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隠し部屋

秘密の部屋を探りまずは音楽室にやってきた。


「音楽室」俺はここに注目している。

歌を歌ったり、楽器を奏でたり、それは今までの教室でもできることだ。

防音の部屋を作るのは近所に迷惑だから。

しかしこの学校は外壁があれば、敷地も広く、クラスも一つ、防音にする必要があるのか?

そう思わせる違和感が俺をここに導いた。

もちろん、昼間校長が眠っている部屋に音が聞こえないようにと言う考えもある。

しかし校長の部屋を防音にすれば良いと俺は勝手に結果を出した。


ここでの探し物というと。それは隠し部屋だ。

先日街のじいさんから不思議な夢を見たと俺は聞かされた。

なんでも中央学校の一室からモンスターが湧いて出てきたとか。


話しかけられた時は、だだの夢だと思っていたが、俺に話しかけたじいさんは、夢に俺が出たとか。

凶悪なモンスターが湧いてくる中危険だが、夢の中で俺は、周りのモンスターと違い、心を持ち人の言葉を話す一匹のモンスターと出会う。

そこで力を貸してくれと頼まれていたらしい。

そしてこの世界の秘密を解き明かしたとか。


「ただの夢か? いや最高のロマンだ! 冒険だ!!」

退屈な日々を過ごす俺には、こんな小さなうわさ話でもそう思わせた。


俺は音楽室でそう言うと音楽室の扉を閉め、隅から丁寧に調べだした。


音楽室には、ピアノがあり、小部屋にはいくつかの楽器がある。

楽器以外と言えば、壁には丸いアナログ時計、机に椅子、ホワイトボードぐらい。


俺はまずピアノを調べた、特に音楽の知識にすぐれていたわけじゃない俺は、音に関してはドレミファソラシドを一通りひくだけ。

後はピアノの裏や足といった所を調べたが、特に変わった所はない。


次に小部屋の楽器達も調べたが、ただの楽器みたいだ

楽器の後はこの小部屋の壁、床、天井を見てみるが変わった所はなさそうだ。


音楽室も同じように見てみるが変わった所は無し


「ハズレか」

少し寂しそうに呟くと、俺は椅子に腰掛け、次はどこの部屋へ行くかを考え始めた。

やはり講師達の区域かもと頭で考える。



「カチ、カチ、カチ......」


時計の針はいつも通り正確なリズムで音を刻む


「たまには、手抜きしてゆっくり動いてみろよ」


時計に話し掛けるが返事がある訳がない。


「正確な音......」

俺は時計を見ながらあることに気づいた。もしこの秒針が不思議なリズムで時間を刻んだらどうなるだろと。


でも、それを試すが答えは簡単だった。時計の機能を満たさなくり、時間がわからなくなるだけだ


我ながら、奇抜な発想だと思ったが、実はお粗末な発想だ。


やはりこうなると、校長やゾイルの住む部屋が怪しいかと考え、音楽室の扉へ向かおうとした時だ


「ゴトッ」


何か動く音が聞こえた。俺は音の方へ振り返るとそこには、時間のくるった時計があった。

そんな音が鳴る訳が無いと思い、しばらく時計を眺めていると、「バサッ」今度は時計の中から雑誌が落ちる音が!


時計に何かあると確信し、時計を覗き込んだ時だった


「うわぁ!? 」

思わず声をあげ倒れてしまった。


6の丸い部分から何かの生き物が覗き込んでいた。

恐る恐るもう一度見ると、まばたきしながら、俺を眺めている。

びびって、声出して、ひっくり返った俺だが、これでも、最強を目指し冒険と宝探しに憧れる俺は


「お前誰? 」と話し掛けた


「うぼーぼーごごブーブー」


「ん!? 」


何言ってるかわかんねーよと思い、じっと見つめていると、どうやら口が何かでふさがれているのでは、と気づいた。


「そっちにはどう行けばいい? 」俺は改めて話し掛ける。

どうやら言葉は通じているようだ。目の生き物は時計の6の丸部分から離れた。

明らかに人の指では無かったが、書斎の風景を俺に見せる。


テレポでここをイメージして飛んで来いと言うことだろう。


しかし俺は、テレポは物体を運ぶ魔法だが、時計の6の丸の中に入れるほど、小さくなれない。

それに、実習中は敷地内で、訓練する時間と決められている。

生徒が校舎内で隠れない為に、出入り禁止と言うのがルールある。

見つかったら、それなりの怖いペナルティーがあるって言われてる。


魔法は魔力を放出する。放たれた魔力は人それぞれの雰囲気を纏い、誰が放ったかはわかってしまう。

この部屋は防音ではあるが、魔力を隠せるかは不明だ。だから魔法を使えば、ゾイルが気づいてしまうかも知れない。

それを伝えたが、時計の向こうからは、何かを叩く音がするだけ。まるで俺をせかしているかのようだ。


やもえず俺はテレポを試みた。


一瞬吐き気を催すくらい気持ち悪い空間を味わうと、俺は時計の向こうの書斎へと移動した。

おそらく何か別の次元を通過したか、なにかだろう。


そしてすぐに書斎の壁の小さな穴を見つけ、覗き込んだ。


穴の向こうにゾイルが飛んできた。ゾイルがキョロキョロと当たりを見渡していた。

ゾイルはこの部屋の入口を知らないことを知る。知っていればまず時計を調べるからだ。


ゾイルはすぐにテレポを使いその場を去った。俺が音楽室いたことに気づき敷地内を探しに行ったのだろう。


ふっと気がつくと、何かが俺を突っついていた。

さっきのやつだ。俺を襲う気ならもうやられている。

そう思い振り返ると、そこには、あまり輝いてはいないが、金の短足ちびデブドラゴンがいた。


大きな顔に、大きな口。口には何かの封印だろうか、お札らしきものが貼られている。

ドラゴンはどう考えても、マスコットにしか見えず、悪いやつには感じない。

俺はまぁいいかと言う感じでお札をはがしてやると、ドラゴンは嬉しそうに涙目で俺に礼を言ってきた。


どうやら人の言葉を理解し話せるようだ。モンスターと言えば意志もなく、人を攻撃するだけと言うイメージがあるがこいつは違いそうだ。

街の人の夢に出てきたのはこいつだろうか?


「この部屋は? 」

周りを見渡しながらドラゴンに言葉をかけると、ドラゴンはペタペタと音がなりそうな感じで壁の穴に向かった。


そして穴の部分に栓をした。


「それじゃ、帰れないじゃないか」

なぜか焦る様子もなく、微笑みドラゴンに話し掛ける


ドラゴンは俺に、こうしないと向こうの部屋に音が聞こえてしまうと言ってきた。

どうやらこのドラゴンは前に、幽霊がでるとか騒ぎになって音楽室に人が来なくなったのが、寂しかったらしい


でもここ2、3年は歌を歌ってくれる女性を眺めているみたいだ。


その女性は幽霊が出ても自分の歌で成仏させると言ってた。

と俺が話すとドラゴンはちょっと嬉しかったのか丸い目が少し細くなり、笑顔を見せた。


そしてもう一度この部屋はと聞くと、この部屋は、歴史の部屋と言ってきた。

各種族が、知識と過去を未来に残す為の部屋だと言う。

本だけではなく武器や防具も何点か置かれていた。どれも古びている様子は無い。

おそらく特殊な部屋なんだろうと俺は判断した。

とりあえず各種族って何なのか聞いてみた。

そしたら寂しそうな顔をしながら、ある本を持ってきた。


「知識と歴史の書」

そう書かれていた。やたら分厚く、字も細かそうだ。


俺はつい最近こんな分厚い本の為にある魔法を開発した。

「リード」俺は本に向かって魔法を唱えた。

単純な魔法だ。本が俺に読んでくれる。書く人って、いろいろと思い書き込んで行くもんだ。

そのとき書いた人間が、本に伝えた言葉を俺が聞くと言う仕組みだ。


便利な魔法だろ。魔法とはこうであるべきだと俺は考え魔法をイメージし、使えるようにして行く。


そして本が開き言葉が聞こえはじめた。

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