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前は王を目指していたが今度は皇帝を目指します。  作者: おかしなお菓子
第2章 鍛錬編

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第6話 鍛錬をする前に

そう決意した俺は明日の稽古のために寝ようとしたのだが…


真「えっと…翠花さん?」

翠花「ん?どうしたの?」

真「歯磨きとかってどうしたらいいんですかね…寝るとき僕の分とかってあったりします?」


そうだ。俺が寝れるような環境が翠花さんの家にあるのかだ。寝れないと稽古するにしても体調が万全でないとだめかもしれない。稽古をするとなったら全力でしたい。それは間違ってないはずだ。


翠花「え?ないよ?」


終わった。つまり俺は雑魚寝ということなのだろうか。さすがにきついな…


翠花「だって私と一緒に寝ればいいでしょ?」

真「へ?」


今この美人はなんと言った?私と一緒に寝ればいい?そんなもの4歳の少年には刺激が強すぎるというものだろう?それをわかって言っているのだろうか。


翠花「もしかして…いやだ?」

真「あ、いや!そ、そんなことはななな、ないです!」


そんな顔をされては断るものも断れない。これは一種の犯罪レベルだ。しかもおそらくこれはわざとやっているわけでもない。だからこそ一番タチが悪いと俺は思う。


翠花「じゃあ一緒にいこっか。私の部屋に。一緒に寝るベッドもみたいもんね?」

真「あ…」


そう言い翠花さんは俺の手を握り歩き出した。そしてついた部屋なのだが…


翠花「どう?私の部屋は」


なんというか…とても和だ。まず床が畳だ。そこだけでも俺からしたら違和感がある。掛け軸に巻物が飾ってあったり「鍛錬」という文字が入った書道の文字がある。とても達筆だった。そしてベッドには布団があるが基本的に緑色が基調とされている。そしてその上に横たわるアザラシのぬいぐるみがあるのだが…そのアザラシはなんと兜をかぶっていた。だがそんな部屋にも勉強机はあって、本が棚にぎっしりと詰まっていた。辞書と教科書がほとんどを占めていたが。そしてちょっとした小説もあった。漫画とかはこの部屋になさそうだ。


真「なんていうか…すごいですね」

翠花「そう?みんなこんなもんじゃないかな。あんましほかの子の家に入ったことないからわかんないんだけどさ」

真「そうなんですね」

翠花「じゃあ部屋紹介も終わったことだしお風呂に入ろうか」

真「じゃあお先にどうぞ」

翠花「え?」

真「え?」


なんの問いだ?そのえ?は。この人なら疑問なんて一人で解決できそうだが。


真「なにかありましたか?」

翠花「いやいやこっちのセリフだよ。お先にどうぞじゃないよ。一緒に入るよ?」


…まじで言っているのか。それはもうなんていうのか。少年殺戮兵器だわこの人。いくら何でも4歳の少年と年上のお姉さんの混浴とかいけないなにかが芽生え始めるぞ多分。


翠花「はいはい行くよ!」


そう言った翠花さんの目は純粋な目をしていた。こっちからしたら結構すごいことをしてるんだけどなぁ。そんなことも気にせず彼女とともに脱衣場に来てしまった。


真「えと…本当に入るんですか?」

翠花「もちろん。嫌だったらあれだけど…いや?」

真「そそそんなことはないです!ぜひ一緒に入りましょう!」

翠花「よーし!入るぞー!」


翠花さんはそう言い浴室のドアを開ける。大きな浴槽だ。俺ははっきり言って緊張していた。年上女子の裸なんて正直見たいは見たい。だがここまで純粋無垢な少女のを見るのはいかがなものか。いやだめだろう。そう思わないと理性を保てるかどうか…


翠花「どうしたの?お風呂怖い?」

真「いや…そんなのじゃなくて…」


そう言い終わる前に翠花さんは目をつむっていた俺に近づいてきた。


翠花「大丈夫。私はいつでも君の味方。心配はいらないよ。ね?」


その時の翠花さんの目を俺は一生忘れないものになる。慈しみの目だ。母親からの愛ある目ではない。別のものだ。会ってすぐの俺にこんな目を向けてくれる人はおそらく世界でもこの人しかいない。そう思えてならないんだ。俺は…この人を守りたい。この人を死なせない。そう誓った。そのためにも強くならないといけないんだ。


真「ごめんなさい。翠花さん…」

翠花「え?何か謝られるようなことしちゃった?」

真「なんていうか…翠花さんのことを誤解していたようで…」

翠花「そうなんだ。大丈夫だよ。真くんがどう思おうと私は君を守る。そこは変わらないから」


本当に…いい人なんだな。この人。とても小学生が言ってるようには思えない。


翠花「さあ気を取り直してお風呂お風呂ー!真くんとの初お風呂だー!」


あんな言葉を言ってくれるのに中身は小学生なのは変わらないんだな。安心したよ、俺は。


翠花「まずはゆっくりお湯につかろう」

真「はい…」


ああは言ったがやはり俺は緊張している。同じ浴槽内にいても自然と距離をとってしまった。


翠花「あれ、なんでそんなとこにいるの?近づいちゃお!わ!!」

真「わわ!」


翠花さんが近づいてきて驚かせにきた。それに俺はびっくりして支えにする左手がずるっと滑りお湯の中に入ってしまった。


翠花「もう潜っちゃって~。だめだぞ!」


そう言い翠花さんに抱きかかえられた。完全に抱っこされている。


翠花「大丈夫?」

真「あわわ…」

翠花「もう可愛いな~真くんは!」


そう言い翠花さんは頬を近づけて俺のほっぺたにすりすりしてきた。こんなの反則だろ!これはもう駄目な領域に全身つかってる。うん、間違いない。


翠花「じゃあ体洗おっか。私が洗ってあげるよ」


抱っこされたまま洗面所に向かっている。翠花さんは風呂椅子に俺を座らせ、髪を洗ってくれている。


翠花「かゆいところはない~?」

真「はい…大丈夫です…」


嘘だ全然大丈夫じゃない。正直理性を保つので精一杯だ。髪を洗い終わったようだ。シャワーでゆっくりと流してくれている。


翠花「じゃあ今度は体を洗ってあげるね」

真「う…あ…」


もう無理こんなの。これ我慢できる男いるのか?いやいないと思う。…というかあんまし触れるのもまずいと思ったが…この人…おっぱいでかいな!?後ろから洗ってくれているがたまに当たっているんだよ…これを我慢は無理です。はい。


翠花「どうかな。私しっかりと洗えてるかな?」

真「え?あ、は、はい。大丈夫だと思います」


考えることが多すぎて彼女への返答が遅れてしまった。もう思考停止も致し方ないよね。うん。


翠花「じゃあ私もちゃちゃっと洗っちゃうね。少しだけ待っててね」

真「は、はい!」


翠花さんは洗うのがとても速かった。髪洗うのに45秒くらいだったんじゃないか?体も1分半くらいだ。ちゃんと洗えているのか心配なくらいに。


翠花「ふ~終わった終わった。じゃあもう一回お湯に入ろうね。今度は最初から一緒だよ」


翠花さんはもう最初から手を握っていて離さないと言わんばかりの力の入り方だ。


真「翠花さん…痛いです」

翠花「だってこうしないと離れちゃうでしょ?それは嫌だもん」

真「一緒にいていいんですか?僕…」

翠花「うん!大丈夫だからね」


そう言ってくれるからなのかちょっとした無茶ぶりを言ってみた。


真「じゃあ2個くらいわがまま言ってもいいですか?」

翠花「いいよ~。なんでもどんとこい!」

真「えと…翠花さんのことを翠花姉って呼んでもいいですか?」

翠花「え!!!?ああ、う、うん、大丈夫だよ」


完全に俺のわがままなんだが…翠花さんもこれはまんざらでもないようだ。実際姉のように慕えるくらいには尊敬できる人なのだ。


翠花「じゃ、じゃああともう一個はなに?」

真「いや、やっぱりいいです。忘れてください」

翠花「大丈夫だよ?遠慮しなくても」

真「いや、本当に大丈夫です」


これは本当に大丈夫なんだ。ただ一つ聞きたいことがあった。


真「大丈夫なんですけど…一つ聞きたいことがあるんですがいいですか?」

翠花「うん、なに?」


これに関しては真面目に聞かないといけない。それは…


真「翠花姉たちはなんで道に倒れていた僕の面倒を見てくれて、なんなら僕のために動いてくれるんですか?そこだけすごい気になってて」


そう。名前も知らない俺をここまで面倒を見てくれるのはなぜなのか。本当に気になってしょうがない。


翠花「ちゃんと理由があるよ。というのも私は前に教えた通り源一族の人間なの。その中で私は宗家の中の落ちこぼれ。あの一家では剣術の才能が全てなの。なのに当時の私には剣術の才能がなかった。だから私は真くんと同じ年くらいには家を追い出されたの。4歳の女の子が家を追い出されるなんて本当にあの家はだめ。そんな私を拾ってくれたのが蓮乃なの。彼女は分家なんだけど剣術の才能が一族全体で見ても最強クラス。12歳でもう一人で生計を立てれるレベルには動いていたらしくてこの屋敷も彼女が頑張ってくれたからある。その彼女に私は拾われ、剣術とかも教えてくれたし、いろんな教えを教わった。けど一番残っているのはこの言葉かな。『自分よりも恵まれていない人はこの世界に大勢います。そんな人たちを支えられるような人間になってください。』ってね。だから私はその教えを胸に刻んでる。それで初めてだったのが真くんだった。だから私は真くんの面倒をよく見る。その教えを遂行するためにね。これが理由かな」


…こんなものを聞かされるとは思っていなかった。軽い気持ちで聞いたつもりだったのだがな。彼女の人生はとても過酷なものだ。蓮乃さんがいなかったらおそらく今の俺は生きていない。彼女の教えがあるからこそ俺を助けたのだ。もう…この2人には頭は上がらないかもしれないな…


翠花「あっと。語りすぎちゃったね。少しのぼせちゃったかも。出る?」

真「は、はい」


一緒にお風呂を出た。濡れた髪を翠花姉がバスタオルでしっかりとふいてくれた。彼女も同様に髪をバスタオルでふいていた。そして脱衣場から出た。そしたら蓮乃さんがいた。


翠花「お先に。蓮乃」

蓮乃「はい。この後はいかがいたしますか?」

翠花「ううん、もう寝るよ。真くんと一緒に寝るから」

蓮乃「承知しました」


そう言い俺たちは別れた。歯磨きも一緒にして、本当に寝るだけとなった。そして彼女の部屋に入った。


翠花「さてと、明日からは稽古になるからね。しっかりと寝ようね」

真「はい。しっかりと寝たいと思います!」

翠花「うん、それがいいよ。おやすみ。真くん」

真「おやすみなさい。翠花姉」


明日から翠花姉との稽古が始まる。俺はどんな稽古をするのかわからない。だが俺はどんなものだったとしても必ずやり遂げる。やり遂げて…皇帝になり…彼女を守るんだ。



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