贈りモノはアヤカシな許嫁!?
千年前――
「妖(あやかし)」と呼ばれる異形の存在は、しばしば災害を引き起こし、人間を脅かしていた。
その脅威に立ち向かうべく結成されたのが【対妖討伐隊】。彼らは「退魔の力」を身につけ、妖を討つために戦いを繰り広げた。そしてその戦いは、千年もの長きにわたり続いている。
討伐隊には東野家(とうのけ)、西条家(さいじょうけ)、南場家(なんばけ)、北都家(ほくとか)という四家が存在していた。彼らは討伐隊の中核を担い、特に西条家・南場家・北都家は妖への深い憎しみを抱き、最前線に立ち続けていた。しかし、ただ一つ、東野家だけは違った。
「このまま戦い続けるより、妖と仲良くしたほうが良いんじゃないか?」
この提案は、当然ながら他の三家から猛反発を受けた。
それでも東野家は自分たちの意志を貫き、争いを嫌う妖たちを受け入れ始めた。やがて討伐隊も対立を避けるため、一部地域で人間と妖の共存を認めた。その場所こそ、【人妖村】――現在では【人妖町】と呼ばれる町の始まりである。
現代――
東野家の跡取り、東野一二三(とうのひふみ)は、その名に似合わず「ダメ人間」と評される青年だ。
無気力、面倒くさがり、マイペース――三拍子揃った性格で、周囲からはため息をつかれることもしばしば。
そんな彼のもとに、ある日一通の荷物が届いた。
差出人不明のその荷物は、着払いだった。
「差出人ぐらい書けよ……つーか、金払って送れよな」
一二三はぶつぶつと文句を言いながら荷物を受け取る。
だが、それが彼の運命を大きく変えるきっかけとなるとは、このとき誰も知る由もなかった――。
『ちょっとあらすじを訂正しました』
あやかしびと④
2025/10/22 10:00
アヤカシな許嫁が贈られ来たら、俺のグータラ生活が終わった件について。(終)
2025/10/23 10:00
あとがき
2025/10/23 10:50