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森と湖と砂漠  作者: まある
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大事なのは水

私とジェライドが、洞窟へと足を向けると、ワラワラと人が集まってきました。

そして私の目の前に跪き、


「お許しを・・・。」


ジェライドは、皆に何かを言おうとしたけれど、私は彼の行動を制止した。

彼らは、何を望んでいるのでしょう。それは・・・・。


「貴方達を許します。」


静かに力強く言います。すると皆は、顔を上げて、心底安堵しました。


「でこれで、終わり。皆、立つ。私、神、違う。貴方達、友達。」


私の言葉に、皆にどよめきが走ります。それでも私は笑顔を向け続けます。


「友達、違う? 私、怒る。とーっても、怒る。」


すると、跪いていたギッタが肩を震わせて笑った。そして立ち上がり、私の頭をポンポンと叩きました。


「皆、立てよ。ハクアがこういっているんだ。」


皆が立ち上がり、私を取り囲んだ。


「ハクアとともにいさせてください。」「バカね、あんた。」「ねえちゃーん。」

「ありがとう。」「怒る?」


口々に言いたいことをいってきた。私はボロボロと流れる涙を止めることなく、


「ありがとう。」


彼らの思いを切り捨て、私の我が侭を受け取ってくれたことに感謝をしました。


「こちらこそ、本当にありがとう。私達は、あなたによって救われた。」


彼らは、長い間救いを求めてきました。私のたった一言で救われるのであれば、何度でも言うつもりです。が、神の使いだけは、断固拒否です。



さあ、根競べの始まりです。








「そら。」 「らだ。」 「ダイナマイトボディ」


「それなに?」


「あっ。ごめん。知らないね。えっと、ダンゴムシ。」


「・・・・・。だから、それなに?」


私は、村の男性二人を引き連れ、遺跡へと帰っています。帰る道、時間がもったいないとのことで、「異世界語版しりとり」を決行! なんですけれども、私の言う単語は全部当てはまらず、結局一から説明をするはめになりまして、なかなか進みません。


その様子を笑って見ているジェライドさん。まるで縁側にいる、おじいちゃんのようだよ。そして、突っ込み担当のネルド君。私よりも年上なんだけれど、なんかこう、からかいやすいんですよ。


いけないハクア! 年上を手玉に取るような真似をして、お父さんに怒られます!


さて、彼らは森の中に入れません。だから、遺跡で一晩を過ごします。そして翌日に、大量の荷物を持って再び、村に帰ります。この往復はかなり大変ですが、何が良いかといえば、水浴びができることと、お腹一杯、食べることができます。そう、夕飯は私がご馳走をします。温かい夕飯を目の前にしたときの彼らの驚きの表情。可愛らしかったですよー。そう、魚も驚いていました。村の皆にも早く食べてもらいたいですね。


3人がかりで運ぶので、色々な物を村に持っていけるようになりました。

衣類やら、鍋やら、皿、本等。森から村へと移住しそうな勢いです。衣類は、女性用しか用意できませんので、「のぞみ君」頼んで、布を用意してヌイヌイしています。でもこちらの男性は、基本上半身裸なんですよー。ってそう。あのとき、私が大混乱をしたとき、私ったらなんの恥じらいもなくジェライドに抱きついちゃったんですよ。ああいうものは、後からきます。後から思い出して、ウヌォーと頭を抑えてベッドの上をゴロゴロ転がってしまいました。


こうやって、大人の階段を上っていくんだー。感心するとこじゃないって?


食料に余裕が生まれると、私自身が村に泊まれるようになりました。随分と体を休めることができて楽ですし、彼らと語らう時間もぐんと増えました。


ということで、村の皆様のご紹介です。


最年長のおばあちゃんである、ルナゴルダさん。

ご夫婦は、2組いてですね、男の中で最年長のギッダさんとロルナさん夫婦。

カシヒさんとテポナさん夫婦。そして長女のイスナちゃん。

男組み三人衆の上から、ネルド、ジェライド、スホヒネ君。

孤児である、チーネちゃんとリアちゃん。

の11名です。

私は、洞窟に一室お部屋をもらいましたが、チーネちゃんとリアちゃんが入り浸っています。

一人でいるより、愛でる人間がいたほうがうれしいので、私的には、ドンと来いです。でも。ちょっと、ジェライドが寂しそうな目線を送ってきますが、チーネ&リアコンビの気迫に負けているようです。


シスタニタータの長老は、おばあちゃんですが、まとめ役はギッタさんです。

私は、皆と仲間として過ごすことを決めてから、この村を立て直すために何が必要か話し合いを持つことにしました。まずは、トイレの設置。村で泊まる上で何に悩んだって、あなたトイレですよ。

でもこれは、衛生上からいっても大切なことですよー。後々、畑を作るのにも肥料になりますしね。


で問題なのは、水。生活をしていく上で水がかかせません。

井戸の水はもう枯れています。作物を育てるにも、体を洗うにも、食事を作るにも、全てに水が必要です。このまま森と村を往復し続けることでは、解消できない問題です。私は頭を悩まし、ある結論に達しました。


そう、「のぞみ君」の出番ですよ。







ちょいと明るさを取り戻した主人公。頑張れ。

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