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獣人族解放

次の日、獣人族の住む島の解放作戦が話し合われていた


作戦は簡単だと思われていた。

島の至る所にスピーカーを設置し、島全体にレアリーの声を届けると言う作戦だ。


島内部に呪われた獣人が残っていれば、歌を聴き呪いを解く事が出来る。

一度スピーカーを設置してしまえば、外部から呪われたモンスターが入ってきても、歌を聴かせる事で呪いをと解く事が出来る。


しかしそれには問題があった。


歌は魔族には影響を及ばさない。歌はあくまでも呪いを解く為の手段であり、魔族を止める手段ではない。

効果があるなら、突然歌いだし何事かと動きを止めるくらいだ。

魂の灯台に火が灯り魔族の力は弱まっている。しかし弱まっているだけだ。

先の戦闘では撤退してくれたが、低級な魔族と呪われし者に過ぎない。

強力な魔族となれば、一時的に大地を闇で覆う魔法を使い、光の届かない空間を作り出す事が出来る

スピーカーを設置する前に、呪われた者と魔族が一斉に押し寄せたら、今ここにいる戦力では到底相手にはならない。

犠牲者を増やし、地下のアジトから出られない生活になってしまう。

中途半端な事をやって、魔族を刺激する訳にはいかない。


島の外の魔族に気付かれずに、スピーカーを設置するしかなかった。


それとスピーカーの配線だ。

この島全体に張り巡らすには相当の時間を要す。


しかしロックはレジスタを電波塔に使い、各スピーカから音を出す作戦を提案する

それにより配線の問題は解決したかに思えたが、今度は電波を受け取る為には、障害のない所にスピーカーの設置が要求される。


すぐに壊れない高い建物が必要だ。


そんな難題を考えていたらライルがふっと一言話した。


「レジスタからでかい音発生させる作戦はダメ? 」

しかしライルの作戦はことごとく却下された。

島全体に音を届ける為にはかなりの音量を必要とする。耳栓したって体が音で吹き飛ばされる

レジスタはだだの騒音発生物体になると。

それに近くで聞いてる者には、何を言っているかわからないくらいの音割れが生じると言う。


それを考え、頑丈な塔のような建物を造りスピーカーを設置する。しかも日付けを掛けず同時に。

尚かつ設置と同時に歌いだす。

最低条件である。



「一夜城って聞いた事ある 」

なんでも城のパーツを部品ごとに分けて運ばせ、一日で組み立てられた城とか。そう俺は提案するが


「人数が足りんよ 」っとロックは難しそうな顔だ


俺とナナギなら魔力で浮かせられる物なら簡単に移動できるんだけど。


「どんくらいじゃ? 」

そう言われると俺は、五人ぐらいを一緒にテレポートさせてみせた。


「採用!! 」

「ん? 」

ロックがパーツごと運ぶ事を採用した。しかし俺の中では、それを出来るのはナナギと俺しかいないから、人数的に無理と不思議に思う。


ロックは他の物にもテレポートを使ってもらえば良いと言い出した。

ナナギはロックに魔法とはを語り、最後に素質が無いと使えないんですと教える。


ロックはおもむろに外に出て行ったかと思うと、手には筒のような物を持っていた。


「アンティすまんがこの筒にお前のテレポートを入れてくれ 」

俺は不思議に思うが、筒にテレポート入れるイメージし魔力を放出した。


ロックはそれを受け取り筒を地面に叩き付けると、ロックが移動した!

「成功じゃ! 」


ロックはそう言うとその筒に『魔法の筒』と名付け沢山造るからその中にテレポを入れろと言う。

俺もナナギも了解する。


獣人族のパワー系は、マンモスが率いて塔をパーツごとに製作を開始する


数日後朝を迎えそして時は来た。

「モンスターが減ったと同時に行動開始するぞ! 」


レアリーはレジスタで待機。合図の魔法があげられたとともに歌い始める為だ

他は塔の建設する。

俺のグループは北へ、ライルとナナギは東、ティカとロザは西へ向かう


南は今の灯台にそのままスピーカーを設置する。


東は岩場が広がり、力のあるライルが獣人族のパワー系を率いている。時間の問題はなさそうだ。

西は森付近のため、モンスターが隠れている可能性が高い。その為パーツを細かくし、スピード重視の組み立てグループになっている

北はここから最も離れている。しかし草原になっており見渡しが最も良く、魂の灯台の光を遮る物が無い。

モンスター遭遇も考えられない事から、俺が少数の精兵を連れて組み立てる事になった。


各自が健闘を祈り行動は開始された


東の岩場にはモンスターが生息していた。しかしライル達が攻撃をしのぎながら、獣人達がものすごい勢いで組み立てて行く

一日なんていらないスピードだ!

モンスターは魔族が多く威力のある魔法攻撃を多用してくる。

しかしナナギのマジックバリアは始めから全快だ!

ことごとく魔法をはじき返した


それを見たモンスターは興奮し突進してくるが、ライルの豪剣が空を切るたびにモンスターは動きを止める

あきらかに威力が違う。そう判断したのだろう。攻撃をためらうモンスターを尻目に、塔はあっと良い間に完成してしまった

後は塔を守り抜くだけだ。マンモスやパワー系が攻撃に参加するとモンスター達はこちらを睨めるのが精一杯だ。

ナナギが完成の合図を空に放った


西では、目標に辿り着くなり、森から呪われし獣人がこちらに向かってくる。

ロザは致命傷にならないように攻撃して行く。

ティカも的確に足を攻撃し、ロザを援護する。


しかし呪われし獣人が動きを止め、中央が何かを通すかのように道が割れた。

そこから鷲の頭と翼を持ち、体はライオンの獣人が現れた。

ロザはとっさに後方に下がり周囲に警戒を促す


空想系だ

獣人族でも上位と言われる者だ。


ロザはティカの側に寄り離れろと言う

しかしティカは「強くても止めなきゃ行けないんでしょ! 」

そう言いロザを見る。


ロザは意を決しグリフォンに飛びかかった

「あんたみたいなのは、命の保証できないよ! 」


ロザの攻撃を回避すると同時にグリフォンは人型になる。通りすがりに刀でロザの背後に攻撃を仕掛けてきた。

ロザも反転し爪で刀を受け止めるが地面に叩き付けられてしまった


グリフォンは地面のロザに刀を振り下ろそうとした。


「ヒュー パァーン!! 」

乾いた音がグリフォンの肩を貫く。

「ヒュー パァーン!! 」

更にもう片方の肩を貫いた。


「ライトニングアローって言うのよ これ!」

「そして! サンダーアロー!! 」

グリフォンの両手にヒットし、刀を落とさせた。


すかさずロザが体術でグリフォンの動きを奪い捕獲する。


「ありがとう! 助かった」

そうロザが言うと。ティカは自分の力じゃない部分もあるけどねと魔法の筒を見せた。

アンティのライトニングとレアリーの雷が入っているようだ。

ティカにとって有り難いアイテムだ。


その後は難なく攻撃をしのぎ、塔は完成した。

そして上空にティカのファイヤーアローが打ち上げられ。完成の合図が出た。


あっけないほどに二カ所から合図が上がる

しかし北側からの合図が出ない。

俺はめんどくさいやつと遭遇していた。

塔は少しずつ出来上がって行くが、こいつに時間を取られ、周りの援護が出来ない。


「戒! 」

「戒! 戒!! 戒!!! 」


「お前は嫌いだ! おいらはお前のせいで怪我で動けなくなってたんだぞ 」


「お互い様だろ! 」

俺の相手はカイだった。

過去に戦ってお互いぼろぼろになった相手だ。


「くわ〜〜〜 」

カイが闇を纏い始め、武器を回転させる

「ブラックホールキャノン! 」

カイの大技が出た!

黒い闇が周囲を吸い込み接近してくる。始めは遅いがスピードが上がる。


しかし俺はドラゴンソウルを目一杯広げ波動砲と名付けた巨大なレーザーで相殺した。


この衝撃がレアリーを勘違いさせた。

「合図きた! 」

レアリーは深呼吸し歌い始めた。


幸い障害物が無い北側のスピーカーから歌声は聞こえる。

カイは何事かと周りをきょろきょろしだした

俺は焦りあわてて塔を組み立てに行く。


何曲目だろうかレアリーの歌声が鳴り響く「よし完成だ! スピーカーはどこ? 」


スピーカーの音の方を見ると、カイがスピーカーの目の前で正座して座っていた。

しかしスピーカーを持ち上げ俺は設置しに行く。

それと同時にカイもスピーカーの後を付いてきた。


カイを攻撃しようとする者がいたが、カイはその者の技を封じ、更に威嚇のかまいたちを放ってくる。


スピーカーが設置された。

俺はカイをスピーカーから遠ざようとするのは危険と判断し、とりあえず歌が終わるのを待った


やがて歌が終わり、ロザ達の襲った獣人は呪いから解放され、ライル達を襲ったモンスター達は呪いの効果が無くなった事を感じとり撤退して行った。


カイは「歌っていいなぁ〜 」

そう言ってニコニコして首をゆっくり左右に振っていた。

どう考えてもその姿は幼き子供に見え、俺には敵に見えない。


そう思いカイの横に座った。

「俺の友達が歌ってるんだよ」

そう言うとカイは「お前うらやましいな」そう言ってきた。


試しに俺は、お前魔族だけど殺し合いをやめて、この世の中を闇に覆わないって言うなら、ずっとこの歌聞けるけどどうする

そうするとカイは殺し合いにも闇の世界にも興味ない。

ただ一番強くなって好きなときに上手い物が食べたいという。


「仲間にならないか? 」

俺は過去にこの世界であった事をカイに話した。

理解はしていないだろう。受け入れるには幼すぎる


カイは魔族だ。だけどなぜ命を奪う。なぜ闇が必要なのか自分は理解できないと言う。

そうだろうこのカイは、日の光も嫌いじゃない。戦うのは食べて行くためだと思っているからだ。


「お前と一緒にいれば歌聞けるか? 」

「俺達と一緒にいればな」


カイは立ち上がり今度あった時までに考えておくよ。と言い飛去って行った。


この日この島は呪いから、魔族から解放され再びにぎわいを見せるため復興を開始する



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