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不思議な地図

いつもとは違ったその日、レアリーはゾイルに呼び出された。


ドラゴンに関して質問を受ける。前に二体のドラゴンが出たことを覚えているかと聞かれると、覚えていると答えた。


そうすると、今回襲撃してきたドラゴンがその時と同じものだったと言い、確か君はドラゴンは穴に吸い込まれたと言ったね。

レアリーは確かに吸い込まれましたと言う。


あの時の戦いでドラゴンの襲撃後半から、画像が送られてないことは、レアリーも他の生徒に聞いていた。

だから、あの場のことを知っているのは、自分達だけだ。


しかし画像を映らなくしたのに訳があった。画像を映らなくしたのは、校長であったからだ。


あの時引きずり込もうとした穴から、氷の攻撃が仕掛けられ、穴の付近にいるものを動けなくさせた。

これが、校長の作り出した封印の穴だからだ。吸い込むさい、目標の動きを奪って、吸い込み易くする。

魔力は放出されると、誰のものかわかる。

とくに氷系の魔法は、ゾイルが良く生徒に見せている。

画像から、良からぬ疑いを招きたくなかったから、画像を映らなくしたと言う経緯があった。


しかし、レアリーもあの時倒れていて、氷系魔法が誰のものかわからない。

ソニアに聞かされなければ、何が起きたのかもわからないと言う状況だった。


しばらくゾイルの質問攻めにあうが、レアリーは怒鳴られても、わかりませんと答える。

ゾイルはいらいらしていたが、外にはライル達の気配を感じ、手だしは出来ない。

ここで戦闘すれば情報源を失うからだ。

知識と歴史の部屋にある情報の中に、よほど手に入れたい情報がある。


ゾイルはやもえずレアリーを解放した。


皆と合流した、レアリーは先ほどの質問攻めとゾイルの態度を話すと。

ロックはそれに気付いた。

「ぬし達を始末しないのは、知識と歴史の部屋の場所を知っているからじゃろう」

それだけ必要な情報があるなら、探さなければいけないと言った。


そして、こんな時のためにと三体の小型の時計を出した。赤、青、黄色の

時計は、全てロックの色付きミニチュアと言う感じだ。


「なにこれ!?  」


三体の電源を入れると、動きだし、ロックの前に整列した。


「すまんが、本を読んでくれ」と言うと三体は本を読み出す。

この三体は自分の分身で、三体がやったことは、後で自分に接続すると、自分の記憶として残ると言う。


ずいぶん効率が良いと言うか、ずるい発明だと言うと

「それが発明だ」とロックは自慢気だ。


ロックはレアリー達の前に地図を広げた。

校長室からの戦利品で、封印された世界が見れて、触ることも出来ると話し、手本とばかりに部分拡大や、近くを通ったモンスターを触り始めた。


皆がこれを使って、取り出したり、向こうに行けるかと聞くが無理と話した。

しかし何かモンスターの発生に、関わっていると言う。


そして納得いかないことがあると言う。

この地図は機械操作のような気がするが、どう作られているかわからないと言う。


確かに紙で出来た地図のようだ。

レアリーはこの消える風呂敷だってと言うが、風呂敷は光の反射と目の錯覚を利用しただけであり、この地図はあきらかにリアルタイムの向こうを見てるという。

紙に映し出されているならわかるが、ただの紙にしか感じないと言う。


「調べるか!? 」っと言うとロックの手がハサミに変わった。


しかし皆があわててとめる。ロックは心なしか残念な顔をし、あきらめた。


ロックはレアリーに、明日以降学校の敷地内にモンスターは出現するかを調べてもらうことにした。もし出なければ、地図が関わっていると言う。


ティカは話しの間、ずっと地図を操作していた。

しっかり聞かんかと言われたが


「あいつ 見当たらないなぁ〜」

アンティを探していた。

その言葉以降は、ロック以外地図に集中していた。


ロックは仕方ないかという顔をして、忍びこんだ時の写真を見る。


次の日、また次の日と日は経つが、モンスターは毎日出現していた。


ロックは地図は違うのかと、眺めていた。ティカがあることを話す。


敷地内のモンスターは、外壁の指定された位置に火を全て灯すとモンスターいなくなると言う。


火の位置を確認し、それぞれを点にし結んでみる。しかし何かを表す形は出来ない。


火を灯さない作戦も考えたが、もしも街にモンスターが出てしまうと、危険だからこれはやらない。


「いまいち進まんのぉ」

ロックが言うが皆同じだった。


しかしナナギが絶対外壁の火は関係あると思うけどなと言いながら、火炎魔法を出したり、引っ込めたりをした。


そうすると地図が火の力が足りませんと浮かび上がる。


「もっと強力な火を出して!? 」

幸い、ティカとレアリーが今日も地図でアンティを探していたから文字を見落とさなかった。


では、全開でと答えたナナギが炎をだす。しかし地図は力が足りないと。


ナナギは、力不足でごめんなさいと、しょんぼりしたが、ゼニスが任せろと言い息を吸い込んだ。


「まてぇぃ!? 」


ゼニスが全開で炎をだしたらこの部屋が危険じゃとロックは止めた。

今から囲いを造るから、その中に火をと言ってる最中に、何か思い出したかのように自分が撮った写真を調べだした。

そしてある写真に注目した。暖炉の写真だ。普通なら煙りを出す為の煙突が上にあるはずだが、写真には無い。


写真を拡大してみると、火種になるものを使った気配も無い。つまり魔法による点火か電気を意味した。


そんな時朗読を終えた三体の分身が戻ってきた。

ロックは分身から、記憶をもらうと、自分には苦手分野だとつぶやいたあと、この地図は審判の地図だと言う。


昔からあるアイテムらしく、科学では無く、魔法の力で出来ていると話した。

こういう不可解なことが機械族にとっては理解し難く、考えだすと、突然機能を停止する。

しかしロックの場合は、いろいろとこういう経験を積んだせいか、こういう魔法のアイテムは考えるなと、結論が出る。

魔法のアイテムだと言われ無いと、調べたたがる悪い所もある。


審判の地図は強力な火のエネルギーを与えることで、使えるようになるアイテムだ。

罪を犯した者を発見し、捕まえる為にある。


捕まえた者を、地図上の大陸のどこに送ることができ、捕まえ方をどうするかを決めることまでできる


「ちょっと待って!? 」レアリーがあわてた



地図上の大陸のどこかって言っても、この島は地図に無い。どうしてかと疑問を投げた。


その時のロックは、もともとこの島も一部だからと何とかすれば、指定出来るのではと言う。


しかし地図はやはり関係していた。

ナナギは火で反応するんですねと、もう一度火を出すと、地図の中から何かがこちらに突っ込んできた。


銀色の鎧を纏った狼が空を駆け上がる。

ナナギがあわてて火を消すと、残念な顔をした狼は去っていった


強い獣人だ。おそらくこちらに来ていたら、やられていたかも知れないとゼニスは目を細め、いつの間にかとった戦闘体制を解除した。


どうやら向こうから火は何らかの目印になるようだ。

なんでもかんでも試すなと警告かも知れないなとロックは言う。


外壁の火はと聞くと、逆のことをさせる為。つまりこの島から、シリアライザーに送る為の条件になる。


それも全部審判の地図で設定出来るようだ。


ナナギは最近もモンスターが出現しているのはなぜかと質問すると


もともとどっかにモンスターを捕らえてあるはず、とあっさりロックは言う。


ライルは、校長の探しものはと聞くと


「…… わかりませーん」

笑顔でそう言うロックにみな苦笑いしたが。


どうやらロックの技術者としての心をくすぐる内容があったことは、皆わかった。



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