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前は王を目指していたが今度は皇帝を目指します。  作者: おかしなお菓子
第2章 鍛錬編

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第11話 翠花VS我流

翠花と我流と名乗る男の衝突により生じた衝撃波が収まったきた。それを見た俺はこう思った。


真{これが翠花姉と奴の実力…!はっきり言って俺じゃこんな戦いレベルの戦いなんて見ていいもんじゃない…神気すらも扱えない俺がこんな戦闘をみていていいのか…}

翠花「へえ、早いじゃん。てっきり体が大きいからパワー型かと思ってたよ」

我流「人を見た目で判断するものじゃないぞ?実際我はどちらかと言えばスピード型なのだからな」

翠花「ふーん、そっか」


2人が離れる。束の間の休息なのか2人は少し会話をしていた。


我流「貴様、刀を使うのだな。流派はどんなものだ?」

翠花「私は”覇王流はおうりゅう”。ていっても流派の技が大振りだから基本的には使わないかな。そういうあなたは珍しいね?三節混なんて」

我流「我はこの三節混を長く使っている。だが我が出身の国の皇帝も使っておるぞ」

翠花「三節混の使い手の皇帝っていえば…」

我流「デループス帝国の皇帝『常無とこなし 輪電りんでん』だな」

翠花「あなたデループス帝国出身なんだ」


デループス帝国という国があるのか。翠花姉や蓮乃さんがいるこの国”ヒーディキュア王国”に、俺や両親がいて、大厄災となって今は焦土となっている”シーバンス帝国”に続いて3個目の帝国名が出てきた。一体どれだけの数の国があるんだ。この世界には。


我流「と言っても我がいたのは20歳まで。それからは各地を放浪しておる。だがこの国で興した爆破事件。そこから我の生活は恐ろしいほど変わったがな」

翠花「そう。まあそんなこと私には関係ない。けれどあなたは事件とは別で私たちを殺そうとしている。私もあなたを本気で退けないといけないね」

我流「ふん。我も本気でいかねば死ぬのはこちらだな。手加減はせんぞ?」

翠花「もちろん。手加減して何の意味があるんだって話だよ」


2人は再度走り、今度はぶつけるのではなく、競り合いになった。お互いの武器が掠り、少量だが血が出ている。


我流「ほう。早いな?久しぶりだ。我から血が出るというのは」

翠花「そういうあなたも早いね。蓮乃と同じくらいかも」

我流「あの娘は強いだろう。獅道も闇の世界ではそれなりに名が広まっている。噂のルーキー程度だがな。そんな奴を無傷で退けたのだ。遥かなる強者なのだろう」

翠花「そりゃそうだよ。だって私の今のスピードは蓮乃から教えてもらってるんだから」


つばぜり合いをしながら二人はそんな会話をしていた。戦闘中にそんな会話ができるものか?俺なら絶対できない。だが2人ともスピードが落ちてきた。


我流「ふむ…競り合いでは互角か。では次は能力でいこうか。『骨粉塵こつふんじん』これはまだ序の口程度だ」


男の周りを白いなにかが漂う。そしてその粉全てが翠花姉に向かって飛んでいく。すると俺の周りを囲っている能力が動き始めた。能力が宙を舞い、そして俺はその能力の中にいるため、俺も宙に浮く。


翠花「使えるものは使わないとね!」


そう言い翠花姉は俺を囲むボールを俺もろとも振り回したのだ。まじかこの人。俺中にいるんだぜ?そんな乱暴にしなくてもうよくないか?だがそれが功を奏し、男の能力である白い粉は翠花姉には一粒たりとも当たることはなかった。


我流「ふははは!まじか、お前!」

翠花「でも、真くんはやっぱり蓮乃のところにいたほうがいいかな…」


そう言い俺は蓮乃さんのもとへ動いた。そして能力が解けた。俺は地上に足をつけた。そして翠花姉は再び男と向き合う。


翠花「それじゃあ…今度はこっちの番ね!」


そう言い翠花姉は辺り一帯に青白く、数式が書かれた帯を張り巡らせた。その帯は男の周りにもあった。


翠花「まだ私は攻撃はしていない。でもこれからする私の攻撃をあなたはどうするのかな?」

我流「はっ!こんなもの壊せばいいだろう!」

翠花「ふふ…やってみるといいわ!」


翠花姉は男の周りにある帯から数式を出した。その帯は一本一本が不規則に動いている。一直線に動くもの。Uの字に動くもの。それら全てが意思を持っているようだった。


真{あんなの全部捌けるわけがない…}

我流「我を…なめるな!『熱骨槌ねつこっつい』!全てぶっ壊してやろう!」


男は三節混をしまい、代わりに白色の大きなハンマーを出し、それを構えた。翠花姉は腕で帯を結ぶようなジェスチャーをとった。その直後、不規則に動く帯すべてが男に向かっていった。


我流「{すべて我に来ているな…好都合!}『破壊・絶骨(はかい・ぜっこつ』!!」


男は持っているハンマーを勢い良く地面に叩きつけた。その瞬間地面は叩きつけたハンマーを中心にひびが入り、赤色と白色の雷のようなものが走り、帯全てをパワーで落として見せたのだ。


翠花「ふーん、やるじゃん。でもそれで満足してなんていないよね?」

我流「ああ、もちろんだ。こんなもので満足するわけがない」

翠花「じゃあ今度はこっちで行ってみようか」

我流「なにを…ってうお!」


男の足元から帯が出現した。その帯に共鳴するかのようにほかの帯も現れ、その帯たちは男を空中に持っていった。男は宙に放り出されたのだ。


翠花「ここからは…空中戦だよ!あなたに捌けるかな?」

我流{くそ…まずいな。我は地に足をつけなければハンマーを使いこなせない。三節混にするか?いや、三節混でいっても結果は見えている…おそらく奴はこのまま俺を宙に浮かせ、そのままにする気だ。それに奴は帯を使えるんだ。この状況なら360度どこからでも帯で攻撃できる…今とるべきは…}

翠花「『空中散歩スカイウォーク』」


なんと翠花姉は空中を軽やかにジャンプし、男のもとへとゆっくり近づいていった。


我流「なに!?」

翠花「『しっかりと考えよ…思い込みを疑え』」


翠花姉が発したその言葉にはエコーが掛かっていてその場にいる全員に聞こえた。


真「蓮乃さん。今の翠花姉の言葉聞こえた?」

蓮乃「ええ…なんというか不思議な感覚ですね」

我流「どうなってやがんだよ!そんなんありえてたまるか!」


男は翠花姉がどんどん近づいてくることに取り乱していた。それでも翠花姉は近づいていった。


翠花「このままだとあなたは負ける。なにか行動を起こさないとね」


そう言った翠花は刀を抜き、男に迫っていた。


我流「もういい…俺のありったけだ!」


そう言い男はなにやら手でマークのようなものを手で作っていた。親指を除くすべての指が交差するような印だった。


翠花{印か…この男が持つ大技。どんなのが来る?}

我流「『禍骨棘域かこつきょくいき』!!!」


男から無数の針が飛び出した。大小さまざまな大きさの針達が。辺り一帯に棘を出していて、家屋にも刺さっている。その針達は翠花姉だけでなく、俺たちにもきていた。


翠花{ここまでの大技…防げるか…?いや…やるしかない…!}

蓮乃{まずい…翠花さまは攻撃態勢に入っている…防御の体勢をとらなければ万が一がある…!私たちはなんとかできるけれど…}

我流「死ね!全身に穴をあけてな!」

翠花「こんなもので…死んでたまるか!やってやる!」


そう言い翠花姉は空中で独特の構えをしていた。右手で刀を持ち、左手は握り、おでこにおいていた。翠花姉は目を閉じていた。その刀は緑色と黒色の雷を纏っていた。さらに、翠花姉が目を開けた。彼女の白い目が輝いていた。透き通るような輝きをしていた。そして刀を振るう…


翠花「『覇王流奥義はおうりゅうおうぎ覇神剣閃はじんけんせん!!!』」


雷のような轟音とともに回転しながら切っており、辺り一帯の棘すべてを粉々にしていた。そして回転が終わったあと、刀を男目掛け振り下ろした。男の両腕は…切り落とされていた。


我流「な…なに…が起き…た…?」


男は何が起きたかもわからずに地面に落下していた。


真「…すごい…きれい…」


俺は翠花姉の剣技に見惚れてしまっていた。剣を振るう彼女はいつもの顔ではなく、儚くも美しい、圧倒的な存在感を出していた。


翠花「久しぶりに使ったけど無事に使えてよかった。さてと…」


翠花姉は俺たちのもとへと降りてきた。


真「すごかった…すごかったよ!翠花姉!」

翠花「ふふ…ありがとう!わたし頑張ったよ!真くん!」

蓮乃「翠花さま、お疲れ様でした」

翠花「うん!蓮乃もありがとうね!」

蓮乃「翠花さま…彼はどういたしますか?」

翠花「殺してはいないから…まあ治療するよ」

真「え!?」


あれだけ殺しあったのに…治療をしてしまうのか?この人は優しいとは思う。だがそれに関しては違うんじゃないのか。俺はそう思う。


翠花「真くん。君が納得いかないような反応をするのもわかる。けど、私は絶対に殺しはしないって決めてるの。一部を除いてって感じではあるけどね」

蓮乃「彼のもとへ向かいましょう、翠花さま。彼がどうしているかわからないです」

翠花「そうだね。向かおう」


俺たちは男のもとへと向かった。


我流「{我は…負けたのか…そんな事実…!…なんだ?奴ら。こちらに来ている?}く…何をしに来た…どうせ…殺すのであろう?」

翠花「殺すなんて一言も言ってないでしょ?私たちはあなたがどうなっているかを確認しに来た。でもあなたはそのままだと死ぬ。そう思って私はあなたのもとへ来たの」

我流「何をする気だ…」

翠花「蓮乃、彼の腕を持って来て」

蓮乃「承知しました」


蓮乃さんは男の腕を切断面に合うようにしてつなげた。そして翠花姉はそこに緑色の光を浴びせた。光が男の腕を包み、そして…


翠花「よし、完璧」

蓮乃「さすがですね。違和感もありません」

我流「待て貴様ら…なぜ我を助ける…」

翠花「私が人を死なせたくないから。私は将来人の命を助けるような医者になりたい。そんな人間が人殺しなんてしてはだめ。だから私は戦闘になったとしてもその相手を治療する。もちろん契約は交わすけどね。中身は…わかるよね?」

我流「…ああ」

翠花「私に負けたんだから、これからは人を殺すことを禁ずる。いいね?」

我流「ああ{契約…本当に破ることは許されないな…一度破り死にかけたんだ。もうしないさ}」


男が了承し、男と翠花姉は握手をした。2人の間に十字架のようなものができた。男の手に十字架の紋章がついていた。


翠花「もう悪いことはしちゃだめだから。じゃあ私たちは行くね」

我流「…感謝するぞ。貴殿らにはもう頭が上がらんかもしれんな…」

翠花「その必要はないよ。けどあなたに自首をしろなんても言わない。これからは頑張ってね。あ、あと少しだけやりたいことが…」


そう言い翠花姉は男の手をひもで結んだ。そして男をカメラで撮った。何がしたいんだ?


翠花「これであなたはもういつでも私のもとへ転移させることができる。なにか悪いことをしたらすぐにでも呼び寄せるから。何もしなければ召喚はしないから安心してね」

我流「そんなことか。安心してくれ。生かされた身だ。なにもしないさ」

翠花「なら安心。これからは頑張ってね」

我流「ああ、では失礼するとしよう」


そう言い男はどこかへ飛んで行った。


翠花「ふー!終わったねー。疲れたなー」

真「お疲れ様、翠花姉」

翠花「真くん、ギューってしていい?」

真「え!?」

翠花「もうやっちゃえ!それ!」


翠花姉は俺に抱き着いてきた。本当に勘弁してくれ…。蓮乃さんは遠くから眺めているだけだし…。


だがこんなことをされるのも2人が戦闘に勝ったからこそできているんだ。本当に俺は人に恵まれている。俺はこんな二人に囲まれながら稽古できることに感謝でしかない。これからの稽古、すごい楽しみだ。


翠花「さてと、買い物に行こう!」

蓮乃「家に帰りますよ、翠花さま。我々戦闘をしていて服がほつれていたり返り血が服についていてこのまま買い物に行くとただのやばいやつです」

翠花「はーい…」

蓮乃「ご飯は奮発して高級焼肉と行きましょう。家にあるので買い物には行く必要もありません」

翠花「すぐ帰ろう!今すぐ帰ろう!夜ご飯が楽しみだ~。真くんと大食い勝負するぞ~!」

真「え!?ま、負けないよ!」


この日常を俺は壊したくない。だからこそ強くなる。あの2人よりも強くなる。そして今度は俺があの2人を守るような存在になる。そう俺は心で誓った。


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