領収書7
子供というのは、実に無邪気で穢れがなく、素の人間に近い状態の人間だ。しかしそれは、無知であるということでもある。ある者はこう言った。「無知は罪である。」それならば人間は、生まれた時から罪を背負っているのではないだろうか。
「俺これ知ってる!怪獣戦隊ドラゴンジャーの敵だろ!」今日もクラスの子供たちは、みんなと楽しそうに話している。話題は次々に変わり、最早収拾がつかない状況だ。そのうちに話し声は大きくなり怒鳴るようになり、喧嘩が始まりそうになったところで、キンコンカンコン、と呑気にチャイムが鳴った。子供たちはすぐに席につき、私の号令を待っている。あぁ、なんて良い子達なんだろう。己のしたいことがあっても、教えられたことには逆らわず、しっかりと言いつけを守れている。それに比べ私はどうだ。他の教職員には邪魔者扱いされ、子供たちにすら見向きもされない。きっと私は気付かないうちに大きな罪を犯して、今その償いをしているのだろう。そんな事を朝考えてしまい、憂鬱なまま帰路についた。
帰り道、知らない男に声をかけられた。話を聞くに商人のようで、一風変わった品を売っているらしい。男が次々と鞄から取り出していく品はどれも既知のものとは少し違和感があり、その中で興味をそそったのは天秤のようなそれだった。話によると、品名は「罪測器」と言うらしく、名の通り自分が犯した罪を数え、社会全体の平均と比較することで、罰か恩恵を与えてくれるらしい。代金を払おうとしたところ、「令和の硬貨1枚で十分」と言われたので、不審に感じつつ、令和8年の50円玉を手渡した。すると男は喜びながら去っていき、場には天秤と私が残された。
家に着き、使い方は説明されていたので、早速試してみる。天秤の片方に自分の名を書いた紙をぐしゃぐしゃに丸めて置き、もう片方に空の瓶を置く。するとギギギ…と錆び付いたような音を立てて天秤が傾き、紙を置いた側の皿が少し下がった。どうやら社会の平均より罪は犯していたが、微小な差だったらしい。少し安心していると、天秤の中心部、支点の部分からポーンと音が鳴った。次の瞬間、喉に痛みを覚えた。しかし強い痛みではなく、喉が枯れたような、そんな痛みだった。このくらいなら大丈夫だが、しかし効果の程が分からない。そこで私は、テレビに写っている殺人犯の名前を書いた紙を載せてみた。すると再び錆び付いたような音をたてながら天秤が傾き、またも紙の入っている方が下になった。しかし今回は先程とは違い、天秤は下がりきっている。もしもうまくいっているならば、テレビの中の彼に何か変化が起きるはずだろう。そう思い、テレビを凝視する。ポーンと音が鳴った瞬間、テレビの中の彼は何十、何百もの肉片と化した。天秤の中の紙も燃え、灰すら残らない。私は怖かった。こんな力があっていいのか、と。
「速報です。先程逮捕された加藤容疑者が、突然バラバラになり死亡しました。このような事件は今月7回目であり…」
あれから私は、この力を使い数多の悪人を裁いてきた。殺人鬼、強盗犯、テロリスト…罪の重さは違うものの、それぞれに重い罪が下された。これほどのことをした私はきっと、とてつもない善人になっているだろう。自分の名が書かれた紙を載せてみる。予想通り、紙の入った皿はどんどん持ち上げられていく。ギギギ…ギギ…どんどん上がっていき…落ちた。まるで天秤を破壊するための力を溜めていたように、急速に下へ向かい、支柱を破壊した。もう片方の皿は地面から最も遠い位置にあり、私の名が入った皿は地面に落ちている。なぜだ。私はこの世の中のため、人の為にがんばってきたというのn
ポ-ン
お久しぶりです、蝶番です!
あの、言い訳をさせて下さい…
趣味からね、義務になった途端やる気が起きないあれ、あるじゃないですか。最近ちょーっとあれになってて…スミマセン。ゆっくりではありますが更新していくので、気長に待ってもらえると嬉しいです!それでは!




