プロローグ
人間誰しも一度くらい将来の夢ってのを考えると思う。
運動神経がいいやつはスポーツ選手に、画力センスがあるやつはアーティストになりたいと思うこと。これは必然だ。なれるかもわからないものでも幼少ならできると考える。これはみんなにあることだろう。
もちろんこう語ってる俺にも将来の夢はある。なんなら今からでも遅くないと思っている。その夢は…
「王様になること!!」
こんな夢を小学生から掲げていた。そしてその夢をかなえたい一心に今まで努力してきた。しかしどこまで頑張ってもその夢がかなうことなんて全くない。しかし俺は努力家なのだ。努力し続け、いつか報われる。
そうやって努力して40年。俺は一般企業についてはいるが、実績なんてなにもない。30歳からこの会社に入って15年。さすがにひどくね?そんな企業によく15年も務めているな。ほら、我慢強く努力家だ。
こんなクソ企業でも辞めることなくがんばっている。そうやってふけっていると、
部長「おい唐沢、なにをぼーっとしてやがる。とっとと営業にでも出向いてきやがれ!ていってもおめえじゃあなんもできないだろうけどな!がははは!」
唐沢「へへ…すみません…」
とこんなクソ上司がいつもこの俺に向かって話しかけてきやがる。お前なんかより俺のほうが偉いってのをわからせてやらないと気が済まないが我慢できる俺は耐えれる。
優しいこの俺は営業に行ってやった。手ごたえはあったからこれはいけたな。その営業の帰り道でポツリとつぶやいてしまった。
唐沢「こんな会社辞めてやろうかな…」
そうやって何回もこんな選択が浮かんだことがある。実際ブラック企業だこんな会社。しかしやめれない。その理由がある。両親がいるんだ。その両親が待つ実家に帰った。
唐沢「ただいまー」
母親「おかえりなさい」
実家に帰るっていってもそこから親と何かをするわけでもない。明日も仕事があるしとっとと寝る準備をしますかねえ。
唐沢「がんばれ俺!夢は寝て見るもんかもだけど起きて叶えることもできる!」
そうして消灯し、眠りについた…
唐沢「ん?なんか焦げ臭いような?」
そう思い起きると家が燃えている。
唐沢「は?何が起きてるんだよ!」
実家が燃えていて、もう消火器とかだとどうしようもないくらいに強い炎が家を包んでいる。俺の部屋にも火がきていた。
唐沢「やばいやばいやばい!どうしたらいいんだ!?」
あっという間に炎が眼前にせまる。
唐沢「もうこれ…どうしようもないのか?いやもうだめだ…死ぬ…怖い…嫌だ嫌だ嫌だ…こんな死に方嫌だ…痛い思いなんてしたくもない…」
そんな時ドア越しにドサッという音が聞こえた。
何かがあった。確実にそこにはなにかがある。俺が行けばなんとかなるかもしれない。
ーしかし足が動かない。焼死という死を前に動けなかった。
唐沢「助けたいのに…なにもできねえ…死ぬのが…炎が怖い…」
そんなことを思ってたらもうすでに全身を炎が覆っていた。
唐沢「うわああああ!!!!」
(このまま死ぬのか…将来の夢で「王様になる!」とか言ってたのに。やっぱりこの世界は残酷なんだ…勇気があっても結局動けないとなにもできない…けど…王様ってのになりたいなぁ。みんなにちやほやされるような王様に。…こんな世界だからダメなんじゃないか?こんな世界じゃなかったら。そうだ。この世界じゃなければいいんだ。魔法がある世界なら…!能力が使える世界なら…!そんな世界にいけば…!
そうしたら今度こそ王様になってやる。いや、王様なんてものじゃない。
もっと上だ。よし決めたぞ…俺は次の世界で…
皇帝になってやる!!!
___その瞬間、意識は闇の中に落ちた。




