消えた大陸
本には
この世界は「シリアライザー」別名5大陸とも言う
過去にはそれぞれの種族が各大陸で生活していたようだが、いつしか各大陸に、1種族が生活する島になってしまった。
なぜかは現在学者達が調査中である。
存在する5大陸には、人間、ドラゴン、獣人族、機械族、そして魔族だ。
人間は、大きさは平均的に小さく、力は弱いし、素早さも低い。しかし、とても賢く弱点を補うだけの能力を持っている
ドラゴン族は、ドラゴンの姿と人型になれる。
ドラゴンの姿のときは、体は大きく力も各種族を圧倒する。しかし体力低下が速いという弱点がある。人型時は平均的な強さを発揮する。
獣人族は、高等な者は見た目は動物の特徴を持っているが、二足歩行及び人の言葉を話、鎧を着用する。
もちろん、普通の獣の姿にもなれる
また力も強く、退くこと好まないため、前線で活躍をできる。
しかし低級な獣人は、人間達と暮らす動物と全く変わらず、言葉を話すことはできない。
機械族は、元はと言えば人間が作り出した機械だと言われていろ。しかし気づいた時には機械は生活の一部だった為、実際は不明。
コンピュータが知識と感情を手に入れ独立する。
力も強ければ、防御能力も高く、学習能力にもたけている。
しかし、性能が悪くなるにつれ、計算で解決できない問題が出てくると、動けなくなる時間が長くなるという欠点がでる。
魔族は、とても好戦的で、各大陸の支配を望んでいる。
魔力が非常に強く、天候すら操る者もいる。
人間と比較するとほとんどの能力を上回るが、上級な魔族ほど、光の属性、聖の属性に弱く、近寄ることすらしない。
魔族はこの世界を闇で覆うことを計画している。
魔族の侵略は幾度も起こっているが、他4島4種族は、自分達の島を守る為と、お互いの島同士がバランスを保つ為のみ魔族と戦い退けている。
4島は同盟を結んでいるが、仲が良い訳ではなかった。自分達の意見を通すばかりで、話し合いにならないことばかりである。
4島のバランスを崩し、各島を支配したい魔族だが、各種族は魔族と交渉の話し合いすらしない。
そんなことが1000年ほど続いているが、魔王がこの世を去ったと知らせを受け、各種族の勇者が魔族を島に封印する為、島へ向かった。
勇者達は激闘の末、封印に成功したかに思われていたが、亡き魔王は自らの命と引き換えに、呪いとなり棺におさまっていた。
勇者達は棺を開けてしまい、各大陸に呪いをばらまいてしまう。
その呪いこそ、この歴史の大惨事だ。よほどの屈強なものでなければ呪いに勝てず、意思の無い殺戮モンスターになってしまう。
変わってしまった、各種族の者は争い、大陸を血で染める。
しかし魔族の島から、帰った勇者達がシリアラザーの心と言うアイテムで、呪いをくい止めることに成功する。
呪いの拡大はくい止めだが、呪われし者は、まだ解放出来ない。
いろいろアイテムや魔法を試すが失敗してしまう。
仕方なく、シリアライザーの中央に位置する島を開放し、呪いから逃れた者を、集めるようになった。
まずは、力もなく、弱い人間が移った。
人は非力だが賢い。だから今後の対策の為、知識と歴史の書を一つの部屋にまとめ、人間に対策を考えさせる。
その後、低級な獣人も移動した。
これが間違いだったのか人間の学者達は中央の島以外を、海の底よりさらに深い所に封印することを計画する。
これを阻止しようと勇者達が行動するが、間に合わず封印されてしまい、人間だけの世界が残った。
封印に関係した人間は偽りの歴史を造ると考え、私達勇者は、島の封印と、呪いを解く為、そして真実を伝える為、この知識と歴史の部屋を人間から、遠ざけることに成功する。
「なるほど」
俺はそういうと人間として複雑な気分だがこの世界に何があったのかを知った。ドラゴンはだから悲しい顔をしたのかもしれない。
その後この本には、この世界での知識といくつかの研究の失敗が書かれていた。
ありがたいことに逆引きも付いている。
しかしこの本に書かれていた年号は今から何年前だろうか。
今となっては、このことを知る者すら島にいないと言うことから、相当昔ではと考える。
この本を書いていた者はもうこの部屋にはおらず、いつから空白の時間かすらわからない。
「ちょっと待てよ!? 」
俺はドラゴンを見て言う。
「お前はそもそもなぜこの場所にいた? 」問いかけてみる。
しかし自分が卵からかえった時はここにいて、誰もいなかったという。
そしてある写真を引っ張りだしてきた。それはこの部屋で撮られた4勇者の写真だった。
俺はドラゴン族の女性勇者だと思われる者が、お札の貼られた卵を両手で支えている姿をみた。
おそらくこのドラゴンだろう。
ドラゴンの勇者は人型の姿をしているが、全く目の前にいるドラゴンは似ていない。スタイルよく、美しいといった感じだ。
それと同時に、この部屋にあった武器や防具が勇者達が持っていた物だと気づく。おそらく今は主無き物だ。
このドラゴンに生まれてからどのくらいかと訪ねると、5年と言う。なら5年前か?しかしそれは違った。
この知識と歴史の書に書かれていることは、ドラゴンは自己防衛本能によって卵がかえる年月が違う。
戦乱で生き抜かなくては行けない時は、短くて一年で卵はかえり、平和でのんびりしている時は、何万年も卵で栄養を蓄える。
蓄えた姿がこのドラゴンか。俺はドラゴンの姿を見て行った。
ドラゴンの口に付いていたお札は、卵のお札と同じだ。
生まれてくることを制限するなら、生まれたときに破れているはずだ。しかし口に残っていたことから違う効果だ。
その答えは簡単だ。ドラゴンの攻撃はブレス攻撃だ。生まれてきたときに、この書斎に影響を与えないためだ。
その後、俺は魔法使いの性かこの部屋にある魔法に関しての知識を中心に読んでいった。
もちろん魔族の使う特殊な魔法もだ。
魔族の魔法には一定範囲を暗闇で覆う魔法、姿を小さくする魔法などあり、便利な魔法がいくつもあった。
しかし人間がこの魔法を使うには、特殊な防具に覆われていないと精神が崩壊する恐れがある。
人間勇者の装備していた防具に、天空のローブと言う防具があった。色は白く、天使の羽根で作られていてる。
魔族の魔法から身を守り、魔族の魔法を使っても精神に影響を及ぼさないように出来ている。
俺はこのローブをもらい装備する。不思議なことに体が軽くなり宙にも浮ける気分だ。
もう一つは精霊の杖。魔法などをアップさせる拡声器であるようだ。精霊達が愛用していた武器という言い伝えだ。
どれも魅力的な武器や防具だ。
しかし獣人族が使っていた正義の大剣。こいつはどう考えても、俺には重く使いこなせそうにない。
特殊な装備物は主人を選び、選ばれないと力を発揮しないだけでなく、重く扱いにくいと言うことだ。
俺はこの装備はライルにお土産として持って行くことにした。
天使に精霊
かつて各種族が発生する前にこの大陸に住み着き、不思議な力を持っていたと書かれている。
しかしごく一部の天使が欲望にかられ、魔族となったと言い伝えがあるようだ。そして魔族に滅ぼされてしまったようだ。
「レアリーへのお土産はと」俺はそういうと周囲を見渡した。
ドラゴンは俺に武器を手渡してくれた。聖者のローブだ。装備する者を守るだけでなく、己の持つ眠りし力を呼び覚まし、覚醒させる。
確かに特に取り柄のないレアリーには、一か八かのおみやげだ。俺はこれを持って行くことにした。
ドラゴンは俺に装備しろと一つ装備を渡す。
この部屋に長く居たんだからいろいろと知識があるみたいだ。
不思議な腕輪だった。利き腕に装備することにより、武器と防具に変化させることが出来る。
名前はドラゴンソウル。すぐに装備しドラゴンに見せるが変化無し。
しかし俺が戦いをイメージした瞬間腕輪が広がり小さな盾の姿に。
攻撃をイメージすると腕輪の先が、剣の形に変化した!
最強を誇るドラゴン族に伝わる伝説の装備だ。
とりあえず宝物見つけたことだし帰ろうとしたのだが、このドラゴンをどうするかを思いつく。
「お前どうする? 」
ドラゴンはもちろん俺について行きたいと言うが、問題があった。
ドラゴンは俺が住んでいる場所には、悪いモンスターとして存在するだけだ。
仮にこのドラゴンが一緒について来て、学校や周りの人間が存在を受け入れられるであろうか?
「なぁ、この部屋から出るのはまだ危険かもしれない」
俺は、ドラゴンにそう言うと、気になったことをドラゴンに話した。
ドラゴンは今までよほど寂しかったのだろう。目は涙目になり、俺になんとか方法はないかと、目が語る。
俺はこう言う場面が一番弱い。自分が関わって無くても泣きそうになる。
「そうだ!? 」
俺は頭の上に電球でもついたかのように閃いた。
それは、ドラゴンを魔法で小さくすることだ。
人の目に付きづらくすればいいと考えた。小さくする魔法は魔族の魔法だが、幸いドラゴンは精神力が強い為、人間と違って心が侵されにくい。
ドラゴンはこれを聞くと笑みがこぼれた。
「ただしだ! 」俺はドラゴンに一つ約束させた。
それは、徐々に存在を明かすと言うことだ。
いきなりは先の不安から、混乱が起きてしまう恐れがある。だからレアリーに存在を明かす。
ドラゴンから見れば、毎日歌を歌ってくれる女性って感じだからだ。
それに彼女ならちゃんと話せばわかってくれると思ったからだ。
ドラゴンは嬉しそうに、何度も大きく首を縦に振った。
俺は少し不安だったが、魔法を唱え、自分とドラゴンを小さくした。
自分も小さくすることでドラゴンも安心できると思ったからだ。
そして、音楽室に戻って来た。
振り返り時計を見ると、この時間は講義中だと、俺は判断した。
それでも、俺の魔力を感じたら、ゾイルは飛んで来るだろうと思ったが、来ない。
どうやらこの天空のローブは魔力も隠してくれるようだ。
魔族の吸収魔法の一つマジックドレイン対策だろう。相手の魔力放出に合わせて唱えると、自分の魔力として吸収出来る魔法だ。
「ブワサッ」
音楽室の扉は開けられ、なぜかレアリーが悲しそうな顔をして入ってきた。
なにがあったかはわからないが、こんな時間になぜと俺は思った。
なにか探しているようだ。
とりあえず、ドラゴンに隠れているように話し俺はレアリーに近いた。
「なんか探し物か? 手伝ってやるよ。体を小さくしてるから見付やすいぞ。」
レアリーは、びっくりしたのか、いや害虫と勘違いしたのだろう俺を叩き潰そうとした。
「やめろバカ! 」「落ち着け! 」何度もそう言うが、
「バシッ!バシッ」
とレアリーの手が俺をかすめる。
俺は仕方なく、光りの魔法ライトニングをおでこに当てた。手加減したからレアリーにダメージは無く動きを一瞬止めるほどだ。
しかしこれで十分だ。ライトニングは別名レーザーと呼ばれ、この魔法を唱えるのは俺だけだからだ。
魔法には主に火と氷があり、唱える者によって形や威力も違う。
その他に、光、聖、雷などがあるが、これらは素質とかなりの努力がないと唱えられない。
まれにどんな魔法でも物にする、俺みたいな天才はいる。
レアリーは、こちらを見て動かない。俺は大丈夫かと声を掛けるが、聞こえていないようだ。
仕方なくレアリーを見つめ返す。
しばらくしてレアリーが、俺に生きてたんだと話し掛けてくれた。
俺はほっとして座りこんだ。
「ザッ!」
「おい!? 何するんだ」
俺はご飯につける佃煮海苔の空き瓶に閉じ込められてしまった。
普段は鉛筆とかを入れるのに使っていたようだが、レアリーが暴れたことで空瓶になっていた。
そして顔を近付けたレアリーが、丸2日何してたと聞いて来た。
秘密の部屋での出来事が2日経っていたのかと思ったが、とりあえず出せと言う。
しかし質問に答えなさいと瓶を揺らす。
さすがに強力な地震を受けてるようで俺は抵抗出来ない。
俺はとりあえず秘密の部屋を見つけて、いろいろなアイテムや魔法、知識を手に入れたと話した。
「嘘臭い」そうレアリーが言いまた瓶を揺らす。
しかしこっちを見ながら、生きてて良かったと微笑み音楽室を出ていった。
その後、俺は、ドラゴンを呼び瓶から脱出。
ドラゴンにはもう少し小さいままでいてもらい、俺は魔法を解き元の大きさに戻った。
そして教育へ行き、「ただいま」と一言いいながら扉を開けた。
俺はこぶだらけだったので、ゾイルどうしましたかと聞かれた。
でかい怪物に一方的にやられたと答えると、レアリーが早く座れと文句を言う。
ゾイルは、俺がレアリーにやられたのだろうと気づき、気をつけてくださいねと一言くれた。
そして席に向かう俺にゾイルはみんな心配したと話し。心配していた一人は、音楽室で俺の魔力を感じたことを聞き、何度も音楽室に足を運んだことを聞いた。
俺は足をレアリーの席に運び、耳元でありがとうと言い、それと話しがあると言い周りに見られないように、ドラゴンを教科書の上に置いた。
一瞬びっくりした顔をしたが、レアリーはドラゴンを手で隠してくれた。