利になり押し込まれそうになると、その場所に行き、押し返す。


マザーの援護は正確に相手を捉える。その場にいて近くから攻撃しているかのようにも感じた


相手の数は多いが一進一退の攻防をしているかのように思えた。


しかし

「ロザさん! 危険区域に近づいています。 砲台射程範囲から離れてください」

そうマザーの指示が出た。


「バカな!? 船は碇を下ろしその場に完全に停止しているはず 」

そう言い。前方の視界を封じている敵をどけるように、マンモスに指示を与えた。


マンモスは前方に大声を出すと、前方の敵が吹き飛び視界が広がる。

あきらかに、砲台が今までより近く見える。

「碇を上げろ! エンジン全開! さがれ! 」

あわてて指示を出すが、後方の碇は既に切られている。それと無数の敵が船を押していると報告が来た


「しまった! こいつらはおとりだったか!? 」

甲板に入り込んでいた敵も多数いたが、さらにまだ部隊がいた。

船の下の敵は、甲板に隙間が出来、攻撃のタイミングを待っていると思っていた

ロザはエンジン始動開始して、スクリューに巻き込んで構わないから戦艦をさがらせろと指示を出す


しかし、戦艦を押す者の中には、呪われて我を失う者もいます。と報告を受ける


ロザが考えている隙に、魔族がロザを取り押さえてしまった。

そして無情にも「戦艦を放棄撤退開始してください。 範囲内に入ってしまいました」

っとマザーからの指示が出た。


しかしロザーは砲台の直線上に連れて行かれる。


そして砲台から、電気質のエネルギー砲が発射された。


「ロザ様!? 」

一瞬の隙をつきロザ達をマンモスが吹き飛ばす。エネルギー砲はロザの脇を通って行った。

しかし、目の前にいたはずのマンモスがいない。

自分を助けてくれた者の姿が消えている

ゆっくりエネルギー砲の通った方を見ると、敵味方どちらの姿も無くなっている。


ロザは何があったのか頭の中で整理しようとし、今までの事をまとめる。

だが心が出来事を受け入れられないのか、その場を動こうとしない。

頭はしっかり考えようとしているが、体を動かせと言う指令が脳から出ない。

そんなロザにまたモンスター達が群がろうとしている。


しかし群がろうとしているのはそれだけではなかった


「ロザ様を護れ! 」

グリフォンの掛け声と共にとロザの目の前に、味方達がどんどん集まって行く


「砲台第二波準備中。 ロザさんその位置から離れてください」

ロザが砲台に狙われたいた


「さがれ!? 砲台は私を狙っている 撤退しなさい! 」

ロザのその声を聞き、砲台方向にどんどん味方が増えて行く。

勇敢にも盾を前に出し、構え、SAF0を受け止めようとした。


「無理だ! さっき破壊力を見ただろ 無駄死にするぞ! 」

そう言うがやめようとしない。


「命を張ってでも護りたい時があります。 私たちにとってそれが今なんです」

味方の中からそんな声が聞こえてくる


「バカな!? お前達は後に残された者の悲しみを考えた事はあるのか? 」


「ここでロザ様を失えば、島に残った者も皆殺しになる。今自分に出来る事は何だ! 命が尽きてもSAF0を受け止めろ! 」

グリフォンがそう言うと


「オォー!!!!!!!! 」


すべての者が一斉に声を上げ地鳴りのように感じた。

それに驚き、敵はせめて来ない。


しかし砲台にこの者達の声が届いたとしても、状況が変わる事は無い

「SAF0発射されます。その場を離れてください 10・9・8・7・6・5・4・3・2・1・0」



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