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これは彼が白き名を貰う前の物語。若きガーランドの記憶の一部である。

作者: 転移野郎

これは「異世界転移したら、私が弟子になっていて、のんびりスローライフを送っていた。」の外伝物語である。その中の登場人物の「記憶」の断片なのだ。


今宵はあなたは、その「断片」の一部を見る事になる。


まだ…。あの少女と出会う前の物語…。そしてあの住人達と出会う前の物語…。

「異世界転移したら、私が弟子になっていて、のんびりスローライフを送っていた。」外伝編。


彼は第24話で自らの真の名を明かした。その名は「ガーランド」。今宵の物語は、彼の記憶の一断片として記録される。これは紛れもない彼の記憶なのだ。


この物語は、あるテンプル騎士の若き日の物語である。その主人公の名はガーランド。本稿は、若き日のガーランドを主人公とした物語である。


ガーランドには「師」と呼ぶべき人物がいた。その名はオーランド騎士。オーランドはテンプル騎士団の団長を務める最強の騎士であった。テンプル騎士団とは、修道会に属する宗教騎士団であり、そのスローガンは「キリストとソロモン神殿の貧しき戦友」である。彼らは修道者でありながら、王の護衛や巡礼者の守護を担う神に仕える騎士である。


テンプル騎士団は当初、貧困な騎士団であった。あまりの貧しさゆえ、馬1頭に2人で乗って移動することもあった。しかし、時代が経つにつれ、テンプル騎士団は「最強の修道騎士団」として名を馳せるまでに成長した。その「一頭二人乗り」は、後に騎士団の紋章として刻まれることとなった。


オーランド騎士「ガーランド、何をしている!?」

師は厳しくガーランドを叱責した。

彼は馬に乗って移動を開始していた。


ガーランド「こちらは徒歩です、師匠!」

彼はおそらく15歳ほどの青年従者であろう。この頃のガーランドはまだ白髪ではなく、若々しい姿であった。


オーランド騎士はさらに言葉を続けた。「すでに王の軍隊が集結している!」

彼は馬を早足にし、構うことなく前進を始めた。その後ろからは、テンプル騎士団の部隊がオーランド騎士を追従していた。オーランド騎士はつぶやく。


オーランド騎士「ガーランド、我が部隊と来い! わしは先に王に謁見する!」

そう言うと、彼は馬を駆けさせ、みるみるうちにその姿は小さくなっていった。


場所は不明。舞台は平原。晴天のもと、小国同士の戦争が繰り広げられていた。オーランド騎士は、その小国の王に仕えるテンプル騎士団の一団を率いていた。部隊の規模は約200人で、全員が重装備を身にまとっていた。


ガーランド「置いていくのですか! 鬼ですか!」

彼は叫んだ。その声に反応し、後ろから拳骨ゲンコツが飛んできた。テンプル騎士団の一団がガーランドを捕捉したのだ。


歴戦のテンプル騎士「これ、隊列を乱すな!」

拳骨をくらわせたのは、歴戦の騎士であった。


下級テンプル騎士「ガーランド、少しは学べ!」

この下級騎士はガーランドと親しいようで、まるで親友のように話していた。


ガーランド「何? フロルド爺さん? ダニエルか!」

ガーランドは頭をさすりながらつぶやいた。拳骨ゲンコツを受けた彼は、半分涙目になっていた。


フロルド「爺さんとは何だ! まだ若いぞ!」

歴戦のテンプル騎士の名は「フロルド」であった。フロルドが反論した。


ダニエル「見ろ、騎士団が睨んでいるぞ! お前のせいだ!」

下級騎士の名は「ダニエル」。彼はガーランドの戦友でもあった。呆れた表情でガーランドを見つめた。


ガーランド「何だよ、師匠が先に行ったんだぞ、ダニエル!」

ガーランドは反論した。彼は一刻も早く追いつきたいのか、部隊から抜け出してしまった。


テンプル騎士団の隊列は、上級騎士、中級騎士、下級騎士で構成されていた。従者は荷台馬車の護衛を担当していたが、ガーランドは命令を無視していた。


上級騎士は、歴戦の勇士たちで構成され、重装備を身にまとっていた。約100名で、馬も馬鎧で固められていた。全員がヘルムを被り、上半身には鎖帷子と白いチュニックを着用していた。


中級騎士も重装備であったが、白いチュニックではなく黒いチュニックを着用していた。人数は約50名である。


下級騎士は約30名、従者は20名で、合計200名からなるテンプル騎士団であった。


従者たちは馬車の護衛にあたっていたが、ガーランドが離脱したため19名になっていた。それに気づいたダニエルは、すぐさまガーランドを探しに向かった。


ダニエルはガーランドに近寄り、小声で話しかけた。


ダニエル「ガーランド、戦争が始まる。一番後ろにいろ」

ダニエルはガーランドの無謀な行動を心配していた。彼の性格をよく知っていたからだ。


ガーランド「名声を上げるには敵を倒すしかない!」

ガーランドは大声で叫び、従者を早く卒業したいという強い思いを露わにした。


ダニエル「馬鹿野郎!死ぬぞ!馬鹿か!」

ダニエルの声は小声から大声へと変わっていた。ガーランドはそれに反発した。


ガーランド「馬鹿を二度も言ったな、ダニエル!」

ガーランドも負けじと大声で言い返した。それを見ていた数人の騎士たちは、「また始まったか」と慣れた様子で見守っていた。ガーランドとダニエルの言い争いは、日常茶飯事だったようだ。


200名の騎士団は、隊列が乱れがちだった。こうしたやり取りが繰り返されることに慣れていたのだろうか。この騎士団はどこか異質だった。指揮官オーランドの影響なのか、あるいは別の理由があるのか。


上級騎士たちも呆れ顔だったが、幸い味方の陣営はそう遠くなかった。遠くに豆粒のように見える陣営に到着するまで、200名の騎士団を襲う敵はいなかった。


騎士一人で十人分の戦力を持つとされていた。これは厳しい鍛錬と豊富な経験の賜物であり、名誉騎士の称号が生まれる背景でもあった。


騎士団が味方の陣営に到着すると、王の陣幕では作戦会議が開かれていた。いわば作戦室である。そこにはオーランド騎士も参加していた。


オーランドが従える王は、小国の君主であった。莫大な金貨を投じてこの騎士団を雇い入れていた。


小国の王「オーランド、この戦をどう見る?」

王は戦術駒が並ぶ作戦盤を見つめた。


オーランド騎士「敵は我々に及びません。圧勝でしょう」

オーランドは敵側の駒を親指で弾き飛ばした。


オーランドは勝利を確信していた。敵に十字軍並みの装備がないことが、その自信の根拠だった。


小国の王「よし、全軍出陣だ!急げ!」

王は力強く号令を発した。将校たちはそれぞれの配置に就き、オーランドも自らの部隊に戻った。


オーランドはガーランドの肩を軽く叩いた。


オーランド騎士「ガーランド、剣を磨いておいてくれ」

彼は愛用の剣をガーランドに手渡した。それはガーランドが特に気に入っている剣だった。


ガーランド「はい、師匠!任せてください」

ガーランドは剣を受け取り、嬉しそうに微笑んだ。


こうして小国同士の戦争が始まった。


戦いはオーランドの予測通り、圧勝に終わり、終戦を迎えた。


青年ガーランドの物語はここで一旦終わるだろう。これは歴史に埋もれた1人の青年の物語…。

こうして記憶の記録が終わった。これは歴史に埋もれた一つに過ぎない。これは若き日の記憶なのだから…。

 

本編。「異世界転移したら、私が弟子になっていて、のんびりスローライフを送っていた。」

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