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森と湖と砂漠  作者: まある
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迷い子の苦労2

 和んでいる場合じゃありません。頭をかすめる夕方のニュースいや、朝ですか?町村の皆様方の大捜索。果ては、ヘリコプターがバラバラと空を飛ぶ?


泣けてきます。いや、すでに泣いていますって。


過ぎていく時間に、いくら能天気の私でも危機感をつのらせます。このまま夜を迎える?獣は? 狼っているの? いのししとかく、くまー!

ああ、出会えば天国に召されること間違いなし。雨が降ったら? まだ5月、朝は冷えます。凍死ですか?


いやだ。お先真っ暗じゃないの。

どうしよう・・。このままここに留まるべきでしょうか? 移動するべきでしょうか?


ふもとに降りていけば、携帯が繋がるかもしれない。暗くなってから、足元踏み外して崖から転落なんて痛すぎます。動くなら、今ですね。所々に、人為的に蔦を絡ませながら、彷徨い防止&人が気づいてくれるかもです。

よし、根性入れなおして進みますよ!


私は、長い棒を持ちつつ足元を確認したり、枝に張り巡らされた蔦を掻き分け一歩一歩踏み出しました。


二時間以上歩いたでしょうか?

平らな土地にでたのはいいのですが、今度私を悩ませたのは、胸の高さまで生えている草。


草原?


非常に歩きにくい上に体力を奪って行きます。私はですね、目で捉えられないものに恐怖を抱きます。


蛇とか蛇とか蛇とか・・・。


イヤですぅーーーーー。


ハア、ハア。落ち着け私。


それにしても狭い日本に開拓されていない場所があるのですね。

ええい、感心している場合でも蛇に恐怖している場合でもありません。もう、日が暮れ始めてきました。さすが頑張り屋さんで通っている私でも、心がシャープの芯のようにボキボキと折れそうです。


それでも希望が見えてきました。遥か先に、木々の隙間からキラキラ光るものを見つけました。


あれは、水色?


川のせせらぎの音が聞こえてきません。では、湖、池?


私は、ようやく違う景色に喜びを感じて、先を急ぎました。歩く中、再び木が点々とあり草も低くなってきました。


大きな湖に出会いました。


主人公は能天気です。

そして当分、第三者である人間は登場しません。

当分・・・・。本当に遥か先です。

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