4頁:キングブレプス
ドでかいブロプスだと思っておりました……(ミライ談)
冒険者ギルド。
素材を買い取ってもらおうと、尋ねると掲示板のところに『キングプレパス』の討伐依頼が出ていた。しかも場所が……
『さっきのところなのにゃ!ん?ハラバラ草原って……』
「ま……まじかぁぁ〜〜高級肉……じゃん」
俺、クエスト受注前に倒しちゃったんですけど!?
スライム狩りしている時に襲われたから、解体しちゃったんですけど!?
しかも、その場で丸々1匹分焼いて食っちゃったし!?
どうしよう!マジで証拠になるものないじゃ……あ。心臓部分に魔石あったわ。
『ミライ……?どうしたのにゃ?』
クロが俺の様子を見て声をかけてくる。俺は、正直に話した。
「あのさ……その〜…さっきの獲物は狩ったんだけど……」
『何か問題があるのかにゃ?』
「うん……えっと……倒しちゃったかも……」
『どういうことだにゃ?』
すると、そこに受付嬢のサラさんがやってきた。
「ミライちゃん!どうしたの?」
「あ、サラさん」
「なんか元気ないわね?何かあったの……?」
どうやら心配してくれているようだ。ありがたいなぁと思いつつ、説明を始める。
「俺、スライム狩りしてるときこいつに遭遇して……狩っちゃって素材とお肉しか手元にないっす……どうしよう!あーん、1個手元に血抜きしたやつそのまま持ってこればよかった〜〜(泣)シュン……」
『にゃ、にゃにぃ〜〜!?』
クロが驚きすぎて、毛が逆立っている。俺はそんなクロを見て言った。
「あ、でも!それはアイテムボックスの中に入ってるから!」
『そういう問題じゃにゃーい!』
「え?」
『だって……そのキングブレプスって魔物は……』
すると、サラさんは何か知っているのか、説明してくれた。
「キングプレパスはね?このハラバラ草原に十年に1度現れるSランク級の魔物よ。出現率が十年に一度で生態系を脅かす存在だから、かなりレアなやつね……」
『そ、そうだにゃ!本来なら我で言うところの四天王とか出さないといけないのにゃ!』
「それにしても……ミライちゃん、よく倒したわね……ってえええ!?キングブレプスを討伐したの!?」
サラさんは俺を見て驚いてた。このクエスト、緊急クエストとして掲示されていたからな〜。お金いっぱい貰える予定だったのにな〜。
「はぁぁ……」と俺は項垂れる。すると、ギルド長のイガクさんがやってきた。
「おお!ミライちゃんじゃないか!キングプレパスを倒したのか!?」
「あ……イガクさん……」
すると、サラさんがイガクさんに言う。
「ギルド長!このクエスト、緊急クエストとして掲示されてましたよね?でも、この子が倒したみたいで……」
「・・・・・へ?」
「あの〜、一応倒したら魔石出てきたんで多分間違いないっす……」
「そうか!なら討伐報酬が出るからギルド長室に来てくれ!」
「ハーイ……」
俺はイガクさんに連れられてギルド長室に向かった。
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ギルド長室。
俺とクロは、キングブレプス討伐の報酬を貰うためにイガクさんとサラさんの前にいる。そして、イガクさんは言った。
「討伐報酬と素材の買い取りで金貨200枚だな。魔石は譲ってもらっても本当にいいのか?」
「はい。俺、知らずに討伐しちゃったんで……」
「それと、レストランギルドに肉は半分卸しておけよ?報告しないといけないからなー。ハッハッハ!」
「はい……本当にスミマセンでした……」
そして、レストランギルドに食材を卸すと……
「えぇぇ!?白金貨……3枚!?」
『にゃんにゃと〜〜〜!?』
「はい!こんなに上質なキングプレパスは見たことありません!一流のレストランに卸しても良いくらいの品質です。」
キングプレパスの半分のお肉、卸してみたら白金貨3枚、つまり金貨に例えると3千万枚になったのだ!
「え!?そんなに!?」
『にゃー!!ミライ、すごいにゃ!』
「いや……俺、そんな価値あるやつ倒したの……?」
俺は、肉を売ったことを後悔していた。すると……
「まあ、気にするな!それにな?キングプレパスはSランク級の魔物でな?討伐できる冒険者がなかなかいないんだ。だから、素材も肉も高値で取引されるんだよ。それにしてもキレイに解体して、肉磨きしてある分、イイ物ってことよ。それにこの脂身も上質じゃねぇか。」
そう言って、卸売市場のオッサンは笑って俺の背中をバンバン叩く。
「あ、ありがとうございます……」
「まあ、また何か困ったことがあったらいつでも相談してくれよな!」
「……はい!」
俺は卸売市場でお肉と脂身を買い取ってもらい、レストランギルドに卸した。そして……
『ミライ!次はどうするにゃ?』
「うーん、そうだな……親父にお肉渡さないといけないから、一旦帰ろう」
『りょーかいにゃ!』
俺とクロは、『満腹屋』に戻ってきた。
そして、姉貴と親父に例の物を見せる。
「「何じゃこりゃ〜〜!?」」
当然の反応されちゃったよね!そりゃそうだろ! だって、全長3メートル以上もある巨大な角の生えた牛が、血抜きされて解体されて、肉磨きしてあるんだもん。しかも、そのお肉の価値は、白金貨3枚だよ?
「親父〜これ……キングブレプスのお肉と脂身……」
俺は正直に親父に言う。すると親父は……
「ミライ……お前、また何かやらかしたな……?」
「いやいやいやいや!俺じゃないって!」
『にゃー!!ミライは悪くないにゃ!我らがスライム狩りしてたら襲いかかってきて、ミライが倒したんだにゃ〜!』
「凄い……肉がキレイで輝いてる……!」
「しかもこんな上質な高級肉……英雄時代に見たときだけだぞ……」
「あはは……」
親父と姉貴は、目をキラキラさせている。まあ、こんな凄い肉見たの初めてだろうしな……
「これ本当に良いのか!?」
「良いに決まってるだろ。それに親父の肉磨きの仕方を教えてもらったおかげで、相場と予想以上のお金を貰ったんだぜ!?」
「そうなのか……」
「これ、良かったら明日か明後日の定食に使ってくれよ。ブレパスの肉ってことにしてさ!」
俺はそう言って、親父に全部譲った。あ、ちゃんとスライムも渡しておきました。
「本当にありがとうな……ミライ」
「お安い御用だよ」
俺は今日の出来事のせいで大金持ちになってしまったのだった……