作戦会議
ロックは学校内を調べる計画を練っていた。
まずは音をたてないこと。背中の棒はいまでは気に入っていたようだが、今のままじゃ音がうるさい。
そこでロックは防音のランドセルを背負うことに
もちろん中にお気に入りのあの棒がリズム良く反復運動をする。
次に姿を消す為に不思議な風呂敷を作りかぶると、姿が消えた。
本人は昔見たテレビに出ていたアイデアを、そのまま採用したと言う。
後は盗撮グッズを持って完成だ。
試しとばかりにナナギの部屋に潜入した。
ナナギを選んだのは、いつも優しくしてくれるからだ。
ティカで試すのは命の危険があると既に感じている。
ちょうど着替えようとしてた。
目の前に出て「パシッ」盗撮に成功。
すぐに姿を現し潜入捜査の予行と言う。
ナナギは一瞬何が起きたか把握出来なかったが、「何このランドセル」と笑顔をみせた。
そこかいってツッコミ入れたロックは、とりあえず準備はOKと言い出て行こうとしたが、優しいがしっかり者のナナギにカメラの画像は消されてしまった。
後はいつ決行するかだ。
レアリーは、自分の部屋で今出来ることを考えていた。
やはり、モンスターと遭遇した時、自分の歌がすべてのモンスターの呪いを解くことが出来るかを知ることが良いと考えた。
しかしこれにも問題があった。
歌っているときモンスターが攻撃してきたとき危険だと言うことだ。
歌いながら戦うことも考えたが、今の自分では一人で戦っても勝てるかどうかわからないくらいの攻撃力しか無いこと知っている。
それに今となっては、自分のグループを不信に感じる。それはグループのメンバーもそうだろう。
説得して歌う時間を作れるかどうかに対しては自信が無い。
火を灯すまでを長引かせて、ライルやティカ、ナナギが合流するまで待つ方法もあったが、いたずらに戦闘を長引かせると、モンスターが増えてしまう可能性があり、仲間が来る前に全滅してしまう。
正直レアリーにとって難解だった。
しかし、ライルもティカもナナギも、レアリーに歌わせることを考えていた。
ナナギはレアリーの元に駆けつけることはテレポを使うことによりすぐにできる。
ナナギは、はじめにライルの灯を灯し、ライルをレアリーの元に運ぶ。その後ティカのもとに行き、火を灯す。
それでいつもより速く合流できると考えた。
ナナギは三人にそれを話、やってみようとなるが、ゼニスが他の生徒はどうすると言ってきた。
四人の行動を監視しているなら、四人は、生徒のほとんどに囲まれることになる。
怪しまれている四人が、怪しい行動だと判断したら、攻撃されても仕方ないと。
「お前達に日々友にしてきた仲間と戦うことができるか? 」
その言葉に返す言葉が無かった。
暗い顔し、決心できない人間を見て
もしもの場合壁を破壊して、生徒全員を攻撃してもかまわないというならやると。
ゼニスは付け加えるが、ソニアがゼニスにやめてくださいと言う。
「すべてを護ることは出来ない。それでも人間は護ろうとする。欲張りな種族がわしは好きじゃ」
ロックはそうしみじみ言う。そして、もしかしたらここにいる誰かが犠牲になるかもしれない。それでも前に進んでほしい。
分かれた大陸はもう一度一つになり、それぞれの種族が理解できる時を見てみたい。
不可能じゃないはず。
現にドラゴンの体を元に戻すこと、魔法使いの男をもとの世界に戻すこと、そして機械族が作り出した技術を正しい方向に導くことを、目標にここにいる皆がまとまっている。
上辺での話かもしれんがな。
このときナナギは、封印の器も忘却の機械もすべて機械族の案であり、それを使う人間がいるんですねとつぶやいた。
ゼニスはドラゴン族は良い迷惑だというが、ロックはお前は知らんと思うが、ドラゴン族はすべて力でねじ伏せようとした。
強い者が弱い者を従わせる。そんなそんな世界が、賢き者に生きる術を授けた結果だと言う。
そしてゼニスに力で解決した問題は、力を失ったらまた同じ問題を繰り返す。覚えておくのじゃなと言う。
なぜだか、いつしかロックの言葉は皆を納得させる。一番長生きだからだろうか?
しかしロックは勇者達を見てきたから今の自分がいるという。
レアリーはロックに何でも発明できるなら、今を解決できる物をつくれないかというと。
ロックは機械はすべてをつくれる訳ではないと言う。
そして「日々の努力1%、99%の好奇心から発明は生まれる」と自信持って行った。
皆は今までのロックを見て1%の努力にかけようと思った。
歌いたいときに歌えないのはストレスが溜まるだろうとロックが音楽スタジオをつくってくれることになった。
幸い、ティカは小さい時から、エレキギターを弾き、ナナギはキーボードを弾くことが出来る。
三人はスタジオで思いっきりストレスを発散していた。
「ぬしはやらぬのか? 」ロックは一人剣の鍛錬に励むライルに声をかけた。
ライルはいつ戦いになっても良いようにこうしていると言う。しかしロックはドラムをやらないかと言う。
今の三人にはちょっと力強さが足りないと言ってきた。簡単じゃよと言い器用にリズムを取る。
しかしライルはロックを見て笑い器用なじいさんだと言った。
そして向こうの大陸で怒られて、呪が悪化しても知らないぞといいスタジオに行った。
それから数日が過ぎライルは悪戦苦闘しながらドラムを叩いていた。
「計画には破壊力が必要なんじゃよ」
ロックはそう言い満足そうだ。
スタジオには古びたギターが置かれていた。アンティの物だった。レアリー達がいつかみんなで演奏する為だと言う。
「さて、諸君」
ロックの招集があった
準備が整った。明日学校の捜査を開始する。
「計画はこうじゃ」まず朝授業が始まる前に思いっきり四人演奏してくれ。もちろん音楽室の扉は開けて、手加減無し校舎全体に響き渡るくらいじゃ。
音の破壊力を増すとはこのことだった。
驚き、校長や、ゾイルが部屋から出てくる際わしが透明になり部屋に入り込む。
この時は、外壁は発生していないから、ゼニスは敷地で待機。もしレアリー達が攻撃を受けるようなら迷わず助けに行く。
この作戦で行くと言う。
もしもの場合が発生したら「生き残ることを考える」以上っと言った。
ナナギはいつもアンティが言った言葉を思い出した。「生き残れですね! 了解しました」