領収書-1 魂の依代(試作品)
注意
この領収書の一部は、現世の生物が使い方を分からないように黒塗りにしてあります。
幽世の商品を見つけた場合、速やかに連絡をお願いします。
彼女は、とても美しかった。
薄紅色の唇、透明感のある肌、まるで烏貝のような黒髪。どこを取っても、容姿端麗な少女だった。
昨日、彼女は戦死した。私が傍についていても、『灰憑き』にとっては些細なことだったのだ。
彼女は、いつものように軍を統制していた。よく通る、大きな声だった。男どもの声とは違う、力強くも美しい声だった。辺りには、燃やした燃料の灰と砂塵が舞っていた。
彼女の胸から血がどくどくと溢れ出す。真っ白な軍服がアカく染まっていく。私は救護班を呼び寄せる。彼らが手当し始めた時、再び乾いた銃声と、鮮血が吹き出した。胸を撃ち抜かれてなお彼女が指示をしようと、頭をあげた所だった。もう助からない。彼女の遺体は埋葬された。
私が絶望に暮れている時、どこからともなく放浪商人が現れた。私にはもう、銃を抜く気力も残っていない。商人が喋る事も、殆ど聞き取れなかった。ただ、「生き返り」だけは聞き取れた。その女の話によると、「魂の依代」を使えば、彼女を生き返らせることが出来るらしい。私は藁にもすがる思いで、まだ試作品のその商品を買い取った。説明通り、ある程度人の形に捏ね、███を行った。すると、先程まで灰色だった塊が、何色にも別れ、ヒトのようになっていく。
彼女の姿が再び見えた時、私は両断されていた。試作品であったが故、彼女の内面は回収できなく、厳しく冷酷な表面だけを写してしまったのだろう。まぁ、彼女に殺されるなら本望か…薄れゆく意識の中、そんなことを思った。
何故だ。何故私は生きている?あの時、私は胸と頭を撃ち抜かれて死んだはずだ。思い出せない。敵はどいつだ。わからない。ならば全員殺すまで。
軍人達を殺し終えた後、彼女はわたしのほうを向いた。何故わたしが最後に残されたのかわからないが、丁度いい。█を召喚し、彼女を拘束する。暴れる彼女を横目に、「██安定装置」を起動、鎮静化された彼女の███を改竄する。
「なぁ、大佐ってなんでそんな軍人はんみたいな格好してるんや?」
彼にそう聞かれた時、すぐに答えることが出来なかった。自分でも何故こんな格好をしているのかわからないからだ。なにか大切な事だったような、そうでないような。悩んだ末、諦めた。「お前には関係の無い事だろう。さっさと品を売ってこい。」少し不貞腐れた態度の彼もまた、私と同じ商人である。
こんにちは、蝶番です!
投稿遅くなって申し訳ありません…実は早くもスランプでして(笑)そして書き始めてから思ったのです、「なぜ商人ではなく大佐の方を深掘りしようと思った??」と。全くの無計画で書いてるので、順番がぐっちゃぐちゃなんですよ。
最後に、読んでくれてありがとうございます!いつ出るかわかりませんが、次の話も楽しみにしておいてください!




