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領収書1 タヌキモドキの皮

注意

この領収書の一部は、現世の生物が使い方を分からないように黒塗りにしてあります。

幽世の商品を見つけた場合、速やかに連絡をお願いします。

「これ、なんですか?おじさんは誰?」

私が道を歩いていると、小学生ほどの子供が話しかけてきた。

「これはな、タヌキモドキっちゅう生き物の皮やで。あとおじさんじゃなくておにいさん、な」

話し終わった時には、既に子供は興味を無くしていた。その代わり、警察官が話しかけてきた。

「聞いたことない生き物ですね。そんな物をもってなにしてるんです?」

「もちろん商売に決まっとるやろ。これは凄い代物なんやで〜?どや、おにいさん買うてくれへんか?」

こちらも話し終わった時には、別の業務を始めていた。

なんや、しょーもないなぁと愚痴を零しながら、私はまた道に沿って歩きはじめる。「タヌキモドキの皮」。元来狸は何かに「化ける」と言われてきた。化ける生き物に擬態したタヌキモドキも、もちろん化けることはできる。

いっそのことウチが自分で買ったろかな、など考えながら公園で座っていると、高校生くらいの集団が集まってきた。

「お兄さんなんでそんな格好してんの〜?目も綺麗だし髪も真っ白だし、ちゃんとした格好すればきっとモテるよ〜?」周りの女子と笑いながらこちらを見下ろす。「ていうかお兄さんそれなに?見して!」と、奪い取るように皮を持たれる。「それ売りもんやからこわさんとってな!?」女子達は聞く耳を持たない。

「それはタヌキモドキっちゅういきもんの皮やで。それをまとえば好きな姿になれ…」そこまで話した途端、大きな声に遮られた。

「えーなにそれちょーいいじゃーん!これ使えばメイクとか要らないってことでしょ!?」耳の痛みに耐えながらせやで、と返すと、「じゃあこれ私が買ってあげるよ」と。

「まいどあり。お代は…せやな、表情だけみしてもらうわ」

「なにそれきもっ!まぁいいや、じゃあね〜おじさんっ!」ギャハハと笑いながら去っていく集団におにいさんじゃアホ!と返し、そういえばあの子らは最後まで説明聞いてたっけな、と考える。しかし伝えようと思った時には、彼女らの姿はもう消えていた。


友達と別れ家に着き、そういえばおじさんからなにか貰ってたな、と思い出す。床に皮を広げ、説明書きを読む。「すぐに変身!タヌキモドキの皮!これを身にまとい██████と唱えるだけで、理想の姿に!(注意 理想には代償が伴います。)」

ふざけた説明だ、と思いながら、皮をローブのようにしてみる。思ったより重く、まるで水を吸ったカーペットのようだった。

美肌で若々しいはだを想像する。

「██████!」全身が締まる感覚の後、すっと軽くなる。

体を見てみると、前より肌が艶々しく、綺麗になっている。

「なにこれすごいじゃん!あのお兄さんペテン師じゃなかったんだー。それに、説明書にあった『代償』?もないし、最高!」ふと鏡を見て気付く。服で隠れた部分と顔は、いつものままの肌だ。もしかしてと思い、もう一度██████と唱え、皮を脱ぐ。服を脱ぎ、頭の上から皮を被る。

今度は、わたしの好きなキャラクター、りりたんをイメージする。小さな身長、かわいいピンク色の2つ結び、真っ白な肌。わたしとは大違いの、とってもかわいいりりたん。ああ、わたしもあの姿に、みんなにちやほやされるような姿に、

「██████!」


突如、体からメキメキという音と強烈な痛みが沸き起こる。髪の毛もまるで無理やりちぎられている様な、そんな感覚だ。肌という肌に皮が吸い付く感覚。まるで押し縮められるような痛み。全身の強烈な痛みに、わたしは声も出せなかった。


数分後、痛みがおさまる。身体中痛くて呼吸もままならなかった時間が終わった。なにこれ、と思いながら鏡を見ると、そこにはわたしが望んだ「りりたん」の姿があった。大喜びし、一通りポーズとセリフを試す。あの時の痛みなど忘れたように感じてしまう。

さて、一通り遊んだし、学校行かないとだから元の姿に戻ろう。「██████!」

しかし何も起こらない。おかしいな、と思って何度言っても戻らない。

突如、皮膚が崩れ出す。まるで経年劣化した剥製がちぎれるように。あの時よりはマシだが、酷い痛みだ。

皮膚が剥がれ、筋肉が崩壊し、骨が砕ける。


また数分後、わたしは部屋の隅でうずくまっていた。



「なんやしょーもないなぁ。1回で崩れるんかい。」

向かいの家の屋根から見ていた私は、少し落胆する。

「まぁでも、ええ表情も見れたしよかったわ。ほんま、かいちょーの説明書が雑やから説明したろおもたのに聞かんねやもん。今回はウチは悪くないで。ほな」


タヌキモドキの皮。身にまとい██████と唱えれば望み通りの姿になれる。しかし、あくまでタヌキ「モドキ」の皮、ホンダヌキのものより劣る。姿が変わる時痛みを生じ、あまりに変えすぎると戻れなくなる。この商品を販売する時は、必ずその旨を伝えること。

初めまして、蝶番です!

今回から描く(つもり)のお話、「異界商品取引禄」はいかがだったでしょうか?コメントなどで教えて頂けると嬉しいです!

実は今回の商人、名前がまだないんですよね。見た目は決まっているのですが、、、

あ、見た目ですか?白い髪の毛に、真っ黒な瞳。身長は160後半でしょうか?見た目的には20代後半ですが、実年齢は150歳越えですよ!御札が3枚貼られた赤黒いフードに和装、懐には█の塊をしのばせてます!


後書きが長くなりました、すみません!それでは次の領収書でお会いしましょう!

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