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前は王を目指していたが今度は皇帝を目指します。  作者: おかしなお菓子
第2章 鍛錬編

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第9話 街探検とお買い物

翠花との稽古が終わり、道場から屋敷に戻った。リビングに入ると蓮乃さんがテレビを見ていた。少し難し気な顔をしていた。


翠花「蓮乃ー。戻ったよ」

蓮乃「あ、翠花さま、真くん。おつかれさまです」

真「どうしたの?そんな顔をして」

蓮乃「いや…このニュースを見てください」


ニュースのアナウンサーがこう言っている。


アナウンサー「ヒーディキュア王国・グラッド地方にて爆破事件が多発しています。組織的なものなのか個人でしているかはいまだわかっていません。住民の方々はお気を付けください」

真「爆破事件…」

蓮乃「しかもその事件の被害者にも共通点があるとされているんですよ」

翠花「共通点?」

蓮乃「遺体の四肢が爆破されたような痕跡があること。遺体の首があらぬ方向に曲がっていること。これが共通点とされています」


なんて情報だ。そんなの遺族がいたたまれないだろう。というかさらっとだがこの国の名前が出てきたな?まあ来てすぐだったこともあるし知らない名前もあるか。


真「ねえねえ翠花姉。ヒーディキュア王国ってのはこの国のこと?」

翠花「そうだね。この王国はヒーディキュア王国って言って、虹帝達エンペラーズの一人である『翠帝すいてい 橘仁たちばなじん』っていう人が治めているね」

真「翠帝…橘仁…その人は強いの?」

蓮乃「虹帝達エンペラーズに選ばれるということはこの世界でも強い8人のうちの一人ということ。いや、正確にはこの大陸内で、ですがね」

翠花「でも翠帝は戦闘に特化した人間ではないんだよ」

真「そうなの?」

翠花「うん。翠国は医療の技術が大陸内で最も高い帝国。帝国にいる人はみんなヒーラーのようなものだからね。それだけ医療に優れている国。そんな国の皇帝なんだから戦闘面も強いけどそれ以上に治療に特化した存在だね」

真「でも現象能力ザンバって珍しいものなんじゃないの?」

蓮乃「それは翠花さまだけですね。治癒に関しては神気の技術で代用可能です。難しい技術ではありますがね」

真「そうなんだ」

翠花「でも治療なら私は能力センスとしてある。ほかのみんなのような治癒とは比べ物にならないと思ってるよ」

真「能力があるのとないのとではそんなに変わるの?」

蓮乃「ええ。なんせ技術は能力があるので必要ありません。治癒にそのまま神気を流して治療することができます。能力がないと治療ができるように神気の波長を合わせないといけない。それが難しいんですよ。やはり能力があるのとないのとでは変わってきますね」


…神気の説明を受けてないから何言ってるかわからない。波長?とやらを合わせるのか。明日には翠花姉に教えてもらえるといいな。


翠花「蓮乃、ストップ。まだ神気の説明をしきれていないの。波長の話までいってないから」

蓮乃「そうなのですか?確かに真くんポカーンとしていますね。神気の説明は時間がかかるものですし仕方ないことですね」


そんな顔をしていたらしいな。みんなそうなるんじゃないかなこれに関しては。


蓮乃「さてと、真くんの街探検に買い物もあります。行きましょうか」

翠花「そうだね。あ、真くん着替えておいで」

真「うん」


そういえば稽古と言われていたから道着に着替えていたな。結局説明がメインで特に動いたってわけでもないが。そして俺は着替え終わり二人のもとへ向かった。


真「終わったよ」

翠花「お。似合ってんじゃん。かっこいいよ、真くん」

真「ほんと?ありがとう!」

蓮乃「真くんの着替えが終わったことですし行きましょう」


何気に初めてこの屋敷から出る。どんな地域なのかわかっていないが両親の家とあまり変わらないことを願う。そして翠花姉がドアを開ける。そこに飛び込んできたのは普通の住宅街だ。周りには電柱が連なっていたり電線があって前の土地と、なんなら前の世界とも相違ない。


翠花「んー!学校以外じゃ久しぶりに出たな~。3時ってこんな感じなんだ。真くんはどう?」


どう?と聞かれなんて答えればいいかわからない。少し戸惑う聞き方だな。


蓮乃「真くんは初めてですから。前の地域と比べどんな違いがありますか?」

真「いや、前の家とあんまり変わらないかも」


本当に変わっていない。よく見る光景だ。少し歩いてみようか


翠花「お、早速歩いちゃおっか。あ、こんにちは~!」


そう言い翠花姉はご老人に向かってあいさつをした。


ご老人「こんにちは~。翠花ちゃん。これからどこか行くの?」

翠花「はい、この子と一緒に街を散歩してそのまま買い物に行くんです」


そう言い翠花姉は俺の肩をポンポンと叩いた。

ご老人「あらそうなの~。元気ね~」

翠花「そんなことないですよ。お姉さんには負けますよ~」

ご老人「あらやだ。そんな冗談も言えるようになっちゃって!それじゃじゃあね~」

翠花「はい!さようなら~」

真「翠花姉、今の人は?」

翠花「この辺りの地区のまとめ役をしているおばあさん。昔はこの辺りのヤンキーみんな鎮めるくらいには強かったらしいよ?」

真「そうなんだ」


そんな会話を交わしながら俺たちはいろんな施設を周った。公民館のような場所、公園、小学校に中学校、翠花姉行きつけの本屋さんなど本当にいろいろな場所を周った。蓮乃さんが腕時計を見た。


蓮乃「真くん。この辺りの土地は大体わかりましたか?」

真「うん。大体わかったよ。ありがとう2人とも」

翠花「それはなにより!さてと買い物もあるよね。行っちゃおう」

蓮乃「そうですね。向かいましょう」


そう言いスーパーのように向かっている最中、黒いフードを被った男二人組とすれ違った。翠花姉と蓮乃さんはその二人組に目線を向けていた。彼らも同様にこちらに目線を向けている。だが何も言葉を交わすことはなく、過ぎていった。彼らについて2人が話し始める。


翠花「蓮乃。あの二人怪しいね」

蓮乃「ええ。なんというか胸が落ち着かないような二人組でした」

翠花「何もないといいけど…そうはいかないのもこの世界なんだよな…」


2人の会話に聞き耳を立てたがあまり芳しくない会話内容だった。そんな二人に俺は話しかけた。


真「2人とも。なにかあったの?」

翠花「今すれ違った二人組がね。少し怪しい雰囲気があったの。蓮乃も感じ取ってるからあの二人間違いないと思う。私あんまり戦闘好きじゃないんだけどな」

真「その雰囲気って神気じゃなくて?」

蓮乃「神気はやる気がなければできるものではないんです。知らない間にできたはありえないものです。そしてあの二人に神気は感じ取れなかった。つまりやる気はなかった。もともとあの二人がそういう雰囲気だったってだけならいいのですがね」

翠花「でも私はあの二人のうちの片方に目が合ったけどやばい目だよ。多分数えれないくらい戦闘をしたんだろうね。私らなんかよりも」


翠花姉がそういうんだ。戦闘を見たことはないが、翠花姉がそういうのだから間違いないんだろう。


???「やはりついてきて正解だった」

???「我々のことをそんな風に思っていたなんて心外ですね」

真「え?」

翠花「やっぱり来てたか。そんな気はしてたよ」

我流「とりあえず自己紹介でもしておこう。我は我流がると申す」

獅道「私の名前は獅道しどう。お見知りおきを」

翠花「私は源翠花」

蓮乃「私は源蓮乃と申します」

真「僕の名前は…んぐ!」


そう言い翠花姉は俺の口を手でふさいだ。なぜふさいだのだろうか。


我流「なんだ。そこの坊主の名前も教えてはくれんのか」

蓮乃{翠花さま…ナイスです…真くんの苗字を口外するのはまずいですからね…}

「この子はここから離れた場所で待機させます。どうせやるつもりなのでしょう?」

獅道「無論ですよ。我々に目をつけただけでなく悪口まで。生きて返しませんよ。そこの少年も一緒にね。」

翠花「そっか。私ら3人とも殺すつもりなんだ。悪口言っただけで殺すなんて短気もいいところだね」

獅道「なに?」

翠花「だってそうじゃん。悪口なんていくらでも言われるでしょ。それを少し言った程度で殺すなんて言ってちゃ短気もいいところだって言ってんの」

獅道「クソアマが!ぶち殺してやる!」


翠花姉はあおりがうまいな。奴の先ほどの口調はどこへやらだ。それをもう一人の相方が制止する。


我流「獅道やめろ。貴様はやはり短気が過ぎる。だが相方を侮辱されたこと。今に後悔させてやろう」

翠花「蓮乃、真くんを離れた場所に避難させて。あいつら完全にやる気になっちゃったっぽい」

蓮乃「承知しましたが…制圧できますか?あの二人を相手に」

翠花「頑張るしかないでしょ。弟を守るのも姉の務めだと私は思う。避難お願いね」

蓮乃「承知しました」


そう言い蓮乃さんは俺を抱えた。それをさせまいと男が手を突き出す。


獅道「させるか!『爆発エクスプロージョン』!」


あたり一帯が爆発した。それよりも先に蓮乃さんと俺は飛んでいたが…まさか…


翠花「やっぱり。この辺りの連続爆殺事件の犯人はあなたたちで間違いなさそうね」

我流「まあな。だがそれがなにかあったか?」

翠花「ニュースになってるあなたたちに彼は荷が重すぎるからね。あの子をを遠くに離す。そうしたら蓮乃は戻ってくる。それくらい待てるでしょう?あの子が来たら再開しましょう」

我流「それくらいなら待つ。実際我々も戦闘をしたいというのはあたからな、強い人間と戦えるというのなら我は…」

獅道「ざけんな!俺はもうやってやる!」


獅道はそう言い翠花に向かって走り出す。その光景を見ていた蓮乃さんは心配そうな顔をしていた。


蓮乃「やはり心配です…真くん。戦場にいられる覚悟はありますか?」

真「もちろんだよ!僕は強くなる。そして僕は皇帝になるの?あんな2人なんてことないよ!」

蓮乃「ふふ…そうですね。行きましょうか!」


そう言い俺たちは踵を返した。


真「翠花姉ー!」

翠花「真くん!?なんで…。蓮乃!なんで連れてきたの!?」

蓮乃「これは彼の意思です。皇帝になる。その決意で彼自身が戻りたいと」


そう言い俺は翠花姉に言った。


真「僕は皇帝になる!そんな奴があんな2人相手に負けてられないもん!」


それを聞いた翠花姉はうれしそうな顔をしていた。


翠花{ふふ…やっぱりこの子はなるんだろうなあ。でもこの場にいさせるのはよくないことも事実。どうしようか}

我流「おい、緑髪の。その少年はどうするのだ?この場にいるというのなら殺すが?」

翠花「…『モンティ・ホール』」


そう言い俺の周りを数字や記号が渦巻く空間に俺を閉じ込めた。


真「え?翠花姉!?」

翠花「真くん。君は王になる器。だからこそ死なせたくない。そして戦闘も見たことはないと思う。だから私たちが戦闘してるところを見ていて」


つまり見ていてはほしい。だが死んでほしくもない彼女がとった行動はどちらも網羅できる回答だったのだ。本当に頭が回るんだなこの人は。


我流「ではその少年を守り切れればお前たちの勝ちか…おもしろい」

獅道「我々を教材代わりに…どこまでもなめ腐ってやがる…」

翠花「さてと…やろうか。蓮乃」

蓮乃「はい。翠花さま」


4人が対峙し、戦闘の火ぶたが切られようとしていた__

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