9頁:無理やりランクを上げられました(汗)
翌日。
クオカフ村のレストランギルドのお偉いさんから話があると言われ、ギルド長室に通された。
そこに居たのは、小太りくらいのおっちゃん、多分領主様かそのくらいだろう。
そして、その隣には好青年のイケメン男……あっ、村長さんだわ。良く見れば。
そして、ハードボイルドみたいな格好をしたおっちゃんは……このレストランギルドの長だ。
すごいメンツがそろっているな。俺は、挨拶をすることにしたのだった。
「はっ…はじめまして!大衆食堂、『満腹屋』の食材調達人のミライです!」
『にゃー!』
クロはアイテムボックスから出てきて俺の肩に乗る。すると……ギルド長が俺に言う。
「お初にお目にかかります、ミライ様、そしてクロ殿。私は当レストランギルド長のフドウと申します。この度はレッドボアを売っていただきありがとうございました」
「い……いえ!そんな……」
俺はぺこりと挨拶すると、彼は話を続ける。
「それで、実はお願いがありまして……」
「はい?」
「ミライ様のランクを上げておきたいと思いまして」
「ランクですか!?」
俺は驚いて聞き返すと、フドウさんが言う。
「えぇ、ミライ様は素晴らしい食材を持ってきて下さいます。それに加え、冒険者ギルドが依頼する魔物討伐やダンジョン攻略もこなしていただいておりますし……是非ともギルドの貢献者としてランクを上げさせていただきたいのです」
「え?ドユコト?」
「実は、ミライさんの取ってきたレッドボアが上質かつ、綺麗な肉磨きのお陰で、卸売市場でかなりの高値の価値がついてね。王都王室御用達のレストランに卸されることになったんだ。しかも値段が白金貨100枚!」
「なっ……!」
俺は絶句する。白金貨1枚は約金貨1千万枚相当……今の俺のポケットマネーが、白金貨15枚に金貨5000枚くらいだから……ん?
これ、やばい……嫌な予感しかしない……。
「上質なレッドボアは、実はお貴族様からご購入のお声も多いのです。それに、元英雄様の娘様が狩ったということであれば、更に値がつきます。」
「わーお、まじか……」
俺は言葉を失う。村を救うためにやったことがまさかこんなことになるとは……
「そこで、ミライ様にランクを上げて欲しいのです」
「えぇー!?」
「お願いします!」
「お願いします!!」
現在、俺は冒険者としてはBランク。そしてレストランギルドのフードバイヤーとしてはAランク。つまり、Aランク+Sランクになったということ!つまり、新聞紙に堂々と名前が載ってしまうのだ!
(共通ギルド新法:メディアの露出度を規制に関する条項より)
「いや……別に俺、そこまで有名になりたいわけじゃないし……でも……」
「お願いします!」
俺は頭を抱える。そして、ギルド長が言う。
「実はですね……ミライ様たちが狩ってこられたワイルドボアは、他の地方では高級食材として扱われているのです。しかも、このクオカフ村産のワイルドボアは上質で人気が高いんですよ」
(まぁ、確かに美味しいけども……俺、メディア露出とか好きじゃないからギリギリのラインで維持してきたのにコレは……家に帰ってきたときの親父の様子がさらに磨きがかかってしまう……やばい。どうしよう……)
俺の心境を察したのか、ギルド長は言う。
「大丈夫です!ギルドの受付嬢全員には情報規制を徹底しておりますので」
「でっ……でもぉ……俺の名前とか新聞にのります……よねぇ?」
「はい、もちろんです。」
『にゃっ……!?』
俺は絶望した。そして、クロは驚きの声を上げた。
「ミライさん、お願いです!」
「お願いします!」
(うぐぐ……)
俺は頭を抱える。しかし……ここで断ればこのレストランギルドに迷惑がかかるかもしれない。それは避けなければならないだろう。それに、親父の店が有名になれば村の宣伝にもなるし、ギーツ市街へ人がたくさん来てくれる!
「……わかりました。その代わり、大事にしないでいただけると助かります……」
そうすると、3人の顔がめっちゃウルウルアイになって、俺に言う。
「ありがとうございます!」
「本当に……ありがとうございます!!」
『にゃー!』
こうして、俺のギルドランクは
【冒険者:A】・【フードバイヤー:S】にランクアップされたのだ。
その後、お礼金として、レッドボアの売り上げ金の一部、白金貨20枚を頂いてしまった!
エゲツねぇくらい眩い光を放つ白金貨……20枚! それを手渡されて、俺は気絶しかけたが、なんとか堪えることが出来たのだった。
「まいどあり〜」
俺はアイテムボックスにお金を入れて、クオカフ村を後にしたのだった……。




