2頁:看板猫の誕生
翌日。俺は親父と一緒にレストランギルドに来ていた。もちろん、このクロを看板猫として起用するためだ。
動物や従魔を看板ペットにするには申請が必要なのだ。衛生面とかの審査がクリアしていて、猫の住居がないといけない。その面は既にクリアしていて、既に親父が昨日準備していた。
「ようこそ、リュウタさん。」
「こんにちは。今日は看板ペットの申請に来ました。」
「はい。では、そちらの猫さんをお見せください。」
「はい!この子です!」
「にゃあ♡」
俺が抱えた猫を見ると、ギルドの受付嬢さんは、嬉しそうに猫の頭を撫でた。
「あら、可愛い猫さんですね!」
すると、親父が説明しだした。
「この猫は『クロ』って言って、狩りも出来る優秀なペットなんです。先日、保護してきて昨日基準をクリアできるくらいになったので。」
「なるほど。それでは、この猫さんを看板ペットとして登録しますね。」
「ありがとうございます!」
こうして、クロはレストランギルドの看板ペットとなったのだった。そして、親父と俺は店に戻ったのだが……
『我の出番が全然ないにゃあ……』
クロが寂しそうに呟いたので、俺と姉貴で一緒に遊んであげることにした。
「よし!じゃあクロ!遊ぼうぜ!」
『やったー!』
「何して遊ぶ?」
『チェス』
「……へ?」
『チェスがやりたいのにゃ』
「ごめん……俺チェス知らねぇんだわ」
『にゃんと!?』
クロがとても絶望したような顔をしてこっちを見た。そんな目で見るなって!
『にゃー!!』
「ごめんね?でも、私もチェスは良く分からないんだ」
姉貴も申し訳なさそうに言った。すると……
『じゃあ、我の知恵を貸してやるにゃ!』
そう言って、クロはアイテムボックスから、チェスと言うものを出してきて、俺たちにチェスについて教えてくれた。そして……
『これでどうにゃ!?』
「おぉ!すげぇ!」
「なるほど!これなら出来そう!」
俺と姉貴でクロに教えてもらいながらチェスのルールを学んだ。
流石元『魔王』。頭も冴えているんだな。
「あと、クロのことなんだけどさ。姉貴」
「『元魔王』は秘密にするって話ね。」
「……イェス。」
こうなった経緯……それは、先日、俺が猫を保護した日に親父がクロを飼うと言ったのだ。
「ええの!?まじで!?」
「というか、メリット、デメリットを考えたとき、俺の監視下に置いたほうが得することがわかったからな。」
「あっ、なるほど〜。復活しても、親父の調理スキルとかで常時コテンパンできるようにしといたほうが良いもんな〜」
親父が言うには、クロが魔王に戻っても俺のスキルさえあればコテンパンに出来ること。そして、元英雄である親父の監視下に置くことでクロも下手に動くことができないだろうということだ。
「じゃあ、クロ。今日からよろしくな!」
『にゃあ!』
「ただし!俺の目が黒いうちに、娘たちに手は出させないからな!!!」
こうして、元魔王の猫がレストランギルドの看板ペットになったのだった。そして……俺は、クロにこう言われた。
『我は、貴様を主人として認めてやるにゃ』
「え?」
『だから、我を従える権利を与えてやるって言ってるんだにゃ!ありがたく思えにゃ!』
「お、おう……」
なんかよく分からんが、クロが俺のことを気に入ってくれたようだ。まあ、それは良いことだと思い、冒険者ギルドで従魔として登録し、満腹屋の看板マスコットになったのだった。