3頁:ブレパスの群れ
翌日。
俺とクロは、スライムの群生地の1つ、ハラバラ草原に来ていた。
ハラバラ草原は、畜産系の魔物の群生地で、主にトットリスやカウカウ、ピーグが生息している。
『初めて来る場所にゃ。』
「ああ、ここはなかなかいい魔物が多いらしいんだ。」
俺はクロと雑談しながら歩いているが、何故か俺たち以外の人がいない。
『まあ、それは良いとして……取り敢えずスライム狩るのにゃ!』
「はいはい……」
取り敢えずスライムを狩ることにした。
「よし!クロ、スライムを捕まえるぞ!」
『了解にゃ!』
俺とクロは二手に分かれて、スライムを狩る。
4等分すれば、スライムは分裂して動けなくなるので、それをドンドン捕まえて大きめの容器に入れていく。
「よし、こんなものでいいだろ」
『それにしても、大漁だにゃ!』
「明日、コレを使ってみたらし団子を作るんだ。食堂の名物お菓子なんだ。」
『名前からして、既に美味しそうにゃ!』
「あははっ……」
クロと雑談していると、突然大きな影が俺たちを覆った。
「何だ!?」
上を見ると、なんとそこには巨大なカトブレパスの群れがいたのだ。
「でかない!?」
『しかも、全員魔力がかなり高いにゃ!』
「そうでもないけど……?てか、あんたも使えるんだな。」
『我の眼は特別製だにゃ!この程度なら見えるにゃ!』
「クロってチートだな」
『まあ、魔王だからにゃ』
そう会話している間にカトブレパスは俺達を見てすぐ攻撃してきたのだ。
かなり荒ぶっている。これが原因で他の畜産系モンスターが居なかったのか!!!
仕方ない……、久しぶりにあのスキルを使うしかないか……
『ミライ!?何をするのにゃ!?』
「クロはそこで待ってな。やるぞ。」
俺は切れ味の良い、親父の知り合いの武器商人さんに作ってもらったお手製サバイバルナイフを片手に走り出す。
まず最初に血抜きをするため、首あたりに魔法で穴を打ち込む。
「『アイスアロー』!!!」
すると、カトブレパスの首から血が吹き出す。どうやら、この魔物は氷属性に弱いらしい。俺は次々とカトブレパスの血抜きをやっていく。
ドサドサッ!
「よし!これで血抜きは完了だ!」
『にゃー!?ミライ……お前、何やってるのにゃ!?』
「え?カトブレパスの血抜き。」
『違うにゃ!なんで血抜きしてるのかって聞いてるんだにゃ!』
クロがなんか怒っているが、俺にはさっぱり分からないので、そのまま、解体を始める。
内蔵を取り出し、先程捕まえた4等分スライムの何匹かを取り出し、食べさせる。
その間に、簡単に解体し……肉磨き……つまり、肉をツルツルにする作業をする。
『何やってるんだにゃ!?』
「ん〜?食材を加工してんの〜」
クロは、俺が何をしているか分からず、困惑しているようだった。
「よし!こんなもんで良いかな!」
『ミライ……お前、今何をやったのにゃ?』
「え?肉磨きだけど?」
『その作業はなんだ』
「ああ、この作業か。これはな……」
俺はクロに説明を始めた。カトブレパスは食べれる部位が多くクセがないため、大衆食堂の看板料理にされがちな肉と言っても過言ではない。素材も上質で、冒険者ギルドに売れば、そこそこ良いお金が入るのだ。
角や骨は丈夫で色んな武器や加工品にできるし、革は保温性が高く、冬用のコートやブーツに。そして、脂身は美容品に!あと、オスならお薬のもとになるあるものが摂れる。
この量だと、かなり良いお金が入るんじゃないかな?
「おわった〜!」
『あっという間に終わったにゃ……』
「30分もしなかったんじゃないか?じゃあ、素材は詰めて、食材は……、1匹分以外は親父に渡しておくか。」
『にゃにゃ!?』
俺はアイテムボックスに肉を詰めて、クロに声をかける。
「よし!じゃあ、ギルドに帰る前に肉……食うか?」
『良いのかにゃ!?』
「いや、腹減っちゃったし……」
そして俺は、アイテムボックスから必要な道具を取り出し、調理を始める。
魔導コンロに魔力を込めて火を付ける。
そこにフライパンを置いて熱している間に、カトブレパスの肉をカットして塩コショウをまぶす。
そして、キャベバードの羽?葉っぱを千切りにしたものを上に乗せる。
そしたら、フライパンで高火力で熱する!
皿に盛り付けたら……
「カトブレパスの豪快焼き!完成〜!」
クロがよだれをダラダラと流して、肉を見ている。俺はそんなクロを見て笑った。そして、皿に盛った肉をクロの前に置く。
「ほら、食っていいぞ」
『わーい!頂くのにゃー!』
すると、クロは勢いよく食べ始めた。俺も一口食べる。うん、美味しい!
『うにゃ〜ん♡ただ焼いただけなのに、柔らかくて、とろけるにゃ〜』
親父曰く、このお肉はワギュウと呼ばれるものと似ているらしい。
脂身が上質でクセが少なく、胃もたれしにくいことから、ほとんどの大衆食堂の定番メニューとしているのがうなづける。
「クロは、美味しいか?」
俺はクロに聞く。すると、クロは幸せそうな顔をして言った。
『にゃー!最高なのにゃ!』
「それは良かった」
こうして、俺とクロの初めての狩りは大成功に終わったのだった。