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ただそれだけのこと

作者: ゆうさん

私には好きな人がいる。大学で初めて会った彼は特別頭がいいわけでも、容姿が優れているわけでもない。ただ、彼という人物が太陽のように暖かく優しかった。彼といる時間も空間も時より見せる笑顔もそれらすべて踏まえて彼に惚れていた。


大学卒業から3年後、そんな彼が今日結婚する。白いタキシードに身を包み、花嫁の入場を今か今かと背中越しに伝わる緊張とともに待っている。




そんな彼の背中を私は参列席から見守る。彼は今日、会社で出会った同僚の女性と結婚する。花嫁が入場し、式は滞りなく進行していき、終了した。披露宴に入り、参加者による催しや家族への手紙などが行われた後に参加者が新郎新婦にお祝いの言葉を言っていった。

後悔がないと言えば噓になる。だが、彼の隣に私がいないのに対して後悔することも結婚相手を羨むことも烏滸がましい。私が『好き』とたった2文字の勇気が持てなかった。ただそれだけのことだから。


お祝いの言葉言う順番が私に回ってきた。今の私はどんな顔をしているだろうか。泣いているだろうか気の抜けた顔をしているのだろうか願わくば笑顔で送り届けたいが、私にもわからない。でも、今のこの本心だけは伝えるべきだと思った。1つのけじめとして。


 「結婚おめでとう。末永くお幸せにね。」

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