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冒頭

「今日も負けた〜」


夏休み直前の期末テスト。

俺たちは今日も勝負に明け暮れていた。


北沢天嗎(きたざわてんま)


それが俺、普通の高校3年生だ。


「やり〜っ」

そんな可愛い声を出した女の子は俺の幼馴染(おさななじみ)遠網(とおあみ)結希(ゆき)だ。


そして俺の好きな人でもある。


そんな俺たちは小学校の頃からあるゆる事で競ってきた。勉強、そしてスポーツでも。


「また今日も勝っちゃったね〜!」

と嬉しそうに言う結希。


「それ言いにわざわざこっちに来たのかよ…」


今は昼休みである。

違うクラスでわざわざ言いに来てる所本当は俺に会いに来てるんじゃないかと淡い希望を抱くが、ヘタレの俺にはそんな事は言えるわけがない。

最近負け続きのテストを見ながらため息をつく。


「そういえば進路決まったのか?」

俺が(たず)ねると、


「もうだいたいね!H大学に行こうと思ってるの!」


「H大学と言えば結構頭いいとこだよな?」


「そうそう!今ね頑張ってる♪」

すごいなこいつは。こんなにも先が見えてて目標があるって言うのは。


それに比べて俺は何も無い。


「天嗎は?」

「俺は全く考えてないんだよな。」

「ありゃりゃ」

そんな会話をだらだら繰り返していると、

《キーンコーンカーンコーン》


昼休みの終わりを告げるチャイムだ。


「じゃあ戻るね!」

「ああ、またな」


てくてくと去ってゆく結希を見ながら、

また1つため息をついた。


そして授業中俺たちは小声で

「はぁ…お前はいいよなー幼馴染が結希ちゃんだもんなー」


こいつは塚内航(つかうちこう)|。 級友(クラスメイト)だ。

「お前ら早く付き合っちまえばいいのに」


(そんな勇気があればとっくに告ってるよ)

心のなかでそう呟きながら

「別にそういうんじゃねぇけどな」

本音が言えない俺ってダセェな。


「お前がそんなんだから陰野(かげの)がまた振られんじゃねぇか」

「あいつまた告ったのか」

クラスの端でポツンと座ってる男が陰野真夜(かげのしんや)

普段から、あまり人と話す感じではなく、悪く言えば

陰キャと言うやつなのだろう。


「まあでもあいつの勇気はすげぇよな。もう5回目くらいじゃねぇのか?」

「もうあいつそんなに告白してたのか。」

正直俺も見習いたいところである。


「でもちょっと何考えてるかわかんないから怖いよな」

「まあ確かに」


そんな事をふと思いながらまた結希のことを思い出す。

正直結希は、めちゃくちゃモテると思う。

勉強、スポーツ共に常に優秀。

身長が決して高いわけではないが、愛嬌(あいきょう)があって天然な所が、男子の心にぶっ刺さるのだろう。

もちろん俺もその1人だ。

そんなことも相まって告白してきた男子の数は

年々積み上がっていく。

だが3年間誰とも付き合ってる感じもなく、高嶺の花状態だ。

「俺も腹括(はらくく)るか」

「ん?なんだって?」

「いや、なんでもない」

今まで散々逃げてきたけど、これも今日で終わりにしよう。


~放課後~


俺は結希の教室に向かっていた。

「結希ー、今日一緒に帰るか?」

そうやって俺が言うと、

「え!帰る〜!」

そう言って天真爛漫(てんしんらんまん)に言う結希と

「え!?」

「まじ?」

と嫉妬や半ば野次のような歓声と視線に耐えられなくなり、

「先行くぞー」

と半ば逃げるように言うと

「あ!今日小林先生に委員会のことで呼ばれてるんだった!後で教室行くから待ってて!」

「了解」

それ忘れるか普通?

そんな事を思いながら足早に自分の教室へと向かって行く…



ちょっと今回初めて書いてみました•ᴗ•;

海のような心で読んでくださるとうれしいです!



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