魂の灯台
封印の穴が閉じるとともに景色が一転とした。
空気は濁り、息苦しい。しかも日の光がわずかだ
「魂の灯台に向かうぞ!」
ロックは思うように操作できないレジスタを元人間がいた島に向けた。
しかしレジスタを発見したモンスターが攻撃を仕掛けてくる。
レアリー達は攻撃しモンスター倒して行く。次から次へと現れる。
とても歌の準備などしてる暇が無かった。
「りんりんりんりんりーん」
鈴の音が鳴り響いた。皆が見ると、銀色の狼が駆け上がってくる。
ゼニスが強いと言った狼だ。
レアリー達は攻撃を仕掛けようと照準をあわせようとした。
しかし動きが速く気付いたときには獣人の姿になり、甲板の手すりに乗っていた。
狼は重傷のドラゴンを見た。皆がゼニスを護るように囲む。
「弱き者よ、後少し頑張れ」
奇麗な女性の声だった。
長い爪を装備している。
狼は遠吠えをあげると、下からモンスターめがけて攻撃が仕掛けられた。
「私の仲間だ」
狼はどこへ行くとレアリー達に聞くと。魂の灯台へとこたえる。
「あれの源を知っているのか人間? 」
レアリー達はそれを知らない。
しかし狼は、あれは命を捧げると火となる言う。
つまり生け贄だ。人が造った最悪のものだ。しかしその火が太陽を呼ぶ。
「うそ!? 」
レアリーはそう言うが、数ヶ月前人間が証明してくれたと言う。
皆の目にアンティが浮かんだ。
人の命で数ヶ月、獣人族で数年、ドラゴン族、機械族で数十年火は灯ると言う。
しかし呪われた者が入ったり、無理矢理生け贄になる場合は効果がない。
「お前達の誰が生け贄になる? 私の部下は生け贄にはいかさない」
そう言う狼は、誰も行ってほしくはないんだと悲しそうに言う。
それはレアリー達も同じ気持ちだろうと話す。
だったらここで死ぬまで戦うことを狼は選択すると言い、甲板から降り空中戦を開始した。
「りんりんりんりーん りんりんりんりーん」
狼が優雅に空を舞う。
ロックはそれを見てあの娘はフェンリルだといった。月の狼と言われる獣人だ。
獣人の中でも空想系と言われ特殊な能力を持ち戦うと言う。
しかしフェンリルが加わったとは言え数を増すモンスターをしのぐことは無理だった。
徐々にフェンリルも力を失いレジスタに近づいてくる。
その時
「私が生け贄になろう」
ゼニスだった。自分はもう残りわずかしか生きていられない。だから生け贄を志願したいと言う。
レアリーはダメと叫ぶ。
しかし周りを見渡したソニアがレアリーに一撃入れ意識を奪った。
それと同時にゼニスが人型になる。それを抱えるソニアがいた。
「緊急じゃぁ! ソニアを止めろ」
状況に気づいたロックがあわてて叫んだ。
ライルもティカもナナギもソニアに近づこうとした。
しかしゼニスは火を纏う。その火はソニアに燃え移った。
ソニアの魂はマネキンの中に入っている。木で出来ているから、けして火を纏ってはいけないとアンティに言われていた。
「これで私は助かりません」
だから行かせてとゆっくり灯台の方に歩きだした。
「あんたの都合で考えないでよ」
フェンリルは水の攻撃で、火を消そうとした。
しかし、火は消えない。
「ドラゴンの命の炎は誰にも消せない」ゼニスは弱々しくそう言った。
「ずっと一緒だからね」
ソニアはそう言うと、ゼニスを抱え空に出た。
ソニアがゼニスを抱き、火を纏い火の翼で灯台に向かう。
途中途中にモンスターが体当たりをするが全てを焼き尽くす。
その時、ドラゴンが現れ、水の渦巻で攻撃を仕掛けた。
一瞬消えたかに見えた火はまた激しさを増し燃え上がった。
「生きていたか。皆が探しているぞ」
そう言って再び灯台へ飛んでいく。
そして……「短い間だったけど楽しかったありがとう」っと聞こえると同時に灯台に火が灯った。
今までより遥かに強く温かく、優しさを感じる火が大地を照らす。
モンスター達は光を嫌うかのように撤退していった。
昼間は太陽が照らし、夜は灯台の火が大地を照らす。
これで魔族の力を弱めている。
フェンリルが甲板に降り立ち、悲しそうな声で、自分達は灯台付近をアジトとしている。
そこに行けと指示し、灯台の方に跳び去った。
レジスタにいる全員が脱力感の中灯台に向かうことになった。