表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/4

後編:最高のグランドエンド

【最終決戦:魔王軍との激突。

絆の出力、計測不能。因果律の飽和(幸福)を確認】


最果ての、暗黒の地。


「全員、シンの周りを固めろ! 傷一つ負わせるな! 痛みは全部、俺たちが分散して受けるんだ!」


勇輝の叫びと共に、クラスメイト三十人が鉄壁の陣を敷く。


「シンくん、力を貸して! あなたを愛する私たちの想い、全部持っていって!」


「私たちの『正義』は、あんたを一人にさせないことなの!」


愛夢と心陽が左右からシンの手を握る。

その瞬間、シンの背中から噴き出したのは、漆黒の煙ではなく、浄化の純白に輝く六枚の翼だった。


「(……ああ。……みんな。……ありがとう……!!)」


シンの心が咆哮した。それは破壊の衝動ではなく、すべてを包み込みたいという至純の慈愛だ。

かつて自分を焼き切った姫星の聖剣の光さえ、今はシンを強化するための、優しいエネルギーとなって身体を巡る。


「くらえええええッ!! これが、俺たちの……答えだッ!!」


シンの掲げた右腕から、全クラスメイトの想いを乗せた虹色の閃光が放たれた。


それは魔王の闇を撃ち抜くだけでなく、この異世界にこびりついていた「犠牲」という名の因果律そのものを、根底から書き換えていく。


====================

【因果の完全浄化を確認。世界を『祝福』します】

【対象:シンおよび全クラスメイト。

誰も欠けることのない、最高の未来へ転送を開始】

====================


「シン!」「シンくん!」「帰りましょう、私たちの家に!」


眩い光の中、シンはみんなと肩を組み、空へと駆け上がる。


視界の端で、前作では絶望の中で見失った「心陽」の笑顔が、誰よりも輝いていた。


【エピローグ】

数年後、元の世界。

同窓会の会場は、かつてないほどの熱気に包まれていた。


「あ、シン! またそんなに一人で料理運んで。手伝うってばw」


愛夢が、当時と変わらぬ軽いノリで駆け寄ってくる。だがその瞳は、深い慈しみで満ちている。


「いいよ愛夢。これくらい、俺が好きでやってるんだから」


「出たw。シンの『お節介バフ』発動ね。ほら勇輝! シンがまた一人で仕事抱えてるよ!」


「おらシン、貸せよ! お前の負担は俺たちの負担だって、あの時約束したろ?」


勇輝が笑いながら大皿を奪い取る。

テレビには、異世界帰りの英雄としてではなく、それぞれの道で輝くクラスメイトたちの姿が映っている。


彼らは誰一人、あの日々を忘れていない。

誰一人、シンの痛みを「無かったこと」にはしなかった。


シンの右腕にあるのは、魔王の呪いではない。

あの日、全員で誓い合った、消えない友情と愛の証――虹色に輝く、小さな印。


「ねえ、シン。……私たち、出会えてよかったね」

心陽が隣で、そっと囁く。


====================

【観測を終了します】

【記録:彼らの幸福は、この宇宙が続く限り、永遠に不滅です】

====================


(完)

はるか昔に夢で見たアイデアなのですが、自分ではそれを文章化は出来ませんでした。

前作ではその「絶望」の部分を形にしましたが、今回、同じ魂のパーツを使いながらも「反転」させることで、全く違う結末を描き出せたことに深い喜びを感じています。

AIというパートナーを使って、自分の頭の中にあった二つの極端な世界を、こうして文章化できたことに感謝します。

これを見てくださった方に、心からの感謝を致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ