人間の住む島
マザーに呼ばれ俺達は、マザーも元にいる
その時、俺達の目の前に突然棒グラフが現れた。
空気に描かれたかのように、透き通って奥の方が見る事が出来る。
最新鋭の技術と言う感じを実感する。
これは今の人間界の状態を表すグラフのようだ。
そしてこのグラフの数値が0になると、封印が解くことができると言う。
0の横には基準値と書かれている。つまり安全値でもある。
4つのゲージがあり、怒り、悲しみ、欲望、信頼となっている。
信頼以外は、プラスでゲージが上がり、信頼ゲージが上がると人々のつながりが無くなってきている事をさすようだ。
つまり、お互いを思う気持ちだ。
複雑な気分にさせたのは、最も高いゲージは、信頼だった。
お互いを信じる力が無くなって、疑う事で日々生活をしていると言う。
自分達の生活にも、どことなく相手を疑うときがあるから複雑な気分になった。
ロックはかつて信頼は、友や家族に限定していたはずと、マザーに言うが人間自らがそうさせたと言う。
そのうちこの信頼の数値が、私たち別の種族から見た人間への、信頼にならない事を祈っていると言う。
何とかならないのとレアリーが聞くが、元々人間の為でなく魔族の為に造った異空間装置だ。
当初の予定はすべてのゲージがマイナスを指し、封印はいつでも解けるか、もしくは人間だけ逃げた罪でゲージは加算される。
だがすぐにでもゲージはマイナスになり、こちらの世界に戻せるはずと考えていた。
この事からは、このゲージさえ無ければ、マザーがいつでも封印解く事が出来る
しかし人間の住む島が異空間に入った時、信頼のゲージが一気に振り切ったと言う。
ロックはこれに付いて「そいつは、マザーが造った忘却装置のせいじゃ」
本来魔族を忘れる為に造ったはず、しかし使われたのは、こちらの世界を忘れる為に使われた。
しかも中に入れられたのは、この世界の象徴達だ。
こっちの大陸と完全なつながりを無くすことで、人々が今まであった事を忘れてしっまた。
助かろうと無理矢理隔離した事実も、こちらに残された呪われし人間の友や、家族の悲しみも忘れてしまった。
もちろん呪いに立ち向かおうとまとまりかけた、種族達もすべて忘れてしまった。
これがお互いの信頼感を失った原因だ。
嫌な事、都合の悪い事を忘れてしまえば良いと言うのは、今の人間達の心にはある
ロックは一つ聞く
「マザー! もし審判の地図が忘却装置に入っていたらどうなっていた? 」
マザーは、無限に広がる空間を忘却装置に取り入れてある。
だから、例え大きな記憶や、生活感があっても、忘却装置には容量オーバーは無く、吸い込み情報を遮断すると話し、ゆっくり存在を吸い込んでわからなくすると言う
レアリーは、忘却装置に入ると死んでしまうのかと聞いた。
それは、俺達の知り合いも入れられてしまっているからだ。
その答えに、すぐには死なない。
しかし、存在を吸い込んでわからなくするとは、無限に広がる空間の奥に追いやる事を意味し、時間が経てば探し出す事は出来ない。
入れられた直後なら、吐き出される可能性もあると言う。
俺達はその言葉に落ち込んだ。
そこで本題に戻った。
どうすれば、ゲージを減らす事が出来るのかだ。
ロックはゲージの源になっている物を破壊したらどうなると聞く
しかし破壊は二度と戻れなくなる可能性があると言う。
そもそもその判定する装置はどこにあるのか聞くと
これは島の端に設置された像だった。
俺達はひ汗をかいた。なぜならかつて校長と話した際、破壊したら戻れると聞いていたからだ。
そして、マザーは二人の男の写真と、建物の写真を出した。
マザーはこの二人が、今人間界をマイナスに働くように動かしている。
一人は人間界に、都合の良いルールを造り、もう一人はそれを育て上げる。
そして、この建物が闇の力を、人々の頭の中に送り込む役目をしていてた。
常に疑う事を優先する世界を作り上げていると言う。
信頼感を無くす原因の元だとマザーは断言した。
俺達はこの建物にも人物にも見覚えがあった。
しかし「おいらこいつ知ってるぞ! 」カイはそう言って写真の男をさす。
人間界になぜかカイも知っている者がいた。
そしてそいつのおかげで仲間達はおかしくなったと言う。
こいつの言葉は魔族の心に影響を及ぼすと。そして司令官呼ばれている事を俺達に教えてくれた。
「人間の心に巣くう魔族でしたか」そうマザーは言う。
一人はロックの話だと、人間、獣人、ドラゴン、機械の融合体になって生き続け、人間界を切り離した主犯格の学者だと言う
名前はディノ・ブラッター。俺達の学校の校長だ。
先ほど言っていた、魔族の司令官は俺達は島長と呼んでいた男だ。本当の名はジャビス。
建物に闇の力を集め、それを周囲にばらまいている者だと言う
マザーの見解だと、何らかの制約付きでこちらの世界と人間界を行き来できる可能性があると言う。
その能力を使い封印された人間界に行った。
しかし制約のせいで、魔族を指示する事が出来ても戻って来れないと見ている。
そして建物は、俺達が学んだ中央学校だった。まさかこの建物が闇の源だとは、俺達は気がつかなかった。
彼らは人間界を闇で支配し、この世界も支配しようとしている。
俺達はすぐにでも戻って、学校の破壊と、二人を倒す事を計画しようとするが、ロックがかつてこの世界に来る前に俺達に言った言葉をマザーが言う。
「あなた達は関係のない人間同士戦えますか? 一緒に学んだ仲間と戦えますか? 」
彼らの頭の中には、常に闇の力が流れ込んでいる。
弱い物は、おそらくもう心を支配されていると話しをされる。
その言葉に言葉を失う俺達に、マザーは、自分たちも呪われた同胞達と争う事を避けた。
その結果呪われなかった者達は、ほとんど全滅してしまったと言う。
そうして戦えないですよねと、確認がとられた。
確かに俺達には出来そうにない。
そこでマザーは建物と二人を、審判の地図を使いこちらの世界に移す事を提案した。
審判の地図は魔法の力で造られていて、強力な火の力のエネルギーを感じ取ると、建物や物体を移動させる事が出来るアイテムだ。
元々は罪人を捕まえる為のアイテムだ。
人間界から、これを使いこのシリアライザーに俺達は来た
人間界では、ドラゴンの炎を強め利用し使ったが、シリアライザーでは、魂の灯台の火の力を利用するアイテムだ。
しかし、ロザやユズキが、闇の力を流す建物は困ると言う。
マザーはこれに対して、建物から出る力は、距離が限られていると話す。
その距離は島一つ分。魔族の島に移動させれば他の島には問題ないと言う
それに元は魔族の砦でもあったと話し、ロザ達に了解を得ようとする。
しかし魔族の砦がどうして、中央の島である今の人間界にあったのか?
答えは簡単だった。これも審判の地図で移動したと考えられる。
ロザは解放した世界を危険にさらしたくないと思っていたが、俺達の何とかならないかと不安な顔を見て仕方なく認めてくれた。
それにしてもマザーはかなりの情報を持っている。
すでに俺達人間は、これにも疑問を投げかけているのではないかとロックは思い言葉を付け足した。
マザーに限らず、機械族は自分たちのやった事に責任を持っている。
自分がやらかしてしまった事は、最後まで面倒見ようと思う心が、ここまで自分自身を調べさせた結果だと話した。
そして「疑って生きる生活は疲れるだろ」とぼやいてみせた




