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森と湖と砂漠  作者: まある
7/25

お掃除デイ

目の前にある木桶をみると、たっぷりなお水。


あれ?

ずっと放置プレイをしていたわりには、ホコリも浮かず、ボウフラもわかずきれいですね。うん。これは利用すべきでしょう。私は、ヨッコラショッと木桶を台所に運び、ログハウスの中の掃除を始めました。

で、ですね。


なんじゃこりゃー。


と叫ばしてくださいよ。木桶の中の水が汚くなったので、外へホリャッと水を撒いたのですよ。ええ、それは見事なほどの放物線を描いてですね、惚れ惚れするほどでした。で、問題はここからです。


さて、湖に水を取りに行きますか。と木桶を持った瞬間。


うえっ?


やけに木桶が重いではないですか?

確か木桶は空っぽなはずです。ほら、見てくださいよ。庭の草がキラキラしているじゃないですか!


何度見ても、木桶の中にはたっぷりの水が入っていました。

やだよ。やだよ。白亜さん。疲れで自分のしたことを忘れるなんていけない子。


ジャバーッ。


・・・・・・・・・。


マジック、ミラクル、エキサイティング!


やっぱり、木桶の中に水はタプタプしていました。ここは一発ですねえ、やってみましょう。私は、木桶を手に庭に降り立ち、


「どりゃっ。」


の掛け声と共に、木桶をひっくり返しました。すると、


ズバババー。


豪快に滝のように、木桶から水が流れ出し、あなたもう私の体水浸し・・・・。なにに驚いていいのか・・。


アハハハ・・・・・。


空の笑いしか出てこない。

OK OK 消えない火がありゃ、尽きない水もあるってことね。突っ込みどころ満載ですが、「世の中には、解明できない謎の一つや二つあってもいいじゃないのさ。」と結論づけました。


あーあ。


服どうしましょう・・・・。セクシーな上に、水浸し、悲惨この上ないですよ。水も滴る、なんて口が裂けてもいえないです。濡れねずみ状態です。


トホホッ。


水もたっぷりあることだし、お風呂場で体を洗ってしまいましょう。

着替えは? 二階のクローゼットと箪笥を開けてみましょう。家主さん、お借りします。




私は、濡れた服を脱いで、ほぼ下着の姿でクローゼットの前に立ち尽くしました。もう、願掛けに近いものがあります。クローゼットの前で、パンパンと手を打ち、


「どーか服がありますように!」


クローゼットの中は、色とりどりの絹の着丈の長いスリップワンピースがずらりと並んでいました。それに、コートが数枚。


あのですね。女物ばかりで大変助かりました・・。でもですね。ここの家主さん。どんなお嬢だったのですか?

森の中でスリップワンピなんて、あなた似合わないにもほどがありますよ。この格好で、外を歩いていたんですか?


いや、勝手に使わせてもらう立場です。突っ込んではいけません。


クローゼットの下段には、これまた絹でできた下着。ゴムが使われていない紐タイプです。おーどれだけナイスバディな体をしていたのですか!


白亜。だめです。突っ込んではいけません。使うのです。これらを私が使うのです!


そしてその下には、膝下の皮の靴が数足とサンダルが並んでいました。


ああ、一仕事終わったかのような疲れです。ここで終わらせてはいけません。まだ横に大物が待っています!

私はいきごんで、隣の箪笥を開けました。


良かったです。こちらには、普段着が入っていました。チェニックタイプの長袖の服。紐で縛るズボン。セーター。木綿のワンピース。


それにしても枚数がかなりありますし、種類も豊富です。何年にも渡り、こちらに住んでいたのでしょうか? あと、ここの家主さんは、女性ですよね?


・・・・・。


だれか「はいそうです。」と返答ください。線の細い男性とかじゃないですよね? 山の中で、女装をしてすごすのを楽しみにしていたとか?


・・・・・・・・・・。


ええい! 男性でも女性でも、ありがたく使わせてもらうんだ!

ここは、感謝だ感謝!

マイペースな娘さんです。

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