レッツゴー、ビーチへ!⑦
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「苦難……」
「よかったな、清海がめっちゃ心配してくれているぞ」
ようやく泣き止んだしいなであるが、一応現状報告の為、南場家の元に連れていき事情を説明した。
「まさか妾が南場に慰められる日が来るとは……かたじけない!!」
そこは屈辱とかではないんだな。
「ところでこの辺で悪さをしているのはしいなじゃないとして、一体誰がここを荒らしているんだ?」
「鮫」
「南場清海の言う通り、この付近を荒らしているのは鮫の妖であるのじゃ」
「しいなさんも清海さんたちの言っている事が分かるのですか?」
「まぁ、転生したとはいえ妾と南場は腐れ縁じゃ。嫌でも何を言っているのか分かる」
「感謝」
「はぁ、確か転生前の妾が最後に見た時はまだ南場の倅も可愛いとは思ったが、今ではこんな筋肉だるまになるとはな。人の変化は恐ろしい」
確かに子どもの頃の清海はどっちかというと華奢な体格だったしな。
いつからこんな筋肉になったんだ?
「鮫」
「そうじゃそうじゃ、話を戻そう。最近鮫の妖たちがこの付近の海を荒らしておるのじゃ。なんなら人に危害も加えているらしいぞ」
「あー、海かぁ。俺ただの人間で水の中でで息できないから、今回は出番はないな」
「水生の妖ではない限り水の中で息をできる妖も居ませんから大丈夫ですよ。勿論一二三さんの出番は有ります!」
偶には俺ものんびりしたいのだがな。
「まぁ、今回は南場の領地での出来事だからな。部外者の東野が出払ったら南場の顔が立たないしなぁ」
「任せる」
清海の1.5倍の筋肉を有する清海父に肩を掴まれた。
「……はい、勿論東野も協力しますよ」
「流石は私の夫!! 惚れ直しますよ!!」
半ば強制参加な気がするが、どうやらやよいの好感度が上がったみたいだ。
「……では、妾はこれにて失礼するとしよう」
「待て、そもそもお前がしっかりしてないから、チンピラ鮫たちが悪さしてんだろ。お前もしっかり責任取れ」
「いーーやーーじゃーーっ!! お主は妾が弱いのを知らんのか? びっくりするほど弱いのじゃぞ? 弱い妖を戦場に出して楽しいのか?」
「そんな矢継ぎ早に言うなよ。それにお前もこのままだと南妖の主から降ろされるぞ」
「ぎくっ!!」
「確かに今まで実力が乏しい妖が主を務めたと言う話は全く聞かないですね」
「ぎくっぎくっ!!」
「……心配」
「……妾も微力ながら協力しよう」
「ちゃんと骨は拾ってやるから安心しろよ!」
そんな訳で俺、やよい、清海、しいなで悪さを続ける鮫妖を成敗しに行く事になった。
この人数だけなのは海の家が繁盛しており、人手が足りないかららしい。
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『兄貴っ!! 俺たちの縄張りに抜け抜けと侵入してきた人間の船を締め上げてきやした!』
『おう、でかした!! それで、成果はどんな感じだった?』
『それが、しょっぱいもんしか所持してやせんでした。この漁に使うだろうエサぐらいです!』
『バカヤロー!! そんなもんに価値はねぇよ!! せめて金になりそうなもんを持ってこい!!』
『はいっ!! すいやせん!!』
『ったく、いつになったらうちの部下たちは学習するのやら』
『兄貴ーっ!! 大変だーっ!!』
『こんどは何だ。またしょっぱいもんを強奪してきたとか言うなよ!!』
『侵入者だぁ!! しかも、南場の倅が直々にやって来やがった!!』
『……まじ?』
『南場の倅っていえばあの堅固の清海っすよね? 兄貴より強いんすか?』
『そ、そんな訳ないだろ!! 俺の方が強いに決まって……』
「お邪魔しまーす!」




