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思い出

「ロックさん飛行船の修理が完了しました」


島のドームは改良され、上部が開閉式になり、日の光が入るようになっている

レジスタはドームの中に入れられ、修理していた。


「うむ! 予定通り!! さすがじゃの」

ロックは島の修理業者に、レジスタの改造と強化を頼んでいた。


やはり機械族の中でも、専門で仕事を行っている所があり、何でもその道のプロに頼むのが一番確実で出来が良いようだ。

ロックと言えば、時間を担当していた事から、スケージュール管理を主にしている

簡単に言ってしまっているが、実はものすごい長い時間と何人ものスケージュールを管理していた

ロック達の時間担当グループがあるからこそ、機械族は規則正しく生活できている

実は、ものすごく貢献し、喜ばれ、生活に必要な者達だ


しかし専門外になると、手抜きが発生したり、効率が悪くなったり、時として重大な欠陥を抱える事になる製品を作り出してしまう

今の俺達にとっては、そうには思えないが、ロックはそう言う


「ロックさんダメですよ! 」

そう修理業者に、ダメ出しを食らっていた

部品の寸法の問題や、形、取り付け位置そんな所まで、変更したと詳しくロックは説明をされていた。

ロックはそれを真剣に聴く。そして自分のデーターとして取り入れていた。


他の機械族はここまでやる者はいないと言う。

自分で造らなくても、専門業者に任せれば良い物が手に入る。

新しく出来てくるロボット達は、自分が勉強して、良い物を造ろうとする能力が退化してしまったと指摘していた。


そのうち、この機械族は知識を持った者が減る事で、欲しい物は外から仕入れないと手に入らない時代が来ると言う。


俺達はもしかしたら、それが俺達人間の世界なのかもしれないと心のどこかで感じた


レジスタは相変わらず円盤形の姿をしているし、戦闘用に上下に分かれて、中央に甲板と言った感じだ。

まず驚いたのは、操舵室内だ。

いくら船体を急旋回しても、俺達はバランスを崩さない設計になっていた。

話によると、船体の中にもう一つ船体があるイメージだという。

傾くと反対側に傾こうとしてバランスがとれ、揺れを感じないみたいだ。

直角に動いても、驚くほど揺れを感じない。


しかしこの造り方だと、ダメージを受けたかがよくわからないようだ。


それを補うように、戦闘時は小型の望遠カメラを無数に発射し、カメラからレジスタの様子がわかるようにしてあった。

望遠カメラは、磁力を利用しているらしく、レジスタと一定の間隔を保つようにしてある。


特別な塗料が塗ってあるらしく、長時間塩水に使っていてもさびる事は無い。


武器は通常攻撃と強力な攻撃が可能な大砲が配備されていた。

大砲は円盤上部から大砲が現れ各方向を狙える

通常攻撃は、ロックの造った魔法の筒を弾とし発射できる攻撃。

強力な攻撃は「アルテメットブレイク」と言われる破壊光線だ。

魔法の筒を弾に使うのは変わりないが、発射する為にかなりの時間をようすし、制約がある。

なぜなら、レアリーの雷、ドランの爆破、カイのブラックホールキャノンをいっぺんに詰めた魔法の筒を必要とする。

その為には、まず俺とナナギで、3人の技を受け取る為の空間を作り出し、受け止めた時点で筒に詰め込む

それでやっと弾が完成する。

これを待ってくれるほど魔族は、お人好しじゃない


それに厄介なのは、魔法の筒に保管できる時間が短く、完成したら60分以内に発射しないと、爆発してしまう。


強力だが、微妙な装備だ。計画的に使わないと大惨事になってしまう。


防御面も能力が上がっている。

今までの装甲は鉄くずを再生しただけだったが、今度は機械族の機械兵に取り入れられている技術を採用している

炎、氷攻撃に強く、また固い。

残念ながら、機械族が苦手とする雷の耐性は落ちてしまったが、それは仕方ない。

所々ゴムの採用を俺達は提案したが、ゴムは火に弱く、凍らせると全く意味をなさない物になるから、全体的に弱くなると言う理由で採用されなかった。

俺達にとっては、ゴムとは日常品で、いろいろと強い存在で、便利な存在でもあるが、機械族はあまり好まないみたいだ。


この生まれ変わったレジスタでも、どこかに必ず不便なとこがあり、弱点があるような気がする。

それは世の中に完璧な物は無いと言う一例なのかもしれない。


それと俺達用に、中央甲板ではライブが出来る。

俺のギターも機械族のおかげで、良い弦が手に入った。

ここの島でも、俺達の演奏は評判高い。

今では魔族の島以外に演奏が響き渡っているから、とてつもない規模のライブをやっている気分だ。


部屋は今まで通り、各自の部屋がある。

しかし、秘密の部屋と呼んでいた、歴史と知識の間は、レジスタから降ろされた。

ロザとマザーが話し合って、より安全なマザーのドーム内で保管する事にした。

ロザの事だから、いちいち出来事を記録して書くのはめんどくさいのとの意見もあったはずだ。

俺もそう言うのは嫌いだ。自分以外の人間に物事を伝えるのは難しい。

そんなことレアリーに言ったら、また小物扱いされそうだ


それと審判の地図もマザーが管理してくれる事になった。


そんなある日俺達はマザーに写真を撮ると言われ集められた。


集合場所はレジスタの前

そこに行ってみると、カメラ型のロボットが、写真撮影の準備をしている


俺、ライル、レアリー、ティカ、ナナギ、ロザ、ユズキ、スティア、レイナ、ドラン、カイ、ロック、マザー。

全員がカメラロボの指示に従い範囲内に入るように並ぶ。

カイ、ドラン、ロックは背が小さく前列だ

その中でもロックが中央に入る。

ロックが前に出す手には、透明の球体の中でマザーが浮いている

小さく、何も出来そうにないが

この島の敷地内はマザーの絶対領域だから、マザーへの攻撃不可はもちろん、マザーの考える事なら、ほぼ実現してしまう。

ものすごいお方だ。


写真を撮る時、不思議と俺の横にはライルと、レアリーが必ずいる

この時もそうだ。ナナギは、自分の入る場所を考える。変なこだわりがあるみたいだ。

っで、ユズキの横に落ち着く。ライルみたいな背の高い人の隣は、目立ちすぎると言う。

それに自分が小人に見えるから嫌だと。

いつしかライルの横には、ロザが来る。

ティカの要望でロザは正面を向かず、顔は正面を見るが体は斜めになる。

そうした事で、ロザの美しいスタイルと、銀色の毛は、俺達人間にとってかっこいいと言われた男ライルを、普通に見せる。

そのロザは気がついたかのように、小さな袋から鈴を取り出し腕に着けた。

俺にはそれがなにかわかった。ペドロさんの形見だ。

ロザは俺の方を見て一緒に写りたいだろうと言い笑う。

レアリーの横にはティカ。二人は中央学校の二枚看板娘と言われている

文句無しの写真写りに、二人の写真はしばしば切り取られ、ひっそり財布に入れる者がいるくらいだ。


少し窮屈だが、なぜかそれでもみんな嬉しそうに、騒ぎわいながら並んで行く。撮る時笑顔の要求はいらなそうだ

カメラロボは「良いですか? 良いですか? 」と何度も聞く。


そして一枚の写真が撮られた。

それを即座に人数分の写真にしてくれる。


これをユズキが竜の鱗で出来た少し大きめのペンダントに入れて、皆に一つずつ渡す。

もしみんなが離ればなれになってもこのペンダントが、導いてくれるという。

大切な思い出にもなるから、もらってくださいと手渡された。

このペンダントは不思議な力を持ち、映っている相手に一言だけメッセージを、伝える事が出来るという特徴を持っていた。


それぞれがこのペンダントをその場で身につけ、嬉しそうに笑顔をみせる。


俺はずっとみんなで一緒にいられればなと思っていた。



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